まちづくり企画25・26■九州企画2004.3の記録


teku-tekuまちづくり企画25・26


teku-teku九州企画9+10「大分の小都市を訪ねて」の記録


まちづくり企画25◆湯布院らしさを歩き、模索する
日 時●2004.3.6(土) 11:40〜19:00
コース●(1)湯布院のメインストリートを歩く(由布院駅舎+ギャラリー〜由布見通り〜湯の坪街道〜蛍見橋〜玉ノ湯旅館<昼食>)〜(2)由布盆地の自然と時間を味わう(古い集落地区〜田園風景〜由布見橋〜由布院美術館〜川沿いの道)〜(3)ゆふいんの町の今後を大いに語る(城橋〜健康温泉館クアージュ<ディスカッション>〜亀の井別荘)


まちづくり企画26◆天領日田のお雛さまを訪ね歩く
日 時●2004.3.7(日) 10:00〜16:20
コース●(1)豆田町地区(天領まちの駅〜薫長酒造〜草野本家〜珈琲談義所・嶋屋/蕎麦酒処・麦屋<昼食>)〜日田巡りバス〜(2)隈町地区(黎明館(押し花美術館)〜合原家〜大蔵家〜三隈川)〜(3)小鹿田地区(小鹿田陶芸展示館〜小鹿田焼窯元・坂本家)〜JR特急ゆふいんの森号
参加者●19名
    梅田正代、栗原 徹、千川 明、寺川ときは(*)、野中るみ子、平井志都葉、大竹和子、大竹柾也、大竹柊子、櫛間嘉徳、櫛間陽美、櫛間大輔、増田 愛、増田千晶、山崎三枝、寺地 守(#)、◎寺川重俊(*)+土師敬士(*)+大竹 亮  (*湯布院のみ #日田のみ)


■湯布院らしさを歩き、模索する-----------------------------------------------------

1◆湯布院の町(全体)
  評価:4.00 内訳:AAAAAAAABBBBBBBB
●自然や農村に囲まれて、ゆったりした時間の中で質の高い文化にふれあえる町。こうした価値を大切にする町の人たちの力で、現在の危機を乗り越えてほしい。
●溝口さんや中谷さんたちの努力によって、他の町より2歩は進んだまちづくりが実現したが、まちづくりが成功したことで外部資本の侵食という新たな課題に直面している。
●ゆったりとした時の流れを感じさせてくれる独特の雰囲気がある。ふらっと歩きたい町。
●小ぢんまりと散策できる町の中に老舗旅館が立派にあり、普通の温泉街とは違った良さがある。
●人が多い通りの低い木に、小鳥がとまり逃げない様子にビックリ(人に馴れているのか?)。鳥たちにとっても、のんびり出来る良い環境なのだと思った。晴れた日に、もう一度ゆっくりと散策してみたい。
●自然がたくさんあり、遠くに由布岳を望めるのがさらに良い。
●湯の坪通りと金鱗湖のみかと思った由布院でしたが、石垣の道や良い田園風景があったのですね。
●全体としてはいいが、時に場違いと感じられる建物(主にカントリー調)がある。
●土産街道と人をもてなす地域の差が極端だと思う。
●金鱗湖周辺の近代的な黒い建物が不似合いだった。
●昔(15年くらい前)の方が、のどかだった気がする(高速道路が開通したから・・・)。
●地方にしては物価が高い。お店の人の応対が洗練されている。
●いろいろなお店があり、楽しい道でよかった♪ 自然もたくさんあった。


2◆JR由布院駅舎+ギャラリー(1990/by磯崎新)
  評価:3.38 内訳:AAAAAAABBBBBCCCC
●駅らしくない駅。待合室でなくギャラリーとしてオープンスペースにしている点もいい。構内にある足湯に入りたかった。
●一見すると地味だが、格調あるデザイン、ギャラリーとしての利用など、由布院の玄関口にふさわしい気品あふれる駅。ゆふいんの森号が発着するのに似つかわしい。
●(ギャラリーの中に入るのを忘れてしまったが)黒塗りというところが大人の由布院に相応しい駅舎。
●駅舎も良く、まちづくりが良くわかる展示内容も良かった。
●屋根の形が気に入った。
●25年前に来た時よりも、きれいでおしゃれになっていた。
●きれいに整っている。
●けっこういいと思う。
●シンプルで質の高いデザインは非常に良いが、当初の予測より客が多いためか、スペースがやや手狭になっている。
●駅の待合室にテーブルと椅子があるのが良い。ギャラリーは閑散としていたので、もう少し色鮮やかなものを置いたり(花とか)した方がいいと思う。
●駅を出た時の由布岳の雄大な眺めが好きです(雪雲のため頂上が見えなかったのが残念でした)。


