自由研究25■六本木・麻布企画2003.6の記録


teku-teku自由研究25


TEKUTEKU自由研究25 2003年問題を歩き、考える(その2)


テーマ●六本木・麻布 -大規模開発によって周辺の街は如何に変わろうとしているか-
日 時●2003年6月22日(日) 13:30〜17:30
集 合●営団地下鉄南北線「六本木一丁目駅」2番出口改札外(泉ガーデンタワー出口)
コース●ガーデンタワー〜城山ヒルズの裏道〜神谷町駅(地下鉄日比谷線)〜六本木駅〜六本木ヒルズ〜元麻布ヒルズ〜麻布十番商店街
参加者●青木伊知郎、青木理恵、安藤文、石橋理奈、伊藤貴敏、上野朋子、大木教子、大竹亮、小野寺仁、小俣元美、加藤仁美、澤田初穂、重永真理子、千川明、野中るみ子、平井志都葉、古里実、松岡宏吉、松本幸司、溝辺正浩、村松紀明、山根純一、脇野真澄
水谷晴子+井手幸人(コーディネーター)



【参加者の意見】

1●各開発のデザインを如何に評価されますか?
1)泉ガーデンタワー  評価(AAAAABBBBBBBBBBBBCCC) 3.20

・ エレベータが貨物用みたいにばかでかく面白かった。
・ 地下鉄改札口を出るといきなり空が見えるのにはびっくりした。
・ 足下はしっかり緑化されており、シンプルでよい。
・ グリーンに輝いて見えるガラスの外壁は住友っぽくなくて、カッコいい。
・ “マルサ”の撮影に使われていました。映像で見ると実物より数倍かっこよかよい。
・ 透過性の高いガラス中心で地下にいても開放感がある。周りをみるのに調度いい高さの24階ロビー、内外・上下をつなぐコリドール・エスカレーターの動線もよい。
・ 積み木を重ねたような特徴ある遠景、多彩な緑が織りなす外構など、派手さはないが良心的で好感が持てる。
・ 階段状にうまく緑を配置している。
・ 傾斜地を活かし、奥行きのあるデザインにしている。
・ 緑化にがんばっている。
・ あまりボリュームを感じさせないデザインである。
・ 地下鉄を出るやいなや、洒落た雰囲気に「おおっ」とため息が出た。
・ 可もなく不可もない。盛り上がりも少々薄い。
・ 開発としてのデザインはいいと思うが、個人的には外壁のガラス面が多すぎて好みではない。
・ すっきりしていてよい。ただ、遠景は黒っぽく、要塞か巨大な墓石だ。
・ ガラスの箱を目指して、そのとおりに出来上がっているが、ただそれだけでそれ以外にはさほど魅力がない。
・ ガラス張りの空間は明るく気持ちいい。外観は普通。
・ 休日だったので普段の姿の喧騒などがイメージしにくかったけれど、エレベーターが貸切状態となり、喜び騒ぐ子どもたちにとってはありがたかった。結構大人も声に出して喜んでいたと思う。
・ どの地点にいても部分的にしか視覚に入らないので、全体のデザインを見たといった感覚がありません。特に突出したものは感じなかったし、斜面を生かしたデザイン・・・・も無難に作っているという印象でした。サインを兼用した赤いモニュメントは少々古臭く感じ、周囲の新しく敷設したらしい道路も、まだ落ち着かない感じがします。ただ、大型エレベータ側の壁もガラスで、全階が見られるのはすばらしい。


