自由研究23■丸の内・汐留・東日本橋企画2003.2の記録


teku-teku自由研究23


テーマ●2003年問題を歩き、考える(その1)−丸ビル・汐留と東日本橋−

日 時●2003.2.1(土)13時〜17時30分 
コース●東京駅南口〜丸ビル〜丸の内仲通〜丸の内カフェ〜東京駅〜総武線〜馬喰町駅〜日本橋女学館〜柳橋〜東日本橋2丁目〜東日本橋駅〜都営浅草線〜新橋駅〜汐留シティセンター〜カレッタ汐留+電通本社ビル〜住宅棟〜イタリア街区(WINS汐留+etc)
参加者●23人+1人(生後4ヶ月)
コーディネーター :桜井香織+井手幸人
青木伊知郎、青木理恵、安藤 文、石橋理奈、大島英司、大竹 亮、小俣元美、河原佳明、桜井ひろみ、櫻川恵一、澤田初穂、田野裕美、千川 明、樋口澄江、古里 実、村松紀明、水谷晴子、溝辺正浩、村田英樹、横堀 肇、脇野真澄、脇野陽子(生後4ヶ月)


[参加者の意見]


◆新丸ビルと再生される周辺地区――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1■新丸ビル

●明るくて内部も適当な広さでわかりやすい。
●明るくて気持ちよい印象。
●人が多い。新幹線の待ち時間に寄れる東京の観光スポットなのかも知れない。高容積ながら自然光が入って明るく、好感が持てる。
●陽光が注ぐ透明な外壁、思い切った広い吹き抜け、装飾を排したシンプルなデザインなど、今までの商業施設には無かった端正な空間を創出しているのが何より新鮮である。店舗構成は中途半端と思う。
●建物としてのスケールの巨大さを素材の選択センスでカバーしている。贅沢な空間。集客がどれほど継続できるのか注目したい。
●丸の内地区のイメージを変えるリーディングプロジェクト。(ただ、そのうちに飽きられてしまうのではないか。恵比須ガーデンプレイスなどと比べても、うろつき回るには狭すぎる。)
●わかりやすく、快適で、楽しい。大衆に好かれる要素を備えていると思いました。レストラン街のテナントの多様な質と数が魅力的。だだし、ウィークデーの大混雑時はどのような居心地かわかりませんが。内部空間のガラスと木の意匠が「現代の癒し」を表現している気がしました。上層階アトリウムは福岡でも同じようなものを体験した記憶があります。
●予想以上の人が集まっている。集客力はブランド志向、空間構成、地の利?
●高層部に外を自由に展望できる広いスペースがあるとよい。
●出来た次の日に行ってしまいました。家族は墓石といっていましたが。オープン時オープンスペースは面白かったのに何も無いスペースになっていてチョッとマイナス。何も無い時はテーブルとベンチがあってもいいのでは?
●丸の内仲通りとの繋がりを考えると良い施設。二代目丸ビルと考えると以前のよさが活かされていない。
●足元店舗は以前の丸ビルのほうが都市的であったような気がします。


2■丸の内仲通り
●広い舗道のある都心オフィス街の1階部分が、お洒落な店舗に変わり、ストリートを形成しつつある。神戸居留地の再生を参考にしたと思われるが、殺風景になりがちなビル街での、ストック活用による賑わい創出の好例である。
●きれいな通りでよい。
●歩道整備を始めた頃から考えると、今のようになるまで地道に続けていたことが花開いた感じ。
●丸ノ内の復権は高級テナントで演出されていた。街路のデザインの質の高さは評価できる。1階ファサードの変更でこれほどの街路イメージが変わることに驚き!
●休日は人気のなかったオフィス街をブランドショップの並ぶ街に変えた三菱地所の戦略は見事。東京ミレナリオではなくて丸の内オリジナルのものが欲しい。
●少し様子が変わって来たかな?と感じさせるが…
●休日は丸の内に行こう!という気にさせるカルティエに進化しましたね。以前は有楽町付近のロイヤルコペンハーゲンくらいしかブティックはなかったと思うのですが、まさに浦島太郎の気分です。
●オシャレだけど値段も高い。
●どんな店舗を誘致するかがポイントと思う。
●まだ完成していないが今後に期待感あり。
●アートが施され通りとしてはきれいですが、何故かまだ寂しい。
●やはりビジネス街である。