3◆湯の坪街道の街並み
  評価:3.38 内訳:AAAAABBBBBBBBBCC
●樹木が植えられ、小さなお店が控えめに並んでいるあたりは、とても感じがいい。路地を引き込んで集合店舗を作っている所も、賑わいが感じられて楽しい。
●一軒一軒じっくり覗いてみたかった。
●フクロウやクマや犬のグッズなどを売っている店などがあってよかった!
●とても良かった。
●いろんなお店があっていい。ただ、湯布院で売り出す独自の品物を売るお店がもっとあった方がいい。
●おみやげ屋が並び、どこでもある風景。
●ありふれた土産物屋が雰囲気を壊していた。
●店が、ごちゃごちやしている印象
●何か乱雑な感じがする。
●統一感がいまいち。
●普通の町なら非常にレベルの高い街並みといっていいのだが、ありきたりの観光地にはしたくないという思想からみると、あまりに観光地的。


4◆老舗旅館の趣き(玉の湯旅館+亀の井別荘)
  評価:4.75 内訳:AAAAAAAAAAAAAABB
●人をもてなし、地域を良くしようという思想によって、非常に品格ある空間が生み出されており、単なる老舗旅館にはない素晴らしい味わいがある。
●玉の湯旅館:古い趣を残しつつ、おしゃれなテラスもあり良かった。亀の井別荘:玄関口から店舗に入るまでの空間のつくりが良かった。
●平屋の離れの点在、地元の植物を庭木に使うなど、湯布院の原風景を大事にしているこだわりに感心した(由布院は何度も行っているが、老舗旅館は初めて。しかも、湯布院3大高級老舗旅館制覇!)。
●この2つの旅館が湯布院を大きく引っ張ってきたということが、オーナーの方々お話でより実感した。閉ざされた敷居の高い旅館が多い中、宿泊客以外にも開かれた空間があるのはうれしい。湯布院のうれしいおみやげは、センスのよいこれら旅館のグッズかも。
●なんともいえないやすらぎを感じる建物の作りで、魅力的。料理も品がよく、ヘルシーで、和食の良さを改めて知ることができた。
●さすがに老舗旅館、景観良し、味良し、サービス良しの三拍子。湯布院の魅力のひとつ。
●掛け流しの温泉付きで落ち着いてくつろげそう。
●趣きのある建物と雑木林がマッチしている。
●洒落た洋風の趣きも感じられ、大変良い。
●とても良かった。
●玉の湯の、あの見事な空間が田んぼだったのですね(溝口さんのお話を聞き納得)。
●本物であるし高級であるのだが、決してよそよそしくなく温かい心遣いが感じられるのと、手ごろな値段で食事処やカフェを利用できるのがうれしい(宿泊するには貯金してね)。
●湯布院文化人の誇りを感じた。


5◆集落と川の流れ、田園などの原風景
  評価:3.75 内訳:AAAAAAAABBBBBBCC
●蛍が住む小川、由布山(自然)をたえず意識する日常がすばらしい!
●特徴的な由布岳をバックにしたあの田園はいい感じ。
●由布岳の背景が気に入りました。
●茅葺きの屋根の家や、庭の様子が情緒深かった。
●自然の水辺を復元し、蛍を再生したところがすごい。蛍を見に行きたい気分。
●蛍が住めるほど水がきれいなのが気に入った。
●手の届く感じで、こちらを穏やかにさせてくれる。
●ここが一番楽しかった(特に雪が降っていたのでさらに良い)。また歩きたい。
●原風景や集落はいい感じだった。田園内の舗装道路の歩道に無秩序(?)に植栽がなされており歩行者の歩きにくい変わった歩道だった。景観重視のユーザーを無視した悪しき事例のように思う。
●ごく普通の(昔のままの)集落や田園風景だが、こうした所を気の向くままに散策できるのが湯布院の魅力なのだろう。
●田舎ならどこでも見られる風景だが、こういった所に変なものができてしまうと、「ゆふいん」らしさが失われてしまう。


