自由研究■港北・南町田企画2001.12の記録


teku-teku自由研究


TEKUTEKU自由研究/近未来の商業シーン2 −東京西郊第4山の手ショッピングゾーン−

●日 時:平成13年12月2日(日) 11:05〜17:00
●コース:港北ニュータウン地区(都筑阪急Mosaic+観覧車)→南町田地区(グランベリーモール(食入)+カルフール)→町田駅前地区→南大沢地区(ラフェットモール)
 解散・忘年会(南大沢前)
●参加者:16名 ◎谷貝等+葉月
     安藤綾、井手幸人、上野朋子、大澤真澄、大竹亮、小俣元美、鎌原史英、岸田典子、桜井香織、神野雅代、重永真理子、田野裕美、千川明、溝辺正浩


【参加者の意見】


■ 港北ニュータウン地区(都筑阪急+モザイクモール+観覧車)
●駅前にあるのに郊外のSCのような感じでした。観覧車からの見る一面に広がる住宅地は絶景でした。
●おろしたてのワイシャツを着ている感じ。専門店など各店舗が撤退しないことを願いたい。
●デパ上の遊戯具が観覧車だけであとは座ってぼーとできるスペースになっている点がいい。
●中の専門店などは面白い物もあるが、それ以外は普通。NT以外から客を呼ぶインパクトに欠ける。
●天気が良く、観覧車より望むSCと地域との関係が良く分かった。ファミリーというコンセプトを良く意識して取り組んでいると思う。
●ビルトイン型の観覧車は圧観。阪急デパートとMosaicモールが繋がっているが、相互連携の効果があまり見えない。周囲の居住者は来ているのか?
●施設自体は柔和な感じが伝わって良いが、駅前空間として殺風景。駅と一体化してほしい。
●阪急は、開発途上の街にぽつんとつくる総合施設そのもの。だが、地区の吸引施設としては数年タイミングが遅い。港北、タマプラ東急との競合もあるが、成り立っているのか。
●気持ちはわかるけど、つらいねって感じ。
●駅からのアプローチの良さやエントランスのデザインのインパクトや内部の吹抜部分の開放感やエリア性を重視したフロア構成、大観覧車の設置など、郊外SCの意気込み感じられた。


■ 南町田地区
●周りが駐車場で囲まれたグランベリーは、青空を見ながら歩け、とても気持ちのいいショッピングモールでした。カルフールも地域性を考慮した親しみのある店舗構成となっていた。
●駅前から自動車のない空間が拡がり、また広くて歩きやすい。お店と品揃えが飽きられないようにしたい。
●駅の目の前という立地に驚いた。目的をもったショッピングはできるが、訪れるたびの発見は少ないように感じた。カルフールは、生活用品や食品といった日常の買い物と、趣味やちょっと思い切った大きな買い物とが同列になる(商品として同列にあつかわれている)ことは、個人的になじめないと思った。
●駅を降りたらそこはもうテーマパークのようで楽しい気分になる。
●開放的でゆったり歩け、郊外という立地をよく活かしている。飲食コーナーが分散しているのも休憩をとりやすく、長時間楽しめる。
●すっかりアウトレットが都心に根づいてきている中、テナントミックスも変えながら対応していることがわかる。ペットを連れることをステイタスとしている。(カルフールはコメントなし)
●平成ニューファミリーにターゲットを絞ったのは正解。駅自体がSCと一体となっているのは面白い。
●駅前商店街のようなSCで、車を排除して歩きやすく楽しい。普通の駅前もこうしてほしいもの。
●これにより南町田のマンションは売れた。南町田という地名を多くの人が認識した。公園的空間は好きだ。
●かわいらしい町並?だが、近くに住みたくはない。特にもう一度行きたいとは思わない。
●「グランベリーモール」に関してはSCというより、商業エリアの夢のある「町づくり」という感じがする。駅の改札の前に開ける風景を目にした第一印象は、「こんな街に住みたいな!」です。東急の開発力のすごさと企画力に頭が下がる思いです。■ 町田駅前地区
●人が街にあふれている・・すごい活気にビックリしました。再開発ビルも建設中でしたが、まだ人が溢れるんでしょうか?
●いつも思うのだが、どこからあのような人たちが沸いてくるのだろうか。
●活気がある商店街はとても魅力的。買い物すること、歩くことを楽しめる。スパイスなどを扱っていたお店は、近ければきっと通ってしまうと思った。
●ごちゃごちゃしているし、地縁がないと目的地にたどりつかない。デッキができて乗り換えも以前より便利になったが、ラッシュ時は混みそう。
●人出が多く、歩道も整備されているとは言い難いが、新旧様々な店舗があり、一々覗いて歩くのが楽しい。
●大丸Be-meが閉店した時とは比べものにならないほどはなやいだ駅コンコースに感激!買い回り率はNo.1かも。
●多くの人出には驚いた。横浜、新宿まで行かずにそれなりの買物ができるという魅力だろう。
●魅力的な店や歩きやすい舗装、美しいデザインなどがほとんどないのに非常に賑わっているのが不思議。
●がやがや、ごしゃごしゃ。何かがありそうでワクワク。気づくと時間が経ち、歩き疲れた自分が居る。
●自然発生的で好感が持てる。
●混沌とした街づくりが発展したという印象。消費者パワーで構成される街という感じがする。こういうのを「アジア的・・」というのか?!