3■丸の内カフェ
●無料で開放しているのはすばらしい。
●すてきな場所、もっとたくさん他の地区にもあるといいのに。
●職場のビルにこもりがちなこの街で、気分を変えるのに格好な空間。
●これまでの都市になかった新しい性格の空間。隣に引っ越したい。
●夕方の明かりが楽しそうで一度入ってみたかった。
●待ち合わせ場所に使いたい。アジアンテイストなのはなぜ?
●地方都市の中心市街地にも似たようなフリースペースはあるが雰囲気が違う。インテリアデザインもいいと思う。ただ、この場所で、インフォメーションブースには2人もいて、経費はどれぐらいかかるんだろうと考えてしまった。
●企画としては大成功。設置当初のようなイベント企画は少なくなっているよな気がする。
●パソコンとコーヒーのある無料スペースとして隠れた名所だったが、丸の内全体が進化しつつある現在では、もはや先導的役割を終えた。むしろ、こういうスペースが各ビルにも欲しいものだ。
●なるほど面白い試みだが、飽きられないか?近くにいて、いつも行く人は行くだろうが、わざわざ出かけていくような場所ではない。
●アジア的雰囲気?お互いに干渉しないで、パソコンに見入っているのが現代の典型的風景という感じがする。
●デートコースみたいだけど、実際に活用されているのか?


4■丸の内地区
●日本で最も歴史のあるオフィス街だけあって、豊かな歩道空間、壁面線等が整備されていて落ち着きがある地区である。
●平日でも活気がビルの外からは感じられなかった、かつての雰囲気からは格段に街としての魅力に溢れている。
●歴史的建造物を生かしながら、オフィス街の活性化が進められている。
●敷居が高いが来やすくなって良い。
●囲碁のような計画である。小津 安二郎監督の映画にも丸の内が出てきてた時代の場所ですね。
●かつて帝劇ビル内の美術館で仕事をしていたことがありますが、当時はお昼を調達するには唯一有楽町そごうに行くものだと思っていました。今は昔のお話ですね。
●丸ノ内再生の最終像が楽しみ。全体的な調整、演出がどのようにされているかに非常に興味がある。
●今後、期待できる。
●いいとも悪いとも言いにくい。
●これから丸の内はどうなっていくんだろう?変わるのか、変わりかけただけなのか、まだ動きの大きさがわからない。局地的変化に終わる気もするが。
●カフェが先導し、仲通りで開花した丸の内ルネサンスが、新しい丸ビルで一応完成した。しかし、これは既存の程よい中高層ビル(歴史的建築を含む)のストック活用に負うところが大きく、今後の超高層ビル開発でも、いかにヒューマンスケールを続けるかが正念場と言える。


◆空きビルが目立つ東日本橋2丁目地区――――――――――――――――――――――――――――――――――
1■コスガビル

●角にある象徴的なビルで、デザインよし!使い続けて欲しいビル。
●丁寧にデサインされた建物の力強さと、異質な空間に単独で建つ寂しさを感じた。
●良いものは残していって欲しい。
●せっかくのショールームですが、今や多くの人の目にとまる場所でないので、なにかの発信拠点である付加価値が求められると思います。