2)六本木ヒルズ    評価(AAABBBBBBCCCCCCCCCCC) 2.20
・ デザインの良いところと今ひとつのところがあり、総合的には「良い」と評価。
・ TV朝日側から毛利公園、森タワー方面を眺めると、雰囲気がある。
・ それぞれの作り込みと視覚効果はすごいと思う。ただ、せっかく敷地の起伏があるのに建物間のフロアレベルが揃いすぎて短調、かつ上下移動がつらい。
・ 金属的な超高層ビルのふもとが岩山状なのはちょっと意外な風景。
・ たくさんの建物があってどれをどう評価すればよいかわからない。
・ 部分的にはウエストウォークやけやき坂通りなど面白いが、全体としての主題、ストーリー性が乏しく、混乱した印象を受ける。
・ ごちゃごちゃして、欲張りすぎなイメージ。
・ 変化に富むが、決め手に欠ける。
・ 大きな空間をヒューマンスケールにするために様々なモチーフが使われていて、パッチワークのようでした。
・ 遠くで見ているといが近くだと威圧感がある。
・ 盛る上がりがあるが動線計画に難があり。別にかまわないが道に迷ったので面倒だから麻布十番でご飯を食べたと言っている友人も多い(リピーター並びに飲食の客を逃すと思うが。)自分も予習で行った折りやはり迷った。現在地と行き先の関係を整理した方がいい。
・ 全体的な構成よりディテールが面白い。ただ少しバラバラな感じがする。
・ 大きすぎてデザインを評価できない。
・ わかりにくいので、歩いていて疲れる建物である。買い物もしにくい。
・ 都市の迷路を思わせるデザインだが、やはり人為的(買わせる空間)で、しかも次々続くので、疲れる。部分部分は「おもしろそう」「人が減ったころもう一度来てみよう」と感じるのだが、その気持ちをすぐ忘れてしまう。建物デザインがちぐはぐ。
・ 中心のタワーを際立たせるために、わざと周囲の付属棟(住宅棟その他も)に、変な色彩(赤茶色、きつい緑色、くすんだ紫−これはごく部分的−)を使用したのかもしれませんが、どうにも不自然に目立って、この色彩は好きになれません。
・ 再開発事業でこれだけ多くの建築家やアーティストが参加しながら全体としてうまくまとまっている。
・ 広さゆえに空間をどう利用しているか、が浮き彫りになる例だと思う。とにかくひたすら歩かなければなにもできないし楽しくもない建物群だと思った。子連れ(ベビーカーを含む)をほとんど見かけない商業スペースは最近では珍しいと感じたが、おそらくそういう人たちにとっては不親切で楽しめる場所ではないのだろう。レストラン街には是非また食事をしに訪れてみたいが、買い物はあの「街」ではしないと思う。解散後展望台に上がり堪能した夜景(夏至のイベントで東京タワーをはじめ有名な建物が8時に消灯した記念すべき失敗の日だったが)と「都市展」はよかったが、展覧会場階の導線は特に出口からの帰り道が最悪だった。まだオープニング期間中なので、村上隆のヨシコやピーチャンが着ぐるみを着て歩いていたりするのかと思ったが・・・いなくて残念。
・ 全体として、いったいどこを目指したのだろう・・・・?100年もつかなぁ?


3)元麻布ヒルズ    評価(BCCCCCCDDDDDDDDDDDD―) 1.11
・ なかなか行かない街だがぶらぶらできるかもしれないと思った。
・ 色は落ち着いた色使いだが、大木が折れたら・・と思う恐怖感をあおるデザイン。
・ ランドマークとしてはいいけど近くだと覆い被さってくる感じがした。
・ 上部がふくれていて、見た目が落ち着きがない。
・ 遠くから見ても足下まで行ってもやっぱり違和感大。
・ かなり遠くからでも棍棒のように見えて威圧的。
・ 機能的なのだろうが、…
・ 頭でっかちで不恰好。
・ 自己主張の固まりのような形状で、よく目立つが、良い意味での目立ち方ではい。
・ インパクトは強いが、構造上不安定な印象を与え、かといって軽快感もなく、落ち着かない。建築物のデザインとしては疑問。
・ 横浜のMM21とか臨海部では面白いと思うが、ここにあるべきものではないと思う。
・ あの形状が苦手。圧迫感、不安定感があり、毎日見る景色に入ってこられたら不快。
・ どこからみても目障りな建物、の一言に尽きる。
・ あのしゃもじ型は好きにはなれません。
・ 日影規制のためのデザイン。やはり異常。
・ 最悪のデザインと思う。
・ 怪獣みたい。気味が悪い。
・ かなり遠景から目立っていておぞましくてずっと気になった、という点では存在感があるというべきか。上層階に住む人は、空に宙吊りになった気にならないだろうか。デザインモデルは通天閣かはたまたETか、などと疲れもあって発想が不健康になったスポットだった。
・ 初見の時は「ウゲッ!」て感じですか・・・・。見た目に気持ち悪いです。足元が広々としているだけに余計。無声映画時代のSF未来の都市像に、よくこんな感じの建物が出てきますが、現実に見るとこんな感じなんですね。インターナショナルスクールはそこそこ品良くできていると思います。



