自由研究32■品川・川崎企画2004.6の記録


teku-teku自由研究32


テーマ●品川新駅+グランドコモンズ+川崎(チネチッタ等)
日 時●2004.6.12(土) 13:30〜17:30
コース●品川駅〜品川東口駅前〜品川グランドコモンズ〜アトレ品川〜新幹線品川新駅〜(電車移動)〜川崎駅〜ミューザ川崎〜ラ・チッタデッラ〜リバーク(駅前の再開発ビル)
■参加者:溝辺正浩+村松紀明+村松健太郎(コーディネーター)+井手幸人(サブ)
青木伊知郎、青木理惠、青木惠次郎、青木裕太郎、青木優実、扇丈朗、大竹 亮、栗原 徹、佐藤久美子、澤田初穂、庄山典子、橘 都、平井志都葉、水谷晴子、谷貝 等、山崎誠治、脇野真澄、脇野陽子(計22人)

[参加者の意見]


■東品川周辺の新たな開発---------------------------------------------------
1◆品川駅東口の開発全体
評価3.40 内訳:AAAABBBBBBBBBBC
●一見したところでは、各プロジェクトがバラバラに事業化され、まともな市街地にはなっていないのでは…と思わせられたが、グランドコモンズによる基盤(道路、緑地)の整備や、各ビルを結ぶデッキのネットワークが生きていて、旧来の路地の一郭とも微妙に調和しており、まちとしてのつながりを感じさせるゾーンに出来上がっていて、好感を持った。
●駅裏口として乗降機能しかなかった(みどりの窓口もなかった)東口が、自由通路によりつながったことと併せて駅前として有効に活用されるようになった。
●倉庫と雑居ビルばかりのうらびれた品川駅裏が、東海道新幹線・品川新駅とインターシティ+グランドコモンズによってビジネスゾーンへと大きく変貌した。駅前の異界のような路地裏ゾーンは面白い。
●かつての「港南口」は、「東口」という名称と共に、すっかり様変わり。正直、びっくりしました。
●開発前には想像もしていなかった東口が、スタイリッシュな空間に変貌していてビックリしました。「ここはどこ?」のタイムマシンに乗ってしまった感じがしました。
●「げっ、いつの間にこんなになっちゃったの!」と、その変貌ぶりにびっくりした。
●現代的な街並みへと様変わりしてよかった。
●完成してみると、予想より開放的で過ごしやすそう。
●通路は開放感があっていいと思った。
●かつては駅裏の雰囲気だったが、新幹線の駅ができ、大規模なオフィス開発が行われて、まるで副都心のようになりつつある。(副都心は大崎のはずだけど)
●品川駅にいることを感じさせず、「新しい」という共通点で他の再開発と質的に類似している点がネガティブに思える。もっともっとアート作品をめぐらす遊び心も欲しかった。駅前に貸し自転車(ビジネス用にも)があるといい。
●昔の姿を思うと、典型的な都市再生のプロジェクトといえる。ただ、開発区域内で完結していて、周辺との関係が希薄な感じがする。
●今後、駅前に残るヒューマンスケール店舗と融合させてほしい。
●操車場跡地は格好の大規模プロジェクト開発適地、それは分かるけれど都市計画の教科書に載っているような計画内容。広域的に見れば、あの二枚の超高層の壁は、汐止めの開発と相まって、港区の朝凪・夕凪(風の通り道)をふさぎ、地域気象に対する影響大ですね。