2■東日本橋2丁目地区
●味のある建物が多い。
●空きオフィスの現状は問題だけど、道路は広いし鉄道が3線もあってとても便利なところ。神田川の風景や、雰囲気のある老舗など、まちに風情がある。この街はとてもお洒落で魅力的な都心居住地域になるような気がする。
●オーナーの人たちは、100年の歴史を守る為に結構頑張っています。母の勤め先の薬屋は昭和2年に建てられたものです。活気のある町に作り変えてほしいです。
●空きビルは2003年問題というよりこの地区に集中していた問屋機能が消滅、もしくは分散していった結果のように感じた。都市の変貌の一過程か。本番はこれから。この地域をどのように再活性化するかのビジョンができれば、地域の再生はそれほど難しくないのではないか。魅力的な断片は街の中に種々にあるのだから。
●可能性を感じました。NHKで2003マンション事情を特集していましたが、旧いビルをアーティストによって住宅+オフィスにリニューアルするという動きは、まさにこの界隈のためにあるような気がしました。また、その映像でみたリファイン空間は、現代のパリのアパルトマンを思い出させるものでした。わざとレトロに作る新築とは対極をなしていて、愛着のわく住まいができると思います。
●専門問屋を中心とした地区だが、産業構造転換(繊維不況、流通革命等)によって生じた空きビルが埋まらない。大阪・堀江のようなリメイク型のお洒落な住・商共存地区を目指せればいいが・・・。
●興味深い街です。活気のないのは寂しいですが、この先うまく空きビルが活用されるといいと思います。
●交通至便、建物もそれほど古くはない。それでもここまで寂れてしまう理由が実は良く分からない。
●わからないことがある。副収入目当てに作った貸しビルは廃れたとして、かつては盛んだった商店街・問屋街の商いの方はこれも廃れてしまっているのかな?
●閑散としており、まちに活気がなく淋しい。
●「入居者募集」の張り紙が全フロア。もの悲しい。
●寂しい感じがする。


◆高層ビルが建ち並ぶ汐留め地区――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1■電通本社ビル

●デザインはこのサイトでダントツ。
●鋭角に驚くが、近くで見ると納得。
●外装デザインに目新しさが感じられる。
●外観は、眺める角度から様々に表情を変える興味深い建物です。12機横並びのガラスのエレベーターも圧巻ですが、汐留側からみる、サメのようなシャープな姿もこれまたよいものですね。
●スカイラインが激しく変化する、何か未来的な印象。
●「今」を感じさせるプロジェクトの中の、そのまた先行プロジェクト。透けて見える複のエレベーターが、かなりの速度で昇降する様子は、近未来的。このビル自体がいいか悪いかは、これからの汐留地区の街の出来上がり方次第。真横からから見たときのエッジがとても印象的なデザインではある。
●横一列に並んだエレベータが競うように上下する様は、夜はきっときれいだろう。
●オフィスの中は入れないのでよくわからないが、意匠によって制約を受けている部分が多いのではないかと気になる。シースルーエレベーターが12基横に並び上下する様は面白い。
●ギャラリーは入れなかったのですが、面白そう。是非こんどゆっくり見てみたい。
●やっぱり天下人は城を作って展望するのが好きだなーと思った。
●歩きたくなる都市空間か?
●汐留地区再開発(シオサイト)の先頭を切って完成したこの建物の美しく透明なフォルムと色調は、誰もが称賛するだろう。しかし、他の建物群との調和と対立の文脈は不明である。


2■カレッタ汐留
●迷路性のある動線は面白いけど、ちょっと狭苦しい感じがした。電通の「アド・ミュージアム東京」は一見の価値有り!!
●商業施設の内部は工夫されているが、ロック(岩石)をモチーフにしたサンクンガーデンは荒涼としており、デッキからの導線計画も混乱の極み(わざと迷路状態にしているのならば理解できるが)。なお、電通メディア博物館は、デザイン、展示内容ともに出色。
●閉ざされた回遊空間、カレッタプラザの小屋が亀の甲羅であると後で気付いた。
●穴の底ということで、みなとみらいの「ランドマークタワー」の足元の旧ドック跡に似た印象を受けるが、「狭さ」を上下方向の「深さ」で置きかえようとしている。その試みが成功かどうかは、まだ未知数。ここ単独では、あまり魅力ある空間とはいいがたい。連続する周囲の地下レベルの整備に期待するしかない。
●内部が複雑な割にラビリンスの楽しさがあまり感じられない。
●内部の導線は、こけらおとし期間の今は特に、個人的に「誤算」だと思いますが、丸ビルとは対極に目的意識の高い集客をめざす建物だということなのでしょうか。それにしても、観劇のあと、デッキにでるであろう観客たちは一体何を求めて動きさまようのか、という点が不明です。
●使いやすければ良いけど狭くて貧乏くさい。
●人の動線がよくない。
●商業スペースとしてはいまいち。
●この動線計画は理解できない。お店もあまり魅力を感じない。
●何を目指した空間なのか。