6◆由布院美術館(1991/象設計集団)
  評価:4.00 内訳:AAAAAABBBC
●古墳のような外観の展示スペースの上に登れたり、見晴らし台があったりなど、子供に帰った気分で楽しめる。この手の美術館の中では秀逸な方。
●いわゆる美術館とは違い、公園の遊具のような建築で、作品と空間を直接楽しめるところがユニーク。
●小さいながら中庭を囲んで変化があり、不思議と居心地がよい空間。こうしたセンスが光る多彩な施設が点在しているのも、湯布院の魅力だろう。
●コレクションより建物が面白い。中庭を見ながらいつまでものんびりしたい空間。
●遊び心のあるユニークな建物である。
●建物も万華鏡も遊び心があって楽しめる。足湯につかりたかった。
●万華鏡が楽しかった(時間がなくてじっくりみれなかったのが残念)。
●個性的な感じがした。まあ、これがだんだんと湯布院にマッチしていくのでしょう。
●路地裏のような通りにも美術館があって驚いた。


◆ゆふいんで、最も気に入った場所
玉の湯旅館★派手さはないが、ゆったりとした雰囲気で本当にくつろげる空間が提供されている。
玉の湯旅館★入口に向かうまでの林と道路との境界線がないので、緊張せず期待を持って入りやすい。
玉の湯旅館★クラシックとモダンの程よい調和。全てがハイセンスな宿。
玉の湯旅館★まったりとした時間が流れていった。
玉の湯旅館★オーナーの方が自然環境を重視してまちづくりを。
玉の湯旅館★泊まってみたい。
玉の湯旅館★
亀の井別荘★木々に囲まれた敷地と旅館や食事処の重厚な建物群、そして懇親会の料理も非常に良い。
亀の井別荘★立地、空間、料理、サービス、すべて心地よい。
亀の井別荘★店のつくりがいい。
老舗旅館のカフェ★一流だが落ち着ける感じ。
田園の中の家屋★一戸ごとに建っていて、可愛らしい趣きがある。
石垣のある集落★由布院独特という感じはしないが、良い原風景と思う。
石積みの塀★
由布岳★
由布岳を背にした田園風景★うっすらと雪化粧した由布岳は良かった。
由布盆地の田園風景★自然がかなり残っている。
由布盆地の田園風景★街路樹の片側だけに雪!感動。
由布院の雪景色★真っ白な雪の風情が初めてでした。
由布院の景色★ 遠くに由布岳を望めるのがかなり良い。
由布院の景色★
川沿いの道★とても楽しかった。
川沿いの道★透き通った水面と広い空を眺めながらのんびり歩きたい。
川沿いの道★デコボコのぬかるんだ道から川沿いを歩いた時はサラッとして歩きやすく、まわりの景色にも視野を広げることができ、気持ち良く歩けた。
集落内の未舗装道路★非常に懐かしかった。
金鱗湖★行った時が良かった(寒くて悪かった?)のか、湖面の湯気が印象的。
金麟湖★蒸気が立ち昇って幻想的。
末田美術館★外見のみの評価しかできないが、落ち着いた、しかも異彩を放つ佇まい。
由布院美術館★ちょっと奇をてらったデザインではあるが、外部資本の土産物屋のような下品さはなく、  うまく「ゆふいん」に馴染んでいる。
由布院美術館★初めてなのに懐かしい気分。
由布院美術館★
足湯(美術館前)★雪が降る寒さでもピリリと気持ちよかった。
温 泉★
旅館やまぼうし★広い洗面台とバリアフリーの入口がとっても快適!(洋室) ご主人も親切でした。
旅館やまぼうし★
山荘田名加★美味しいお料理と由布岳と田園風景が部屋から眺められる宿(寺川さんに勧められて前泊)。
湯の坪街道★お店の集まっている所が楽しい。
湯の坪街道★お店がいろいろあってよかった。
湯の坪街道★もう一度歩いてみたい。
店 舗★楽しいお店や、この地域らしいお店があった。
城 橋★優れたデザイン。ガラスの清澄な青が残像としてこびりついている。
JR由布院駅★湯布院の旅はここに始まり、ここに終わる。象徴的な建築。