■ 南大沢地区(ラ・フェット多摩南大沢)
●大学が店舗の一部になってしまっている。店舗の事業者が大学をうまく取り込んで計画したのか、それともここまでの展開を見据えて大学が設計されたのでしょうか??
●最果ての地でがんばっているという感じ。
●個人的なことですが、規模が大きいショッピングセンターはストレスを感じることが多いので、ここはコンパクトで、あたたかみのある遊びの雰囲気が良かった。つい足を止めてしまうイベントもあり、子どもたちも楽しそうに見えた。
●イベントができる広場や子供が喜ぶスペース、空間の使い方がうまい。
●駅前にまるでテーマパークのような空間が広がり、不思議な雰囲気。
●広さ、品揃え共にいつみても中途ハンパ。タコのようなサンタクロースが空しく空中に舞う・・・。
●ようやく多摩NTも定着してきたと言えるのではないか。NTの中に南仏風の街並みがあると何か安心感がある。
●駅から大学や団地へ行く歩行者道路の両側にあって、界わいを楽しくしている。都立大やベルコリーヌにデザインが呼応。
●テーマパーク的に楽しもうというのなら◎!。
●三井不動産のSC開発・運営ノウハウとマーケティング力の適確さが、まさに求められたものをつくり、エリアターゲットを確実に集客しているといった感じがする。


■ 東京西郊第4山の手ショッピングゾーン全体
●カジュアル系の店舗が多く、のんびり歩きながら買い物のできるSCが混んでいたような気がしました。
●新しいショッピングゾーンなので、お店もお客も生き生きとしている。でもこうやって自動車(駐車場)をつくり作り続けるのでしょうか。
●小さい子供がいる若夫婦と20代女性を対象としている店舗展開が特徴的。
●一日で良く回ったものだ。スゴイ。天気に恵まれて、そこそこの人手の中でにぎわいのSCを見ることができたが、平日の閑散としたところも見たい。
●都心と郊外ロードサイドという構図は完全に崩れた。今回の郊外SCは、全て駅前型でありかつ幹線道路にも近い。
●新しい商業施設よりも、町田、立川、吉祥寺などの旧来の駅前の方が栄えているが、いつまで続くのだろうか・・・。
●第4山の手ゾーンと理論的にはひとつにくくられるが、様々な空気をもつ街が点在する。点が線になるともっと楽しいのだが・・・。無理ですよねえ・・・。
●あまりに違うことを見比べらえておもしろかった。比べると造り手の悲しさがうかびあがる。
●「グランベリーモール」や「ラ・フェット多摩」の街づくり・商業施設づくりのノウハウが、各地にちりばめられれば、日本も西欧の街にひけをとらない、居心地の良い街の成熟が望めるのに・・・と思った。


【評価集計結果】
 

  対象  評価  内訳  ※1 ※2 ※3 ※4 ※5
JK1001 モザイクモール港北 3.30 AABBBBBBBD- 3.00 3.00 2.60 3.20 2.20
JK1002 グランベリーモール 3.73 AAAAAABBBCC 4.27 3.45 3.18 4.27 3.00
JK1003 カルフール南町田店 2.20 ABBBBCCCCD- 2.56 2.20 1.60 1.90 2.20
JK1004 町田駅前 2.82 AAABBBBCCCC 2.56 3.55 1.55 2.27 3.91
JK1005 ラ・フェット多摩 4.40 AAAAAAAABC- 4.20 3.40 3.80 4.60 3.80

※1〜5は要素別分析、※1コンセプト、※2商店の魅力、※3デザイン、※4歩きやすさ、※5周辺との関係

■ 買物をしたいSCは?その魅力は?
●モザイク港北。HMV、ソフマップ、ブックファーストがあるので。
●グランベリー。SCに開放感があり、店舗のセンスもよかった。
●グランベリーモール。お気に入りの店のアウトレットを発見したが時間がなくてゆっくり見れなかった、のです。
●グランベリーモール。買い物が目的でなくても、休日にぶらぶらして楽しめそう。
●グランベリーモール。広さとデザインの良い地区内で魅力的な商店。何か面白いものがありそうという期待感がある。
●町田駅前。百貨店、ファッションビル、地元商店街などを一ヶ所で効率的に楽しめるから。
●ラ・フェット多摩。テーマパーク的で面白い。
●グランベリーモールは、のんびり旅行気分で一日を楽しみたいところ。(なので、何も買わなくても満足できる。)ラ・フェット多摩は、買物を楽しみたい時に買物に行くところ。(なので、必ず何かを買わないと気がすまない。)
●買いたい物があり、商品重視の場合は、グランベリーモール。買い物そのものや雰囲気を楽しみたいときはラフェット多摩。
●キャナルシティ博多。商店が個性的かつ広くカバーされ空間が美しく楽しい。
●岸和田CANCANベイサイドモール。写真で見ると面白そう。一度行ってみたい。
●最近、フラフラと買物ということはあまりしていない気がする。改めて考えると、水があり緑があり自然の光がありその中に個性的な店が点在する、そんなSCがあると良いなあと思います。


