まちづくり企画19.20■島原企画2003.10の記録


teku-tekuまちづくり企画19・20


まちづくり企画19+20◆ラーバンリゾート島原/復興のまちづくり 

           
日 時●2003.10.17(金)10:00〜18(土)17:20
コース●HOPE計画20周年全国大会に参加(10/17-18午前)
10/17:島原城〜武家屋敷街〜柏野団地−(バス)−鯉の泳ぐ町〜中央公園〜万町アーケード〜森岳商店街〜島原文化会館(シンポジウム+ワークショップ)
10/18:午前/島原外港〜花の丘団地(災害復興住宅)〜平成新山ネイチャーセンター〜雲仙普賢岳災害記念館〜島原駅
    午後/湧水水源地〜武家屋敷街〜左海邸<休憩>〜青い理髪館〜猪原金物店〜しまばら水屋敷〜山崎酒造〜鯉の泳ぐ町〜島原外港
参加者●約220名(HOPE計画全国大会)うち、teku-teku参加経験者5名
○栗原 徹、磯田尚子、井手幸人、大竹 亮、左海冬彦


[参加者の意見]


■島原の街(全体)について 評価:AAAB(平均4.50)
●普賢岳・眉山と有明海とに挟まれ、島原城や武家屋敷など城下町の趣を強く残した、非常に個性豊かな街。災害にも負けず、地元の熱心なまちづくり活動が行われていることはすばらしい。
●半島の先で海と山に挟まれ、武家屋敷や旧道商店街などの情緒が豊かな街。湧水の活用やまちなみ整備を地元住民が主体となって進め、個性的な店舗群と合わせて効果をあげている。
●海に面しているのに漁港の臭いのしない街でした。まち中に"きらりと輝く宝物"が点在している。
●HOPE全国大会で、岩田先生より、西の横綱の佐賀・有田と東の横綱の山形・金山という話を聞いて、この二つの町に行ってみたくなりました。上には上があるということですね。


■島原の街であなたが魅力的だと思う場所とその理由(3カ所)
猪原金物店★金物屋というよりも、ご主人のこだわりを売る店。店内の雰囲気や売っている商品も非常にセンスが良く、東京でもこれだけの店はない。
猪原金物店★店も商品もいいし、奥の食事処がまたすごくいい。中庭、座敷、土間、廊下の組み合わせが絶妙で、自然の光と風と音を感じながら心が落ち着く空間。
猪原金物店、絃燈舎等がある通り★猪原金物店の品物の多さにはビックリさせられました。蔵に眠っていたものが今やお宝商品に・・・目のつけどころがいいですね。奥に広がる喫茶、お食事処のデザインのセンスは抜群。各店が協調して魅力的な通りになりつつある。
上の町の森岳商店街★400年前からの街並みのなかに、街づくりに生活と自らの実存をかけて取り組む人々がいる。猫や亀やハヤ、蛍など人間と共生した生き物もいる。
武家屋敷★昔ながらの武家屋敷は少ないが、石塀と中央の水路によって創られた独特の景観は、圧倒的な迫力がある。
武家屋敷街の通り★一つずつ見ると表情が違うのですが、通してみると整然とした感じを与える。また石塀の素朴さ、質感、真ん中に流れるせせらぎ等とても魅力的な空間です。我が国が誇れるデザインストリートの一つではないでしょうか。
「水屋敷」群★町家と、島原独特の湧水庭園がマッチした独特の雰囲気・景観を作り出していて、心静かな時間をすごせる。
水屋敷★個人が所有する空間を見せてもらうには観光客にもルールを守るよう訴えている看板がとても印象的でした。こうした頑固さが(当然のルールでしょうが)あるがゆえに、どこでもみるアーケード街の中にあって、異風な空間が保たれているんでしょうね。水屋敷を運営する石川さんが作成された散歩地図は最高! 
青い理髪館★伊勢の赤福、長浜の黒壁の向こうをはって、商店街の人が「青い」理髪館と名づけた大正レトロの喫茶店には、おいしいケーキと島原ならではの優しいホスピタリティがある。
柏野団地+花の丘団地★島原の風土に合った公営住宅団地。柏野では、湧水や武家屋敷のモチーフを無理なく取り入れている。花の丘は緩やかな曲線や勾配が柔らかく温かい空間を創っている。
島原外港ターミナル★島原の魅力の一つは海であり、それを最も意識させる場所。さらに、船を使えば福岡や熊本もけっこう近いことがわかった。
島原高速艇★島原外港と大牟田三池港を40分で結び、これを使うと福岡と島原が非常に近い。大海原の向こうに普賢岳のふもとに広がる島原の街を眺めつつのアプローチは絶景。