◆3つの橋のデザインのうち、一番いいと思うもの
蛍見橋★小さな橋だが川の風景と良く調和している。
蛍見橋★木橋の風情と名前が気に入った。
蛍見橋★木造の古い橋風で良かった。
蛍見橋★アーチが気に入った
蛍見橋★かわいい太鼓橋。いつかここで蛍をみたい。
蛍見橋★3つの中ではインパクトがあった。しかし、石橋風のは検討しなかったのでしょうか?
由布見橋★緩いカーブで渡りやすく景観の邪魔にならない。
由布見橋★蛍見橋は工事中でちょっと残念。城橋は大きすぎて、小さな橋が好き。
由布見橋★蛍見橋は欄干が凝りすぎ。城橋は風景に馴染んでいない。由布見橋が一番努力が感じられる。
城 橋★広い橋に、鉄とガラスがマッチして美しい。
城 橋★モダンな材料が繊細に使われており、ゆふいんらしさを抽象的に体現している。
城 橋★一見して、あか抜けている。
 【注】3つの橋
  1.蛍見橋:民芸村から玉の湯旅館の途中にある橋。鉄製の橋に木橋風の外装デザイン。
  2.由布見橋:由布院美術館前の橋。鉄製の橋に木橋風の外装。手すりが低く素朴なイメージ。
  3.城 橋:銀行の横、温泉館近くの広い橋。コンクリート製の橋に鉄とガラスのデザイン。


◆ゆふいんらしさ、ゆふいんらしい街並みとは・・・

●家々の建ち並ぶ街路を抜ければ必ず、湯布院を見守るように四方に山々が見えること。
●なんと言っても農村風景。そしてどこからでも由布岳が見られるところが好き。
●田んぼが多いところ、田舎っぽいところ。
●原風景、田舎らしさ、素朴な街並み。
●高い建物がなく、空がある。
●自然がかなり残っていること。
●自然との調和。
●古い一軒家で、温泉旅館らしい所が田園の中に点在する様がユニーク。
●歓楽街のない温泉街、ゆったりお風呂に入って美味しいものが食べることができる旅館のある町。
●夜、日田の方から大分方面に向かうと、途中、真っ暗な中に由布院の町並みの灯が広がって見えるきれいな場所がある。ゆふいんらしい「街なみ」ということになると考えてしまうが、このように由布岳のふもとの平地に点在する落ち着いた空間群でしょうか。
●由布山が見える田園風景、高層マンションや高層商業施設で空間を削らないこと。農家や地元の人の暮らしぶりが身近に感じられること。
●建築やデザインの面では「ゆふいん」らしい街並みはあまり明確ではないが、周辺の自然との調和、木々に囲まれた建物の雰囲気などが、「ゆふいん」らしさを生み出していると思う。
●自然や農村に囲まれて、ゆったりした時間の中で質の高い文化にふれあえること。建物は、個性的でありながら、風景や他の建物の邪魔をせず、控えめに譲り合うデザインであること。
●クラシックであれモダンであれ、ハイセンスで調和がとれた大人のまちであること。