2●各開発によって新たに生まれた公開空地、歩道等を如何に評価されますか?
1)泉ガーデンタワー  評価(AAAAAAABBBBBBBBBCCCC) 3.30

・ 神谷町への通り抜けができる道は見事。とてもうまく作れていると思う。
・ コリドールは全体に直線的・人工的で、それだけで見ると硬さ・無機質さを感じる。でも、庭園に出たときの空間の広がりがよいと思った。庭園の植栽デザインが細やかで、大木など邸宅の名残もあり、超高層スプロールの中のオアシス?だ。(神谷町へ抜ける緑道との相乗効果が感じられる。)
・ 今回集合した、地下鉄出口前の広場、そこに面したパン屋さん、いい雰囲気。神谷町につながる歩道は、再開発ビルの谷間とは思えないひっそりとした良さがある。夏は蝉の鳴き声が聞こえそう。
・ 地下鉄駅と一体のサンクンガーデン、裏手への通り抜け通路、高低差を活かした変化ある景観など、手堅いが良く工夫されている。
・ 神谷町へ至る遊歩道は、都会のオアシスみたいで気持ちよく歩ける。
・ 神谷町まで一体化した歩道は歩いて楽しい。
・ シースルーの屋根つきエスカレーターが良い。
・ 従前の緑がそのまま残されていてほっとした。
・ 昔あった大木を残したり、気持ちの良い緑の歩道は○。
・ 駅の改札口から出ると一休みできるのがいい。
・ 地下鉄の改札前の空間としては秀逸と思う。
・ 従前は丘の上と下で分離していたが、それをつないで、傾斜地の魅力を引き出している。
・ よくいえばシンプル。整然としすぎて面白みがないが居心地はよい。
・ 連続した歩道を実現したことは評価できるが、幾何学的すぎる感じ。
・ サンクンガーデンは印象に残ったが、あとは平凡でほとんど記憶にない。神谷町に抜ける通路への接続を評価して、ワンランクアップ。(C)→(B)
・ 特にはない。
・ 敷地の高低差をうまく生かしている。地下鉄の駅と直結し、駅も明るい。坂の多いこの地域をエスカレーターでうまく移動できるのがいい。ホテルオークラへも便利。
・ 駅前の広場のスケールが妙にヒューマンサイズで洗練されていると感じた。どこまでいってもエスカレーターがあるのが嬉しく、坂を上手に利用していると感じた。初めてガラス張りの天井部分を掃除している人を見たが、メンテナンスが大変だろうと思う。
・ 狭くて落ち着かないし、真夏は暑そう。