2◆品川駅と周辺のネットワーク
評価3.13 内訳:AAABBBBBBBBBBCC
●新幹線の新駅、羽田空港までのアクセスの良さ、首都圏網の交通利便など、日本全国でビジネスを展開するための拠点として最も合理的に環境の整った場所に品川がなりつつあると実感しました。ただ、駅前の開発から取り残された古い飲み屋街の一角が、いかにも経済発展を急速にとげているアジア近代化の落し物の様で、そのアンバランスな感じが‘混沌とした迷える都会’を彷彿しているように思いました。
●JR東日本のゴチャゴチャした空間と、JR東海(新幹線)のすっきりした空間が、両企業の対照的なポリシーを表わしている。デッキのネットワークも悪くない。
●品川駅を貫通する自由通路それに連続するスカイウェイネットワークの連携は評価すべきである。
●東西自由通路は解放感があっていい。JR東日本とJR東海とデザインが変わるのは面白い。
●道が細くて暗いのが大好き。
●歩行者ネットワークとしては迫力ある。通勤時は混むんでしょうね。
●(交通ネットワークについて)ふだん東京駅を利用している新幹線利用者は品川停車をうっとうしく感じるかもしれないし、使ってみると逆に本数が少ないと感じるだろう。品川停車の便利さは、千葉方面への乗り継ぎなど意外なところにあるのかもしれない。でも、私は羽田空港へ直通で行けるメリットを強調したい。今後課題としては、新幹線と京急の乗換え問題。
●東西自由通路と大規模開発のおかげで、港南口はいっぺんに「表口」になったが、高輪口方面との結びつきは逆に縁が遠くなった感じがする。品川駅前に新しい町ができた、ということだろうか。
●東西自由通路や東口の立体歩道橋、スカイウエイと再開発をされた部分は全部つながっているが、少しだけ歩いた「かつての港南口がそのまま残っている部分」は、分断されていた。
●デッキを使うのなら駅からの移動はたやすいが、空間としての一体感が弱い。
●デッキレベルで駅と周辺開発がネットワークされているのはとてもいいが、西口との関係が希薄であり、品川駅周辺の回遊性をつくるには、品川駅の線路上空を有効活用して東口と西口をもっと有機的につないだほうがいい。  
●ここに限らない話だが、境界線が露骨だった。旧い路地は個人的に好きだが、再開発によってその界隈がむき出し状態にさせられているのが納得いかない。
●NTTのオフィスビルの1Fは、店舗や飲食店を入れて、周辺へもっと配慮すべきと思った。
●単に品川駅東口に出ただけでは開発の全貌がつかみにくい。従ってネットワークもよいとは言えない気がする。
●正面広場以外の左右の地上レベルに出るには階段しかなくアクセス性が悪い。バス停も一部階段のみの場所に設置されていて利用に不便。


3◆品川駅の商業施設(アトレ品川)
評価3.27 内訳:AAAABBBBBBBBBCC
●規模はそれほど大きくはないが、特に4階は店舗が開放的で狭さを感じず、かつ一体的な雰囲気がある。
●「DEAN&DELUCA」「オイスターバー」とFromNYのコンセプトがはっきりしていて面白い。
●非日常を日常の中で感じたいと思う人々の感性を、まさしく刺激するようデザインされた魅力ある飲食店施設だと思います。
●ニューヨークのイメージコンセプトで、内装や品揃えのセンスもいい。ただ、この雰囲気がいつまで続くかが課題。
●NYをテーマに黒を基調としたコンセプトは、品川東口に合っているが、アフター5向けの立地なので、価格が安くないと長続きしないだろう。
●デザインは面白い。新幹線の待ち時間にもちょうどいい。でも飽きられやすいかも。
●品川のヤッピーをターゲットにした店舗?
●「品川?じゃアトレで待ち合わせね!」と言えるのがうれしい。
●品川駅の駅ビルとしては規模が小さいが、ニューヨークをコンセプトにハイセンスな雰囲気を醸し出している。ただし大衆受けはしないのでは。
●楽しかったし、便利そう。目新しいファストフードスタンドは気がきていると思った。でも階ごとのテーマ(ネーミング)の主旨がよくわからなかった。
●規模が小さいので、少しもの足りない気がする
●内部の店舗群は何処がニューヨークのコンセプト? せこいの一言。しかし、自由通路が建物の下を貫通し、立体複合機能を維持している点は評価できます。
●地元が利用するには高級すぎ、わざわざ訪れるには規模が小さく中途半端な感じ。もうひとつ商業施設が加わると併せ技で魅力が高まるのだが。
●品川駅と巨大ビル群の間を埋めているような存在で、商業的には一番いい場所かもしれない。あとは施設の中身、焼酎専門(ビールもあるが)の飲み屋があったりして、今後の集客力がどの程度か、興味ある。