◆ゆふいんらしさ、ゆふいんらしい街並みを守り、伸ばすためには、どうすればいいか・・・
●まず、生活者を含めた街の人々が「ゆふいん」らしさを共有することが必要で、そのためにはガイドラインよりも、実際に一つひとつのものについて「ゆふいん」らしいか否かを確認してゆくプロセスが有効だと思う。そのプロセスによって、街の人々の総意としての「ゆふいん」らしさが認識できれば、「ゆふいん」らしい街並みは自ずと生まれてくるのではないか。(栗原 徹)
●ゆふいんらしさは、質の高さや品格を誇りつつも、調和と互譲を旨としている。この作法を地権者が共有することが必要。例えば、建物は伝統様式かオリジナルデザインとし(他の物まねは不可)、大きな建物は分棟にするような(大きな壁面を作らないような)ルールが有効と思うし、狭い道路は舗装から土の道に戻すというアイデアには共感する。さらに、日田の小鹿田のように、手作りの生業プロセスを眼にすることができるような場面が増えると、じんわりと効いてくると思う。(大竹 亮)
●プロジェクトXにもありましたが、あの雪国のイメージが全くなくなった湯沢の二の舞を防いだのは大正解かと思います。心身ともに(特に心)リラックスできる空間の提供こそ、期待される「ゆふいん」らしさと思います。(小松孝之)
●由布院自体が、どういう選択をするのか? 特区として町並み保存を行い資本を排除するのか? 観光を主体としながらも、民泊や体験を主体とした形に変えていくのか?(櫛間嘉徳)
●今のまま、これ以上建物を増やしたり、道路を整備しないようにする。(櫛間陽美)
●高層建造物は建てないようにしてほしい。(小松美枝子)
●町よりも田舎を作る。(櫛間大輔)
●開発、レジャーランド化は避ける。高い建物を乱立しない。木をたくさん植える。観光の車での乗り入れを制限する。(増田 愛)
●ゆふいんの有識者が誇り高く団結し、外部から参入する商売人を規制すること。(平井志都葉)
●農業と観光産業との融合。協力体制が整ってほしいです。(山崎三枝)
●地元農家の意識や経済が維持されなければ田園の原風景を守ることが難しいので、農家が作った農作物、自家用漬物や手作り加工品など、大手スーパーの規格品ではない都会では手に入らない、おばあちゃんの素朴な味、地元や近郊住民、観光客までが安心安全の食料品を日常的に買いに来る大規模直売所を農家自身が運営することができれば良いと思う。先日、NHKで農作物や果物に生産者が自分の名前をつけ、バーで一元管理されて成果物の販売と在庫が携帯電話で随時確認できる自分たちで持ち寄る直売所のことが紹介されいた。生産者と消費者が身近に信頼関係を結ぶことで地域も活性化すると思う。温泉の地の利を活かして、要所の街道にオープンな足湯の休憩所(トイレ有り)、時代劇に出てくる峠の茶屋のような開放的な場所があれば、観光客も車で通過するだけでなく徒歩で田園や棚田を散策して、湯布院の魅力を再認識する機会になると思う。足湯の居酒屋もいいな! ぜひ、由布院の源氏蛍もPRして下さい。(増田千晶)
●蛍が毎年見ることができるように、川がいつまでもきれいなこと。(野中るみ子)
●農家の協力を得て、田植えができるような活動や、森を守る活動を人々に提供することで、自然をともに守り、ゆふいんらしいまちづくりを広げられるようにする。(大竹和子)



■天領日田のお雛さまを訪ね歩く----------------------------------------------------


1◆天領日田の町(全体)
  評価:3.27 内訳:AAABBBBBBBBBBBC
●大分県西部(山間部)の中心都市という厳しい環境であるが、お雛さまの伝統と古い街並みを活かし、全国でもトップクラスの集積を誇る特色あるまちづくりが進んでいる。
●思っていたより大きな町であり、豆田町と隈町という性格の異なる二つの町の対比が面白い。
●建物など古いものがあって歴史を感じる。郊外型のどこにでもあるような町並みでない点がいい。駅前通りは街路樹や植栽もあってゆとりを感じ、ゆったりできる。さすが日田、木造の大きな建物が多い。
●古い静かな町が、お雛さまを見せるという趣向で、華やかに活気づくことができた。
●とても賑やかで、かなり良かった。
●おひなさまがよかった。
●全域で考えると普通の街。観光には力を入れているので、取り組みは熱心であろう。
●豆田町地区・隈町地区の低層家屋と日田温泉の高層ホテルが不釣り合い。
●雛祭り以外に訪れる人はそれほどいないと思う。
●全体に過剰な商売っ気がないところに好感が持てる。
●自然の静けさと同居する町。
●三隈川の鵜飼も見てみたいものだ。


2◆豆田町地区(天領まちの駅、薫長酒造、草野本家、廣瀬資料館ほか)
  評価:3.93 内訳:AAAAAAABBBBBBBB

●古い建物を活かしてきれいに整備がなされている。お雛さまのイベントがあるとはいえ、こんなに人が来ているのは驚き。
●街並みの保全・再生が進んでいるだけでなく、資料館や美術館、喫茶や食事処、店舗や旅館など、建物の持ち味に応じて多彩な用途に活用されている点が好ましいし、歩いて楽しい。
●お雛さまの企画と古い造り酒屋等が、まちづくりに一体となっているところが良い。
●古いものをそのまま使っているところが気に入った。全体のまとまりも良かった。
●建物の古めかしさがよかった。観光客誘致の雰囲気が感じられた。
●町並み保存において、取り組みがなされている.
●程よく整備されている。
●町自体が観光地としてまとまっていて、清潔だった。
●全体に観光地化しており、人が集まるからそれなりのどこでもあるようなお土産物屋などもある。また、まだ店舗や住宅など前面の改修ができていない所もあるので息長く建築指導などやってほしい。路地や裏庭にも手入れをすればいいものがありそうな気がする。側溝に水が少ない所もあった。もっと流れる水をはりめぐらせないものか。
●昔の面影を守って賑わっている。
●賑やかなお店がたくさん並んでいて良かった。
●いろいろなお店があったので、また今度行って楽しみたい。