2)六本木ヒルズ  評価(AAAAABBBBBBBCCCCCCDD) 2.70
・ 歩道のサイズや空地のサイズは気持ちよいと思った。(人があんなに多くなければ最高。)
・ 賑わう商業部分と落ち着いた住居部分をうまくつないでいる。
・ 酔っ払いが飛び込みそうですが・・・昔の池を残してくれてうれしい。
・ 大きさ、デザインなど色々なタイプの空地がちりばめられていてよい。ただし階段中心のアップダウンの動線はきつい。
・ 池・緑etcとても気持ち良かったです。その周辺にもう少しくつろげて座れるスペースがあるとありがたいです。
・ 毛利庭園は木立が茂ってくると良い雰囲気になるかも。
・ 毛利庭園には通路に柵があったのできっと夜間に閉め出すんだろうと思う。
・ 周囲に比べると余裕をもってつくられた感じ。
・ 「街」を創ってしまったという印象。さくら坂公園を、内に取り込んでもよかったのでは。休日、これだけファミリーの来訪が多いのは予想外だったのかも。
・ 今来ている人の流れではこのぐらいでよいが。とにかく植栽(花)が多いのがいいです。あと彫刻っぽく生けられた花もよかった。
・ 超高層建物と足元のデザインを別にしたことにより、超高層開発であることを感じさせないヒューマンスケールの広場や通路、デッキ、ストリートとなっている。
・ 従前の池を残していあるが人工的な感じである。
・ 位置関係がわかりにくい。トイレを探すのも一苦労。
・ 改めて思い返すと、建物間の通路や貫通する道路など空間の質が同じ(ブランドショップの背景)だった。(これがこの開発のデザインコードなのか?)。毛利庭園はこのボリュームの開発のなかでは狭い。旧邸宅の庭園なのに、六本木ヒルズ風にリニューアルされているのか、せっかく都市の歴史性を演出できる空間なのに中途半端だ。階段が多く歩きにくい。「わざわざ階段を作って歩かされている」と感じてしまうのはなぜだろう。
・ これだけ人を集めていることは評価すべきか。
・ ほっとできる空間がない。
・ 公開空地というより、すべて商業空間と化していて、これではちょっと…。
・ 混雑が通行の妨げにならない広さはよかったと思う。というよりむしろ、大勢の人影もデザインの一部として広場や街全体に取り込まれているイメージを受けた。(夜9時過ぎに帰路につき、「ママン」の広場に戻ったときあまりの閑散とした雰囲気に場所を間違えたかと思うほどだった。)さくら坂公園の敷地がもっと広々としたものだと良かったが、所詮この街のターゲットは子連れではないということを、至る箇所で感じた。木登り、くもの肢のぼり(?)、壁を流れる水での遊び、走り回りたくなる回遊路、などなど、面白い仕掛けは沢山あるが、「楽しむ」と「叱られる」ものばかりで今回は近寄れなかった。
・ 大きさの割りに休憩スペースが少なく、非常に疲れます。楽しく歩く・憩うというよりは、さっさとお店やオフィスに行ってくださいって感じなのか?毛利庭園はただの池になってしまった感じがします。


3)元麻布ヒルズ   評価(BBBBBBCCCCCCCCCDDDD−) 1.63
・ 住宅地にふさわしい落ち着いた広場となっている。
・ 自然な仕上がりでよいが、プライベートビーチ的で立ち寄りがたい感じも。
・ 内側の公園(緑道)はとても気持ちのよい空間でしたが、一人では入る勇気がわかないついくりでは・・・。公園空地と提供公園ですよね・・・。
・ 不安定な形の建物の下にあり、目線から上の囲いもないので、来訪者にとっては居心地が悪い。でも、住人のプライベート空間としてはいいと思う。
・ ごく基本的、ベーシックなデザインのオープンスペースを実現していて、それなりに好感は持てるが、やや「庭先」的な雰囲気があって、立ち入るのを拒むような気分になる。
・ 公開空地はあるが、地域の人は使いそうもない。
・ 公開空地なので、いたしかたなく公開しているという感じ。積極的な公開ではない。
・ 足元は明るくなったが、周辺とあっていない。
・ 公開空地より、まわりの調和を考えて高さを抑えるべきだったと思う。
・ 行き止まりの多いところだった記憶がある。
・ 殆ど印象に残っていない。
・ 歩道はどこにあったかわからないが、公開空地は作り物っぽくて普通レベル以上には感じなかった。
・ LAWSONの看板をベージュにするほど南欧風?にこだわった「商品」だ。梅雨時の日本にはなじまない乾いたデザイン。邸宅街の雰囲気を残してほしかった。
・ 広さは認めるけど、ヒューマンではない。
・ 遅れていて敷地はあまりよく見ないで通り過ぎてしまった。
・ 建物の危ういデザインを、さらに際立たせる額縁の役割をしていると思います。花瓶と花枝の関係か?ある意味、ものすごく効いている。