■ 駅前商店街とSCはどちらが良いか?その理由は?
●駅前商店街。家に帰る途中に寄って帰れるから。
●駅前商店街。百貨店、ファッションビル、地元商店街などを一ヶ所で効率的に楽しめるから。
●駅前商店街。買い物の目的によるので本当に難しいですが、SCはいくらにぎわっても街の活気につながりにくいと思われるので。
●SCの方が良い。バギーに子供を乗せた人やペット連れの人もショッピングをしたり、オープンカフェでお茶を飲んだり、自分のペースでくつろぎながら時間を消費できるのが魅力。
●どちらも良い。どちらも好き。駅前商店街は、ブラブラするのに楽しい。何か発見できそうな感じがある。SCは目的物を探しに行くには便利である。
●甲乙つけがたい。
●比べられない。駅前商店街は生活の一部。一方SCはリクリエーション的要素も含む。
●食料品、特に生鮮産品は商店街のほうがよい。最近はSCでも対面販売コーナーと銘打って専門店のような方法を取っているところもある。SCはハレの場、でもあまり用はない。
●日常品と買回り品もSCの方が買いやすいし魅力的である。しかし、たまには町田駅前のような集積があれば行きたくなる。駅前商店街の魅力は個性であり、ある程度の集積が必要である。
●街としては駅前商店街の方が魅力的だが、品揃えや共用サービスに難がある。駅前商店街の一角にSCがあるのが一番良いのだが。
●駅前商店街は「日常」的でSCは「非日常」的。非日常的な空間で日常を過ごせる方が生活文化の質の高さが感じられるのでは!と思う。


■ 今回の企画についての意見・感想等
●新しくできた東京近辺の郊外のSCは気になっていたのですが、なかなか行く機会がありませんでした。今回この企画で一気に気になっていたことが解決しました。(Y.Ide-)
●普段ですとSCを比較して歩くということがないので、それを意識してみると、各地域ごとのSCの担う役割が街の発展の方向を決める大切なカギになっているということがよくわかりました。(N.Kis-)
●行きたいな、と思ってはいたが、なかなか実現しなかったエリアを一日で体験できた。本当はもう少しゆっくりしたかった。ありがとうございました。(M.Osa-)
●大きなSCは、できたときに話題になることや計画的であることから、コンセプトもわかりやすいし情報もあるが、商店街は実際に行って初めてわかるところが面白かった。(S.Kan-)
●普段はアウトレットモールなど縁の無い生活を送っておりますが、この地区での生活スタイルが垣間見える企画で参考になりました。(M.Miz-)
●将来的な不安を感じながらも郊外は健在だったと再認識させられました。その裏で既存の中心市街地の衰退が想起されます。(M.Oma-)
●3月の京葉沿線の「海浜組曲」に続き、第4山の手の「西郊のシンフォニー」の魅惑を堪能しました。次は、御殿場プレミアムの「山ろくの交響詩」を期待します。(R.Ota-)
●楽しかったです。おつかれ様でした。(T.Uen-)
●こういうのもたまにはアリ!でおもしろい。(K.Sak-)


■ コーディネーターより
●大した専門知識をご用意できずすみません。(H.Yag-)
●十分お買物時間をとれずに申し訳ありませんでした。「さらっと見る」か「じっくり買物をする」かになるので、この時間設定では「じっくり買物」は無理のようでした。性格の異なるSCを駅前商店街を含めて同時に比較できたのは面白く思いました。駅前の中心商店街と郊外のSCの対立という構図から、駅前にSCが立地して新たな商業展開が進んでいることを実感しました。商業施設が我々の住まい方を大きく左右しまちづくりに大きな影響力を有していることもわかりました。現在のSCは10年程度で償却できるようなつくりになっているそうです。それだけ、自ら変化していかなければ生き残っていかれないということだと思います。中心商店街の衰退の要因は都市構造や自動車利用の増加だけでなく、そこにあるのではないでしょうか。チクルス第3回は、超郊外の「御殿場プレミアムアウトレット」企画を検討中です。お楽しみに。(H.Yag-)


TEKU−TEKU 通信へ戻る

TEKU-TEKU HOME PAGE