3◆隈町地区(黎明館、合原家、大蔵家、三隈川ほか)
  評価:3.27 内訳:AAAABBBBBBBBBCC

●景観の統一や資料館の整備が進んでおらず、その分昔ながらの素朴な雰囲気がある。お雛様も、旧家のお座敷に上げていただいて拝見するというプライベートな色合いが強く、本来の姿を垣間見れた。
●点在する古い家屋と新しい家屋の融合が、ごく自然に見えた。
●建物の古めかしさがよかった。雛人形も趣き深かった。
●お雛さまを見るという点では、より本格的で、町の姿とともに格調を感じる。
●おひなさまのことがよく分ってよかった。
●良いと思った。
●豆田町より大人しいが。それはそれでよい。
●豆田町に比べてゆっくりできる。元大分銀行の旧館・黎明館は静かに過ごせる所(野村暁子さんの人形展は良かった)。ゆっくりコーヒーでもあればいい。繁華街近くで夜間照明が気になる。
●まだ整備が進んでおらず豆田町のような賑わいはないが、街の潜在的な魅力資源はかなりある。
●黎明館がまちづくりの施設として機能してほしい。
●特に工夫がなされているとは思えない。懐かしい風景もあったが歓楽街もあり玉石混合、不思議な感じだった。
●そば饅頭が美味しかった。


4◆小鹿田地区(陶芸展示館、窯元・坂本家ほか)
  評価:4.29 内訳:AAAAAAAAABBBBB
●谷間に10軒ほどの窯元が連続し、地形を活かした登り窯と土をつく水車(唐臼)の音が、独特の風情ある街並みを創っている。
●唐臼の音色が山あいに雰囲気を醸し出している。
●唐臼の音が心地よかった。静けさが身にしみた。
●雪景色と臼の音が心地よかった。
●山間のいい雰囲気であった。
●現代の秘境という感じ。
●生活では車やテレビなどあるが、やってることが時代を超えて続いているような所。谷の水で木造ハンマーが土を潰しているのは作りが骨太で間をおいた音もいい。「NHK音の風景」に推薦したい音。衝撃的とでもいえるような雰囲気を感じた。
●坂本さんのお話とともに、「時間が止まった」集落を体験できた。
●たった10軒の窯元だけで、日常使用の単価の安い陶器(このエリアだけの販売だと思いますが)が作られているというのは驚きです。
●手間と時間をかけることの価値を思い起こすことができた。
●楽しかったです。


5◆JR特急ゆふいんの森(1989/by水戸岡鋭治)
  評価:5.00 内訳:AAAAAAAAA

●往路はゆふいんへの期待を盛り上げ、復路はゆふいんの余韻を残すシックな車両。
●くつろげて、かつ細部の工夫もとても良かった。楽しめる列車。
●スピードよりも快適さを大切にした列車。卓抜なデザイン、行き届いたサービス、居心地の良い空間など、ゆふいんのセンスと格調をそのまま持ち込んでいるのが心憎い。(ビュフェ隣のロビー書棚に、ガイドブックのほか、湯布院のまちづくりに関する記録書なども常備してあるのには驚いた!)
●デザインが素晴らしい。ビュッフェで田園風景を眺めながら飲んだ由布院のワインは格別(もう少し揺れが少ないと完璧なのですが・・・)。
●室内の木の質感が快適でした。ビュッフェの広い車窓からの眺めが良かったです(耳納連山を見ながらのコーヒーとケーキ、悪くはなかったけれど、帰りだったらワインかビールにしたのにな!)。
●リラックスして気持よく乗れた。車内で売っているすもものパウンドケーキは絶品。
●快適で広い車両とサービスでした。車内販売のすもものケーキが美味しかった。
●木を多用した落ち着いた内装で◎。すぐ満席なのだから増便するとか2階建て車両にすればいいのにとも思うのですが。カフェテリアのスペースがもったいないくらいです。
●ゆったりできるからいい。
●今まで乗ってきた列車の中で一番良かった。