3●各開発と周辺地域との関係を如何に評価されますか?
1)泉ガーデンタワー  評価(AAAAAAAAAAABBBCCCCCC) 3.50

・ 城山ヒルズの緑道への連続性がよい。
・ 城山ヒルズの裏道へのつながりは良い。
・ 城山ヒルズの裏道とうまく繋がっている点は評価できる。
・ 裏側の低層宅地に配慮した施設配置がよい。開放的な公開空地から城山ヒルズの木立に至るつなぎ方もよい。
・ 地域に開いている感じがした。一戸だけ残った住戸との調整もいい感じ!
・ 木造家屋と共存した点がすばらしい。ビルの最上階に上って、いわゆる日本家屋が真上から見えるのは、単純に面白いと思う。
・ 特に奥の方が周辺となじんでいる。
・ ガラス張りのエレベーターは穴場的存在。六本木ヒルズの展望台よりお徳かも。
・ 地下4階レベルの地下鉄駅改札口にサンクンガーデンが面して明るい空間となっている。地上や裏手への通り抜けや常時開放している展望室など評価できる。
・ 再開発に参加しなかった1軒の家を見ると、敷地の高低差は残しても、再開発は「壊して建てる」を実感。
・ 個性的で、それでいてどこかで見たような「ガラスの箱」だが、意外に周囲とは違和感がない。神谷町へのフットパスの確保も、一役買っているのでしょう。
・ 休日に静かなのはやむを得ないか。
・ 高層ビルと、その谷間の古い寺や民家との落差があり過ぎ。
・ ひとつの再開発事業だけでなく地域の大きな都市整備構想に沿って進められている感じ。
・ 今回のどれについてもいえることだが、光が射すと影ができるのは仕方ないのだろうか。24階から見下ろした範囲でいうならば、取り残された部分、境界線の際の外側、既存のそこそこ古いビル群など、それら多くが元気なく見えるのが、悲しいコントラストに思えた。
・ ラフォーレ方面に抜ける落ち着いた小径と連絡したのは、よかったと思います。地区内に残された木造住宅は、上から見るとあの場所の時の記念館みたいですね。


2)六本木ヒルズ   評価(AAAABBBBBBBBCCCCCCCC) 2.60
・ どこまでが開発で、周辺なのかわかりづらい面もあったが、レジデンス側と既存住宅街とのつなぎ方は自然でよかった。
・ さくら坂の反対側の建物が少しおしゃれに化粧直しされて「ふつう」に入れるお店ができるのを期待します。
・ 周辺の通り側は、低め建物で超高層オフィスを隠しており圧迫感はない。住宅棟もスリムで気にならない。
・ 周囲と接する部分は開放的で、オブジェのようなベンチ等、周囲を積極的に取り込もうとする目論見がうまくいっている。
・ 周囲の賑わいと相乗効果が期待できるのでは。
・ 町おこしインパクトはあると思う。多少怪しい雰囲気が消え健全な街になっているようだ。まわりの所にも人がいっているので下の空地がそのつながりとしてはいい。それと長い坂がより空地を効果的にしていると思う。
・ 周辺地域に関連開発が生まれていることは、評価すべきか?
・ 大人の六本木の雰囲気がこれからどのように変わるか。
・ 周辺云々と言うよりも、大規模すぎて、「街」を全部飲み込んでしまったという印象。六本木ヒルズは、夜の町のイメージを一掃し、日が高いうちから六本木に行くというのは、ちょっと既成概念を打ち砕く。新しい人の流れを作った。
・ おそらくこれからじわじわと「六本木ヒルズウィルス」みたいなのが周囲に浸透していき、「ヒルズもどき」みたいに周囲を変えるところがパラパラでてきて、区域内外の境界が曖昧になってくるような気がします。それがいいかどうかは別にして。
・ 東日ビルを改装して取り込んだり、裏手の住宅地との接点には配慮が見られるが、地下鉄駅からの動線が弱い。
・ 一部は連携しているみたいだが、一部は要塞的な感じがした。
・ 所詮テーマパークみたいなもんで、周囲に溶け込んではいない。
・ 通り抜け空間というのがないので、周辺地域には貢献していないと思う。
・ 現在は出来たての大きなかさぶたの様な違和感がある
・ 地区内の調和が優先され、周辺地域との調和が軽視されている気がする。
・ 駅からのアクセスはほどほどに近く、地下道から続いているので、物理的にも精神的にも入場しやすかった。一方、地上で敷地から一歩踏みでると、まるで誤って遊園地のEXITを出てしまったかのような錯覚に陥らされた。敷地ぎりぎりまで建物で埋め尽くされているので境界に違和感を覚えるのだと思う。例えばグランドハイアットのロビーから眺める怪しげな飲食店街など、あの景色は一体・・・、なにもの?
・ 麻布十番など、周囲がヒルズの相乗効果で活気づいているのは、とても良いと思います。むしろ、人ごみのヒルズよりもその周辺のお店の方がおもしろかったです。夜、近所の十番稲荷神社では子供が夏祭りのお囃子の練習をしていました。このような部分は、これからも大切にしていって欲しいです。