3■旧新橋駅復原駅舎
●復原されたことは素晴らしい。ただ、ビルに囲まれてかわいそうな感じ。汐留はもともと駅なんだから、この駅舎や線路を中心とする全体計画があってもよかったのではないかと思う。交通博物館の1号機関車はここに展示した方がいい。
●当時の場所に当時の建築をそのまま復元したことは、とてもすばらしい。しかし、ビルの谷間に埋もれては悲しいので、資料館だけでなくイベント等にも活用して、当時の華やかさも復元したいものだ。
●復原されたことはよかったが、両隣の建物関係が寂しい感じ。
●できてからちゃん見に行きたい。
●駅舎のイメージがあまりわいてこない。完成後にまた訪ねてみたい。
●恵比寿の二番煎じ?値段が安ければくつろぎたい。
●内部はレストランなのでしょうか。不勉強ですが、もっと資料館のようなものを想像していました。
●外見は、一目見て、幼い頃読み親しみ今子どもたちに読んであげている「ちいさいおうち」(福音館)を思い出しました。でも、あれは都会の喧騒を逃れて田舎へ行ったという結末ですよねえ。この駅舎はなんだかパロディーみたいです。裏手の工事中の花道はきっと人前結婚式のバージンロードになるのではないかと想像しました。博多リバレインとシーホークホテル&リゾートはガラス張りの内部空間でしたが、これはガラスに囲まれた外部空間、というコンセプトでしょうか。
●原寸大の鉄道模型。
●やや安易に造られた印象の建物(正確に再現された?)
●そもそもの建物の意義と使途とのあまりの乖離にしばし呆然。何でもテナントの造作に使う逞しさ。


4■汐留地区
●数年後の朝夕のラッシュどうなるのでしょうか?100F位の敷地に建つイタリア街区の建物群がどうなるか楽しみ。
●イタリア街区、期待大です!以前状況がわかるので今見たのは価値有り。
●高層ビルと新交通ゆりかもめ、ガラス張りのペデストリアンデッキの組み合わせは、未来都市という感じ。大江戸線・ゆりかもめの汐留駅を中心に街が計画されていて、新橋駅からのアクセスは十分考慮されていない。イタリア街区は今後に期待するが、JRAの存在感が大きく、ギャンブル街区になるのでは?という気もする。
●現場作業を見に、よく来ました。当時は作業小屋が団地のように並んでいて圧巻でした。そのころ、この容積を作って、どこから人が来てどんな町になるのだろうか?疑問でした。これが2003年問題というとは知りませんでした。
●デザインがバラバラという批判は、現地に立ってみるとさほど違和感も抵抗も感じない。これでよいのではないか。それよりも、これがだれかがいう「都市再生」の理想像の一つということなんだろうか?都市再生とはこういうこと?
●超高層群とイタリア街区は対象的。
●交通の便は良いが歩くのはつらい。イタリア街って魅力的なの・・・?
●かなり過密してビルが建っているように思った。
●ぎっしりと建った超高層ビルの間を縫う様に走るゆりかもめの姿は一見の価値あり。一日の大半を過ごす場所としては、圧迫感がある。
●第二次世界大戦末期に造られた巨大すぎた戦艦を連想。
●鉄腕アトムの飛び交うまち、というイメージそのまま。その場に身を置くとなぜかウキウキしてくるから不思議です。これがこのまちの醸し出す醍醐味なのでしょうね。一方、21世紀製の建物はガラスのビルだぞ、といわんばかりの風景には、古くなったらどうなるのかが疑問。また、被災者の1人としては、本当に対震設計は大丈夫なのかが心配です。
●東京都心(旧来の都心)最後の大規模再開発ゾーンであり、構想から20年を経て実現しつつある。西新宿やMM21、幕張と異なり、超高層ビルがかなり高密度に建ち並ぶ計画は外部空間をヒューマンスケールにしているが、個々のビルが(調和や対比を考えずに)無関係に並ぶ様は、まさに「風景の共喰い」「デザイン同士のノーガードの殴り合い」を思わせる。