◆日田の町で魅力的と思う場所
豆田町の通り★全体に古い時代の建物もありなつかしい。
豆田の街並み★今度イベント等が無いときにゆっくり歩いてみたい。
豆田の町並み★
豆田町の水路★豊かできれいな水路が通り、見るだけでも心地よい。
豆田町★一つ一つそれぞれの店がかわいかった。
豆田町★とても良かったと思う。
豆田町★楽しめます。
豆田町★
薫長酒造(豆田町)★木造の倉庫の中や道具がある。そして暗い。
薫長酒造(豆田町)★堂々たる酒蔵で、コンサートなどにも活用するなど、非常に意欲的。
薫長酒造(豆田町)★酒蔵の中、本当は試飲が良かった。
薫長酒造(豆田町)★この酒造がなければ、わざわざくる観光客は少ないかも。
廣瀬資料館(豆田町)★展示されているお雛様がよかった。
草野本家(豆田町)★歴史のある建物がよかった。
草野本家(豆田町)★7人官女と能楽堂の5人囃子にはびっくり!
草野本家向いの長屋(豆田町)★かなり古そうな長屋をうまく活用して店にしている。
草野本家向いの長屋(豆田町)★鉤の手の道沿いに豪壮な草野本家と向かい合って街並みを創っている。
珈琲談義所・嶋屋(豆田町)★古いものをそのまま使っている。
珈琲談義所・嶋屋(豆田町)★お店が古くて風情があり、食事もコーヒーも美味しかった。
蕎麦酒処・麦屋(豆田町)★なかなかいいお酒が置いてあり、ぜひ夜来たい店。
隈 町★とても良かったと思う。
隈 町★おひなさまのことがよく分ってよかった。
黎明館周辺(隈町)★少し近代の洋風調で明るいところがいい。
大蔵家(隈町)★苔むした庭がいとをかし。家まで通じる通路が珍しかった。
大蔵家(隈町)★細長い通り庭を抜け、中庭から奥座敷に上がってお雛さまを拝見するという貴重な体験ができた。観光客向けではなく、個人向けの行事という感じが伝わって感謝の念が湧いた。
三隈川(隈町)★広い川だった、昔は舟を使っての商売が盛んだったのだろう。
三隈川(隈町)★
隈町から駅までの通り★隈町から駅前の並木道を歩くのが好きです。
旧家のお雛さま★蒐集された人形や家財道具に各家の個性と歴史がうかがえ、非常に興味深い。
日田めぐりバス★バス版かわいいゆふいんの森号でした。
小鹿田★
小鹿田★町の中と時の流れが違う雰囲気がいい。
小鹿田★とても良かったと思う。
窯元・坂本家(小鹿田)★
窯元・坂本家(小鹿田)★雪どけ水に唐臼の音が響く中、登り窯やろくろ作業のお話を伺うという貴重な体験ができた(すてきな急須と湯のみ茶碗を買い求めることができた)。
小鹿田の唐臼(からうす)の音★数百年変わらぬ悠久の音色。


◆旧家を訪ねてお雛さまを拝見するという趣向について・・・
●お雛さまを見せるということで、普段は入れない家の中にも入れ、新たなコミュニケーションが生まれる契機となる点で、非常に良いと思う。
●立派な本家、資料館、老舗酒造、旅館、一般の商家などが、それぞれの持ち味を活かした方法で、お雛様の展示をしており、とても楽しめた(食事処の二階床の間にも、ささやかな雛人形があった)。
●いろいろな種類の人形や飾りなどたくさんあり、今まで思ってた雛人形の常識を覆された。
●お雛さまの趣向が家ごとにまるで異なっており、人形愛好者でなくとも楽しめる。
●お雛さまを見ることで、日本の大事なものに触れるというところが良いと思います。
●日本の文化を皆で味わい、語らう場があるのは、すてきなことだと思う 。
●普通のお宅(といっても立派な旧家ですが)が、開放されているというのが感心する。この時期このお宅の方は、だれかが家にずっといなければならないのは大変ですね。頭が下がります。
●歩く距離が少し短い。同じようなものでなくそれぞれの特徴、建物、商売などを見たり聞いたりできればいい。
●入館料が高くて驚いた、手間を考えると有料なのだろうが、高すぎる。
●少ない金額でも支払うことで気軽に見せてもらえるのが嬉しいです。見る方のマナーも大事ですね。
●良いと思う。