3)元麻布ヒルズ   評価(BCCCCCCCCCDDDDDDDD―) 1.11
・ 周辺地域との関係で妙に目立ってしまっているので、よくないと思った。
・ タワー棟がなければ救いようがあるかも。
・ あまりあわないたぐいの人と会うのが結構おもしろい。
・ 周囲とはほとんど無関係に佇立しているという印象です。
・ 事業採算を追求した結果か、周りにプレッシャーを与えるための楔にしか見えない。
・ 周りの閑静な住宅と比べて一つだけ浮いている。
・ 建て主は日時計でも作りたかったのでしょうか?
・ 建物の持つ違和感は、その足元の空間では感じなかった。
・ 唐突な感じで違和感がある。
・ 周辺の方々をよく納得させたものだ、あの地に住んで、家をでるとあの建物があるといやだ!
・ 周辺とあっていない。
・ 周辺との関係を無視した規模で圧迫感を感じる建物。倒れたらと思うととても怖い。
・ 閑静な高級住宅地の景観を壊すようなデザインはいただけない。周囲に低層棟を配したのは評価できる。
・ 完全に浮いている。
・ デザインがひどい。
・ 周辺のことを考えているように思えない。
・ ここにあるタワーには誰が住むのだろうか?私だったら、仮に場所としてのステイタスで「決断」をすることがあっても、おしゃれな界隈から遠くにそびえるタワーを指差して「うちはあそこよ」とは決して言えない。足元に広がる邸宅があまりに立派に思えて(外観もさることながら家に対する哲学も)余計そう感じる。
・ 近所に神社やお寺さん・・・・浮きまくっていますね。ヒルズの展望台や東京タワーから見ると、どう映るんでしょう?

(その他)
・ いずれにしても、「拠点開発事業と周辺地域」というストーリーでは語れないのでは。もはや再開発事業が連担して周辺市街地はなくなっています。事業地域相互の関連と緩衝、ネットワーク化を、だれが考え、形にし、事業の中に吸収させるか。行政の頭で考えると、デザインガイドライン(その道具として、自然地形、樹木、寺社、歴史性・・・など、そしてついコミュニティなどと口走ってしまうのだが)、公開空地のマスタープラン…(M.Shigenaga)



4●今回訪れた中で最も魅力的だった所はどこですか?
泉ガーデンタワーのエレベーター(5票)

建築でも場所でもありませんが驚きました。  
タダで24階まで、シースルーの75人乗りエレベーターに乗れる、ということ。オーナーの住友にしてみればもったいないでしょうけど、いいことです。でも「セキュリティ」を口実に、そのうちに無料開放は止めてしまうのではないだろうか?それが気がかりです。
ガラス張りの展望エレベーターは数あれど、これほどの大きさ(=視界の広さ)と昇降スピードは初めてで、興奮した!
広くてほっとする。
泉ガーデンから神谷町への緑道○ふたかけ水路?と思わせるほど自然
泉ガーデンタワーの庭から神谷町までの歩道○緑豊かで、ホットできる空間である。
泉ガーデンの庭園○
泉ガーデンタワー裏側の屋敷林○都心にこれ程の屋敷林を残したことは評価すべき。
六本木ヒルズ(4票)
規模、空間デザインの多彩さ。やはり群を抜いていると思う。
1度来たことがあるが、とてもわかりにくかった。水谷さんの「一筆書きマップ」には脱帽です。「街」を創ってしまったという印象。広すぎるし、複雑だし、とにかくわかりにくい。でも、そこが、探究心をそそる。また、行きたい、制覇したいと思わせる。(明日、行ってきます)
建築デザインもアートも店舗もいろいろあって、また行ってみたい気持ちにさせられる。「街」としてゆっくり観て回りたい。パブリックアートや食事以外の目的でどれだけ満足行くかは未知数だが、わくわくする出合いや発見がまだまだありそうで探検したい。大人の欲求を満足させる「洗練された大きな界隈」になっていってくれれば嬉しい。
六本木ヒルズの池を囲む風景○池が自然な風合いを醸し出すともっと思う。
六本木ヒルズと元麻布ヒルズの間の低層レジデンス街○住むこと
一般の低層住宅地○やっぱり一番ヒューマンで、それなりの環境をかもしている成熟の街だ。
元麻布の住宅街○生活感があふれている。
元麻布エリア○高台に位置する高級住宅と谷戸に密集するトタン屋根の家々が交錯する面白さ
元麻布3丁目の低層集合住宅○通り抜けの私道を挟んで両側に統一感ある低層住棟が並び、品位ある親密な空間となっている。高級住宅地の中にとけ込み、かつ領域性を主張している。
麻布十番のまち 、六本木の映画館○ぶらつくのにいい。六本木で映画を見て帰りましたが結構楽にみれるのでいい。
名前を忘れましたが、昔の雰囲気のままの住宅地と六本木ヒルズが一望に見えた公園。