【評価集計結果】

  対象  内訳  評価 
JK2301 新丸ビル AAAAABBBBBBC 3.67
JK2302 丸の内仲通り AAABBBBBBCCC 3.00
JK2303 丸の内カフェ AAAAAABBBBBC 3.83
JK2304 丸の内地区 AAAABBBBBBCC 3.33 
JK2305 コスガビル BBBCCCC----- 1.86
JK2306 東日本橋2丁目 AABBBBCCCCCD 2.33
JK2307 電通本社ビル AAAAABBBBBCD 3.50
JK2308 カレッタ汐留 BBBBBCCCCCDD 1.83
JK2309 旧新橋駅復原模型 ABBBBBBCCCD- 2.45
JK2310 汐留地区 ABBBBBBBBBCD 2.83

■今回訪れた中で最も魅力的だった所はどこですか?
丸ビルのテラス★東京駅が見渡せる記念撮影ポイント。
丸の内仲通★ブランド店が並んでいる事自体より、勤め人が一日の大半を過ごす街として、うるおいや華やかさ、落ち着きを感じられるのが重要。
丸の内カフェ★どこか異国に居るような感じで面白い。
丸の内カフェ★こうしたスペースが、情報の発信地、流行の発生に一役かうといいと思います。
丸ノ内カフェ★都市にあってほしい空間。
JR総武快速線・馬喰町地下駅★地底深い長大なトンネルがかなり薄汚れ、広告すらもない無彩色の世界は、すでに地上の東日本橋2丁目地区を予感させた。
柳橋界隈★風情を感じる場所でした。
柳橋周辺★舟宿のなごりがあり、江戸、という感じ。子福餅、美味しかったですよ。
浅草橋★今や単なる駅名だと思っていましたが、風情のある情景に感激しました。
東日本橋2丁目地区★丸ノ内も汐留もきれいな街という感じ。遊びに行くにはいいけど、働く場所や住む場所として考えると面白さに欠ける。霞が関の官庁街、新宿副都心、横浜みなとみらい、さいたま新都心、等々に共通する「欠点」を感じてしまう。東日本橋にはこれらの街にはないものがある。キムタクのドラマのロケに使われるのもわかる気がする。今後、手頃な住宅が供給されていくようになれば、住んでみようかなと思える雰囲気がある。
今後の可能性も含めた「汐留地区」★全体が(イタリア村−本当にあんな貧弱ビルの村がちゃんと出来るの?オーナーの資力と金融機関の貸し渋りぶりが心配だ−も含め)オープンしたとき、どんな街になるのか、また周囲の既存市街地とどうつながっていくのか、想像がつきにくいだけにそれだけまた楽しみ。
電通本社ビル★今までにない平面プラン、及びスカイライン、特殊加工されたガラスカーテンウォールが創る表情の変化が楽しい。
電通本社ビル★外装デザイン、建物の形などに、これまでにないオフィスビルという印象をもった。
新橋のJRAビル★工事現場に御殿が建っているようで、インパクトがあった。あそこだけ景気が良いのか?