■今回の企画全体(2日間)についての意見、感想など
●2日とも雪に恵まれ、風情ある街歩きを楽しめたとともに、溝口さんの話を聞いたり、地元の人たちとのディスカッションを行うなど、極めて有意義なTEKU-TEKUでした。特に、由布院の懇親会後3軒のバーのはしご(温泉付)は最高でした。由布院のコーディネートをし、夜遅くまで付き合ってくれた寺川さん、どうもありがとうございました。(栗原 徹)
●厳しい気象条件にもかかわらず、充分楽しめました。雪の湯布院の風情は格別で、思わず朝の露天風呂に誘われてしまいました。また、湯布院のまちづくりの両巨匠にお会いできて、溝口さんからは直接講義を受けられてとっても満足です。改めてこだわりの大切さを教わりました。日田のおひな様はあまり期待していなかったのですが、それぞれに歴史があってすばらしく、いつになっても変わらない娘への親の愛情が伝わりました。(山崎三枝)
●湯布院は以前行ったことがあったのですが、広範囲に歩いたことがなかったので、違う一面を見ることができてよかった。料理もヘルシーで、たっぷり食べられたので満足でした。(増田 愛)
●とにかく寒かった。でも、雨でなくて雪だったのが幸いでした。青空の中で由布山と田園風景を満喫したかったけれど、雪景色の湯布院や小鹿田も良かった。溝口氏、寺川氏、若者達との交流会で、湯布院を愛し守って行こうとする情熱に感銘を受けました。温泉に入れて、バー巡りもできて、夜空の星と月が眺められて、東北を旅したごとくの雪景色をみて、カッコイイ中谷氏と美人の奥さんに会えて嬉しかったです(なかなかお会いできない面々ですよね)。ありがとうございました。(増田千晶)
●当日は雪が降ってしまい残念でしたが、私は前泊したおかげでお天気のよい湯布院を満喫しました。青空のもと、由布岳を眺めながら田圃の中の散歩コースを歩いてTeku-tekuのコースに入っていなかった山越エリアも足を伸ばしました。センスのよいギャラリーやお店があるというのは大きな財産です。玉ノ湯旅館と亀の井旅館が手をとりあって、湯布院というブランドをつくってきたのがよくわかるteku-tekuでした。(野中るみ子)
●駆け足であったが楽しかった。旧街道ウォークに比べ歩きがちょっと物足りない感じもあったが、ディスカッションや講話もあり良い経験であった。すばらしい企画だったと思う。湯布院、日田とも社会実験が行われた箇所で、効果が気になった。心残りはバー巡りに行けなかったことだけ!(櫛間嘉徳)
●街道ウォークぽく無かったけど、パーティーしてるみたいで楽しかった。(櫛間大輔)
●雪の中の歩きも、日常とは違い特別な思い出となり、また泊りがけで行きたい。(櫛間陽美)
●初めて由布院に行ったが天気が悪くて残念だった。今度は由布岳をのんびり眺めて温泉に浸かりたい。(千川 明)
●知識のなかった大分県の3つのまちが三者三様で楽しめた。湯布院の寒さで抜歯後の傷が疼き、グルメな食事が堪能できなかったのが残念だった。(平井志都葉)
●ホッとできる街を歩き、一流の良さにも触れられ、とても楽しかったです。楽しく、かつ考える企画をありがとうございました。(大竹和子)
●お店が色々ある所などを通ったので、楽しみながら歩けました♪ おひなさまを見たり説明を聞いたりするのも楽しく、また行ってみたいです。今度行ったときには、もっと楽しみたいです!!(大竹柊子)
●とても楽しかった。また行きたい。(大竹柾也)
●ご苦労様でした。特に東京から九州までお出での方にはありがたいことです。(寺地 守)



コーディネイターより
●九州企画に、今回も(東京方面からも含めて)たくさんの方が参加くださり、うれしく思います。特に湯布院では、寺川さんの企画・調整により、ゆふいんの核心に迫るまち歩き、ディスカッション、体験交流ができました。ゆふいんの皆さんのまちづくりへの熱き想いをひしと感じ、そのすばらしい結実を目の当たりにし、さらに自分たちの理想を追求しつつける姿勢に、私たちも改めて自分の持ち場で頑張る元気が出たように感じます。ありがとうございます。●また、日田は私が最も好きな都市の一つです。たくさんの人々で賑わう町を歩き、旧家のお雛さまを拝見するという体験はいかがでしたでしょうか。人と街との良き関係こそが、街の魅力を創っているのですね。これからも一緒に、九州の都市や街道を歩きましょう!(大竹 亮)


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