【評価点数まとめ】

対象
 
デザイン
空地・歩道等
周辺との関係
総合評価
JK2501
泉ガーデンタワー
3.20
3.30
3.50
3.33
JK2502
六本木ヒルズ
2.20
2.70
2.60
2.50
JK2503 
元麻布ヒルズ
1.11
1.63
1.11
1.28

    [注]点数は、A=5,B=3,C=1,D=1 とした平均値。総合評価は3要素の単純平均。

(評価の内訳) (デザイン) (空地・歩道等) (周辺との関係)
泉ガーデンタワー AAAAABBBBBBBBBBBBCCC AAAAAAABBBBBBBBBCCCC AAAAAAAAAAABBBCCCCCC
六本木ヒルズ AAABBBBBBCCCCCCCCCCC AAAAABBBBBBBCCCCCCDD AAAABBBBBBBBCCCCCCCC
元麻布ヒルズ BCCCCCCDDDDDDDDDDDD- BBBBBBCCCCCCCCCDDDD- BCCCCCCCCCDDDDDDDD--

 



5●今回の企画についてのご意見、ご感想などご自由に!
・ 企画の方お疲れ様でした。話題の六本木ヒルズを見れたので、とりあえず東京在住者として安心しました。が、次にいくのは、世間の六本木ヒルズ熱が冷め、企画者が期待したイメージ(高級感?)どおりになった頃かな、、と思います。実現する可能性があるかわかりませんが。どうもありがとうございました。(N.OkI)
・ 市街地再開発事業や市住総がこんなに連担することはおそらく想定されていなかったと思います。都市構造や都市空間の問題として、また地域レベル・圏域レベル・国家レベルでの経済の問題として放置してよいとは思えません。
・ 容積を際限なく上乗せし、床を増やす→供給過剰→超高級化・差別化しないと売れない→個々の建物だけでなく、街全体のブランド化→その流れに乗らないと街の中で「土地」が生き残れない→だから、三田小山町までも?→いつまで続く?だれが「ババ」を引く?このシステムが破綻したときの社会の損失は?それをだれが埋める?
・ 消費税率が10パーセントという議論が始まっています。パラサイトシングルを支える親もいつまでも若くて元気ではありません。リストラとフリーターは車の両輪です。いま、個人の財布のヒモはますます固く、安くなければモノが売れない時代です。そして、「2003年問題」も指摘されてきましたが、こういう再開発が本当にどこまで成り立つのか、個々の事業採算としてではなく、都市全体でみた長期的な経済の立場からの検証が必要と思います。「2003年問題」を乗り越える手段が、本当にさらに差別化・高度利用化した再開発なのでしょうか。この連鎖が2003年問題という「負のパイ」そのものを大きくしていると思うのですが。都市計画が都市空間や都市構造をコントロールする力を回復することを望んではいけないのでしょうか。(M.shigenaga)
・ 六本木ヒルズではほとんど「迷子」状態で、ルートをたどるだけで精一杯、建物(特にタワー内部)は、どこが何やら、目に入らないというのが実態でした。あ、こりゃ企画についての感想じゃないですね。企画そのものは全体として「今の六本木と麻布」を対比的に(新旧、大小、高低その他)見せてくれて、楽しめました。(N.Muramatsu)
・ もう再開発での超高層ははたくさん!!(A.Chikawa)
・ 大混雑の六本木ヒルズに行くと思うと尻込みしたくなったが泉ガーデンの展望台や元麻布の住宅街を訪ねることができて良かった(J.Yamane)
・ きれいな再開発ビルと対比すればするほど、つくづく首都高は品がないと思う。(K.Matsumoto)
・ 六本木ヒルズは今回で2回目であるが、やはり迷ってしまう。アミューズメント施設のような感じがしてならない。落ち着いて見て歩くと言うよりは早くこの場所を離れたいと思ってしまうのは、おじさんなのでしょうか?水谷さん作の六本木ヒルズめぐりマップは労作!(y.Ide)