■東京の都市再生には何が必要と思いますか?
★これは難問。ズバリ答えられる人は、はったり屋か詐欺師かもしれない。少なくとも10年先、できれば20年先を見据えた冷静な検討と、幅広く十分な熱い議論が必要。
★最近の都心再生にはイベント性が先行していて、日常生活に対する視点が欠けているように思う。
★住人を脇において再生・再生と言っているような気がします。都市再生のアクターである住人の視点を明確にする必要があると思います。
★都市の主人公は人間。人間が使えない空間は無意味。この地域の人間に不足しているものは快適な住空間。生活空間。
★住民パワーと緑と水。
★知恵の集積、都市に法則があるとすれば、それからの逸脱。
★大規模再開発ビルに入居できる企業、その周辺についてまわる下請け的な企業だけではなく、モノ作りの中小企業に活気が戻らないと町は死んでしまう。とはいえ、一度日本が手を離した一次産業が戻ることはないのだろうか?
★好景気にならないと難しいと思う。
★パリに住む、ニューヨークに住むという様に東京に住むというスタイルや住みたい、働きたくなるといった魅力づくりが必要。今の東京は、どうしても使い捨ての町になっているような気がする。自分の街だと思って住んでほしい。
★温故知新。柳橋界隈は本当に古くて美しかったと思います。東日本橋の空きビル街は、中途半端に古く、オーナーに見捨てられた建物が多いようです。是非これを使いこなす人が登場してほしい。ゆりかもめの竹芝駅前の倉庫の一室に知り合いのギャラリーがありますが、内部は本当にエレガントで美しいです。古いものに新しさを見出すのには、そこにアート感覚をすえることが必要だと思います。
★こうあってほしいと思う街の姿を描き、多くの人が共有すること。東京は、過去を大切にせず、未来の展望も持たず、現在を刹那的に楽しむ街になっている。しかし、都市構造や建築は長い間、存続し、時代の層が蓄積するものであり、瞬間芸の連続では混乱の極みにしかならない。時代を超えて魅力的で、快適で、安心でき、暮らしやすい街を、みんなで一緒に想い描こうではないか!
★都市再生の拠点となる地域(都市再生緊急整備地域等)以外の「周辺地域」のまちづくりをうまく進めること。
★民間、個人の力の大企業、行政(あるいはマスコミ)におどらされ、使われている東京の人々はかっこ悪い!いいかげんカリスマとか流行のビルとかやめるべきだ。


■今後更に出現する空きビルをどの様に活用すればいいと思いますか?
★思い浮かびません。一部だけなんとか住宅にでも改造して使うとして、あとは空けておくしかないでしょう。
★設備の整った新築ビルとは対照的に、スケルトンに近い形で安く自由に使える(オフィス、住居、工房)床として売り出すのはどうか。
★空きビルをスケルトンだけの低価格で市場にだせば、若いクリエーティブ職の人達等が、うまく空間活用を創造して行くんじゃないかと思います。
★あまりお金をかけずに、うまくリフォームするしかないのでは…。賃料が安いという最大のメリットを生かして店子をさがす。
★ヨーロッパに見習って、新しいオーナーのみならず、賃貸契約者にもリフォームの完全な自由を与えることはできないのでしょうか。リメイクにしても、リファインにしても、ありのままを肯定して個人の好きに利用できることこそが望ましいと考えます。
★都市の空間ストックとしての居住施設に活用できないか。
★建築物として残す価値があれば、可能な限り住宅や店舗に用途を変更して使ってほしい。
★霞ヶ関にできたときに話題になった託児施設。オフィス街には少ないが、今後ますます子供を預けて働く人が増えると思う。空きビル→マンションは、余りに短絡的に思える。
★価値のある、もしくはバランスが取れていれば自然と使途は見つかる。
★元気のある仕事に貸すのが良いと思う。
★従来通りのビジネス街では、2003年に出現する新しいビル群に負けるのは必至。地区の持ち味を生かし(例えば、大阪・船場のように歴史的建物を生かしたIT+SOHO、大阪・堀江のように家具問屋を生かしたデザインショップなど)、新しい時代の要請に向かっていくことが不可欠。リフォーム&リメイクを基本に、やる気のある若い人にゲリラ的に活用させたらどうか。
★ソーホーのように、大阪堀江のように、再利用していけばいい。元々土地が持っている地霊(ゲニウスロキ)を活用して活性化できる場所だと思う。