■島原の街をもっと魅力的にするためには何が必要だと思いますか?
●島原街道の商店街などは、魅力的なスポットが点在しているが、それがまだつながっていない。街の人たちが(商店に限らず)それぞれに街への想いを発信するようになると、もっと魅力的になってくると思う。
●1)湧水の更なる活用方法の提案とそれを用いた街のPR。2)おみやげの商品開発。3)小川さん達の活動を応援する人と支援資金。
●島原・長崎の人がもっと島原の隠れた魅力に気づくこと。島原半島全体のさまざまな発掘を待っているさまざまな魅力の数々とのネットワークを形成していくこと。有明海沿岸の古い街並みとのネットワークもさらにおもしろい。そーめん、具雑煮、農産物、職人によるさまざまな工芸品など、島原独特の産業とも連携を深めて、島原にしかないお土産産業を育成していくこと。それと、やや抽象的ですが、古いものを大事にしつつも、新しい価値観を積極的に取り入れていくこと。
●「成功したまちの真似をしても、交通不便な島原には来てくれない。ここにしかないものを活かし、創ろう」という地元の方の発言、「保守性の打破には普賢岳災害も役に立った」という認識など、しっかりした考えに立脚してまちづくりが進められている。この想いを広め、深め、続けていくこと。


■HOPE計画全国シンポジウム島原大会に参加してどう思いましたか?
●20周年記念として「継続の力」というテーマは非常に象徴的。実際に、まちづくりにおいては継続することが重要であるとともに、HOPE計画自体も岩田氏をはじめとして、多くの関係者が継続して取り組んだことが、これだけのネットワークになったことがよくわかった。
(TEKU-TEKUで、HOPE大賞を受賞したすべての街に行きたいものです)
●森岳まちづくり研究会の小川さんの「島原にしかないまちづくり」の話はとても感動いたしました。ワークショップ等とても面白かったですが、意見集約の時間、発表の仕方など更なる工夫があると、さらに有意義な会になるのではないでしょうか。
●回を重ねるごとに、街歩きプログラムを踏まえての議論が増えてきているのがうれしい。行政職員の参加が多いが、民間でまちづくりに取り組んでいる人がもっと継続的に参加するようになると、ネットワークの効果が出てくるだろう。全員参加のワークショップを組み入れるべし。
●全国の街づくりに熱心に取り組む多くの方々と知り合いになれて良かった。

■その他、今回の企画に対する意見・感想など
●HOPEの全国大会に皆さんをお誘いすることもあって、一応コーディネーターとなったものの、私自身、島原を訪れるのは初めてだったので、どうなることかと思っていました。しかし、幸いにも島原出身の左海さんの適切なご案内を得て、とても充実した街歩きになりました。左海さん、どうもありがとうございました。(T/K)
●HOPE計画全国大会では、講演を聴くだけでなく、街歩きやワークショップ、夜なべ談義、さらには災害復興事業の見学もあり、きわめて有意義なプログラムでした。そして大会終了後、左海さんに「さらに奥深い島原」をご案内いただき、島原のすべてを満喫できました。(R/O)
●18日の午後、左海さんにご案内いただいた街歩きは、地元の人とお話しし、ご自宅を見せていただくなど、島原の生活が少し垣間見れ、とても楽しかったです。左海さん有り難うございました。(Y/I)
●案内することは、案内する側にとっても勉強になります。訪問者側の発する驚き、さまざまなコメントや疑問にふれて、それと対話することがまた勉強になるんですね。「街づくりにとって一番大事なのは、(多くの人の利他的な)心である」ということを実感する休暇となりました。でも、今後、お酒の飲みすぎには注意したいです。(F/S)

島原の武家屋敷街
島原の鯉の泳ぐ街

 


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