・ 石橋さんのおおともだちのつとめるチョコレート屋は30分並びました。おいしかったです。(ふだんは1時間だそうです)(A.Ando)
・ アークヒルズに始まるこの界隈の再開発全体のお披露目、という感じで楽しみました。それにしても大規模再開発のデザインも随分変わったと思います。親しみのもてる部分が多くなったのではないでしょうか。却って印象が薄くなる懸念もありますが、年月を経ても荒れず、よりなじんでいけば良いと思います。(M.Mizobe)
・ 住宅に関しては、いくら公開空地の緑地が広く取ったとしても高層にするのは避けるべきだと思う。六本木ヒルズについては、想い出のWAVEや蔦のからまるハートランド亡き後の建物かと思うと、これが再開発なんだなあと実感しました。(R.Nonaka)
・ どうもありがとうございました。楽しかったです。(M.Wakino)
・ 3つの大規模開発を十分に回った後で、一転して元麻布の迷路のような住宅街に入り込み、丘と谷、坂と崖、超高級住宅地と密集住宅地、それにヴォーリズ建築まで味わうことができました。元麻布2丁目の時の忘れ物のような密集住宅ブロックが今も残っていて、普通の東京を思い出しました。綿密な企画をありがとうございました。(R.Otake)
・ 「港区へ出かける」というだけで、洗練された気がして心弾む私です。よく練られたコースと充実した資料、そして水谷さんのジモティーならではの視点に感嘆しました。(S.Hirai)
・ 大変楽しい企画をありがとうございました。歩き終わって、改めて六本木ヒルズマップの完成度の高さに感心しました。(M.Furusato)
・ お買い物、ランチ目的でない話題の名所見学、楽しかったです。リピーターの来るまちづくりはほんと難しいですね。(T.Ueno)
・ 懇親会のあと、森タワーの世界都市展で世界主要都市の模型を見ました。高層建築の林立するニューヨークと、中低層市街地の中に高層街区が点在する東京。都市再生とは東京をニューヨークのような都市にすることなのでしょうか。むしろ中低層市街地をうまく生かすことが東京の目指すべき姿ではないかと思います。高層街区と中低層市街地の調和、魅力的な中低層市街地づくりに東京の都市再生の答があるような気がしました。(I.Aoki)
・ なにはともあれ、今話題の六本木を歩いた満足感は大きい。聞くと訪れるのとでは大違い。しかし、つかみどころがない、という六本木ヒルズのイメージは増幅された。再開発地域の商業地区と旧市街地の商店街は、まさにハレとケ。どちらがいいという問題ではなく、六本木にお出かけし、麻布十番でほっとした、というのが本音かもしれない。例えば連れて行った子どもたちにとっては、六本木一丁目から六本木ヒルズは「遊園地」、元麻布から麻布十番商店街は「近所のおつかいのルート」または単なる「地下鉄駅までの遠い道のり」であったと思われる。(R.Aoki)
・ 水谷さんの案内図に感動しました。作成、お疲れ様でした。テレビ朝日、六本木ヒルズともに、オリジナル商品(いわゆるお土産品)はどれもイマイチでした。ドラえもん饅頭も東京駅あたりで売っているキャラ饅頭と大差ないし、ヒルズマークとはいえ佐賀の煎餅を買う人がいるのだろうか?(R.Ishibashi)


コーディネーターより
坂や階段の多い道ばかりで、皆様大変お疲れさまでした。六本木ヒルズでは、皆さん、時間をもてあましていたようで、全体の時間配分を見誤りすみませんでした。やはり、TEKUTEKUの皆さんは、元麻布や麻布十番などの”まちを歩く”方がお好きなようですね。私にとって六本木ヒルズは、巨大な要塞のようで、足を運ぶのがどうも億劫な場所です。ただ六本木ヒルズで開催中の「都市展」は、大きな東京の模型があり、とてもおもしろいので、ぜひまたお出かけ下さい。(H.Mizutani)



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