■今回の企画についてのご意見、ご感想など
★2003年問題シリーズ、期待してます。それと、「反2003年問題」、東京以外にビルは建たないという現実を見据える企画があれば、と希望しますが。(N.Matu-)
★一方では近未来SF、一方は入る店も会社もないビル、東京だけが特異な場所というけど、不安の方が先に立つ。(H.Saku-)
★生後4ケ月の娘をだっこして、東日本橋のみのピンポイント参加でしたが、久々のTEKUTKUを堪能しました。東日本橋の空きビルは、2003年問題の予兆。このエリアは床面積が小さく、築年数の古い、OA対応が難しいビルが多いように見受けられるが、これからは、バブル崩壊後に竣工した大規模再開発が順を追って空室になることを思うと事態はもっと深刻。勝ち組と負け組が背中合わせ?丸ビルとシオサイトは、後日、行ってみます。(M.Waki-)
★さほど遠くない距離に位置する3地域の対比が興味深かった。(H.Mizu-)
★都市とはビルなのだろうか?と疑問をもっているのですが。(しかも美しくないんだなー)
日陰だらけで寒いし。“働く場所だから”と思っているだろうが自分達だって家の周りが日陰だらけで気持ちよくすごせるのだろうか。すごしやすい部分も作ったほうがいいと思うのですが。日を落とすように敷地を空けるとかね。さらに、ビルが働く場としてのみで町として機能していない。自己完結型自社ビル的存在だと思う。そろそろ作れば終わりではなく街をになうスペースとして存在していくべきではないかな?(A.Ando)
★丸ノ内があれほど変貌していたことに驚きました。これからの都市問題としては日本橋より汐留地区のほうがより多くの問題を内包しているように感じました。エネルギーを湯水のように消費する巨大ビルとこれから進むであろう小さなエネルギー消費を目指す社会はどのあたりで融和するのでしょう。それにしても、新築ビル、再開発ビルのテナントはすべて高級ブランド店。日本全体が高級ブランド店で埋め尽くされるのでしょうか。(Y.Kawa-)
★ピカピカの丸の内+汐留に、東日本橋を対置させた企画により、立体的に2003年問題の状況を感じ取ることができました。産業構造転換(構造改革)とバブルの後遺症と2003年問題のトリプルパンチに見舞われる東日本橋のような地区が、都内(特に台東区、中央区、江東区方面)にはたくさん出現しそうです。六本木ヒルズや品川グランドコモンズなど、このシリーズの今後に期待します。それにしても、4ヶ月の陽子ちゃんを抱いて東日本橋のみ参加した脇野さんの情熱には敬服しました!(R.Ota-)
★都市再生というと大規模開発プロジェクトが中心のように思われがちだが、都市全体に波及して、都市構造の再編が進んでいくのが究極的な姿。2003年問題を悪影響と見るか、都市再生の好機と見るかであり、これにどう対処するかが重要だと思う。その重要性を、丸の内・汐留と東日本橋を対比することで、よく認識できた。東日本橋はどんな街に生まれ変わるのだろうか?さらに、このような地域に住宅ができていくと、郊外住宅地はどうなるのだろうか?と興味が広がる面白い企画だった。第2弾が楽しみです。(I.Aoki)
★この企画の翌日の日曜日の夜、視聴率30%というドラマ「Good Luck」で、木村拓也が、柳橋を薬研堀町のほうから歩いてきて「特選かき佃煮」の看板の脇(小松屋の角)を曲がり、川沿いに浅草橋方向に歩いていたわずか1,2秒のシーンをわが夫は見逃しませんでした。他にもご覧になった方いらっしゃいますか?ひょっとすると、今最もトレンディーな界隈は、汐留でも丸の内でもなく、東日本橋なのではないだろうか、とその後しばらく夫婦で話し合いが続きました。(R.Aoki)
★NHK-TVのドキュメンタリーを見て、事の深刻さを知りました。空きビルを私が借りたいところだが、桁が違いすぎて、残念だ。(S.Higu-)
★東日本橋と汐留の対比は、大阪の直後ということも大きかったですが考えさせられるものがありました。東京に足りないのは、個人の自主性ではないでしょうか?他人の用意したステージに集まって喜ぶだけというのが東京の正確のように思えます。その点、関西人の方が、パワフルで自己主張もできる。これが先行く関西の力ではないでしょうか。(K.Saku-)
★東日本橋は空きビル空間を歩くだけで(北河原温設計の東日本橋交番も取り壊されていましたし)、メリハリのない街歩きになるかもしれないと心配していたのですが、水谷さんから提案の柳橋コース(佃煮屋、お菓子屋(梅花亭))、安藤さんからご紹介してくらたレーモンド設計の店舗(東京ではここしか置いていない化粧水(温泉研究のベルツ博士考案の化粧水:ベルツ水))等、一人で歩いていては見つけられない、まちの魅力が発見できてとても楽しかったです。これがTEKUTEKUの長年の蓄積なんでしょうね。
(Y.Ide)


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