4◆グランドコモンズ
評価2.87 内訳:AAAABBBBBBCCCCC
●それぞれの開発業者が独立した部分と共通の部分を併せ持つことで、それぞれの個性を持ちながら大規模に空間を統一させて街をつくりだしてしまうことはすばらしいと思いました。郊外の街造りでも是非取り入れてもらいたい手法です。(景観を混沌とさせるミニ開発は断固反対!)
●5棟の超高層ビル(と住宅2棟)のデザインは統一されていないし、さして美しくもない(向い側のインターシティは統一されて非常に美しい!)が、2階レベルの駅から続く幅広い歩行者デッキで一直線に貫き、低層部の商業施設は一括運用するなど、セントラルガーデンと合わせて、空間構成の基本ルールを共有した効果が出ており、まさに「グランドコモンズ」の名にふさわしい。
●公園を挟んで向かいの「品川インターシティ」と建物の特徴は異なるが何故か調和しており、都会的で清々しい景観を創出している。
●都心では貴重な緑空間で子供達をはじめ良く利用されていた。細長い土地をうまく活用した良いアイディアである。
●流線形をもちいたデザインが美しい。
●インタ−シティと外観の比較が出来て面白い。
●グランドコモンズの完成によってインターシティが映えるようになった。
●周囲との結びつきや、緑地の確保などは優れているが、各ビル群の相互関係はあまり感じられず、低層階の商業施設も「界隈性」が感じられず、少し寂しい感じだ。
●水平移動は問題ないが、垂直方向の移動がすんなりいかない。
●5年前にインターシティのスカイウエイを歩いた時には、この姿を想像することさえ困難だった。分譲タワーマンションは今一つぱっとしない。
●インターシティの緩やかな曲線に対し、対面の直線通路は、西新宿の導線を思い起こさせられた。(=コンセプトがふるい感じがした)
●建て詰まりすぎ、公園側からは、まだしも、西側のプリンスH側からは大きな壁。
●計画的開発であるにも関わらず、全体としてバラバラな印象を受ける。壁面線が揃っていないために、高さやフロアレベルを揃えているのが、近くからではよく分からないのである。デザインガイドラインのつくり方をもっと考えるべきだ。
●超高層オフィス・マンションを区画整理した成形の敷地に一列に並べ、スカイウェイで繋いだだけで、街並みもビルのデザインも魅力を感じない。


5◆品川セントラルガーデン
評価4.14 内訳:AAAAAAAABBBBBB-
●大きな開発エリアの中央に細長い広場があることで、空間の見通しや開放感を与えている。例えば全体を道路で区切って数ブロックに分け、それぞれにビルと広場を創った場合に比べてはるかにバロック的な訴求性の高い空間が現出している。インターシティやグランドコモンズの長い長いデッキを歩いたり、お互いに反対側を眺めたりするのも楽しい。
●品川駅東口開発の最大の長所ではないかと思う。オフィス街にはこのような空間が必要。計画段階で単純に道路にしてしまいそうなビルの谷間の空間を、公園としたことは素晴らしい。ほかの地域でも(既成市街地でも)オフィス街や商店街など、まちの真ん中に公園をつくることを都市再生のスタイルとして定着させたい。
●中央にこれだけまとまった緑のオープンスペースをとったことで、この街の価値は非常に高まっていると思う。
●この位置にこれだけのオープンスペースをまとめたのは、上出来だろう。区画整理で基盤を整備した甲斐があったというべきか。
●開発全体の公開空地をまとめたことは評価できる。
●都会のオアシス。ビジネスマンにとって、昼休みの日比谷公園の機能が品川にも登場した感じがした。ただ、品川の新しい建物の至る所で窓掃除の姿を見かけ、公園も含めて今後の維持管理が大変だろう。
●イベント広場的な空間作りをあえてせず、森のようなつくり。管理が大変そうだが、それだけの価値はある。
●都会のオアシスと言う感じ。緑が広大に続いている様子が、ビジネス街にありながら精神的に解放される場所だと思います。
●駅前にこれだけの緑、高木、人工的とはいえ、なごみます。スカイウエイからこちらを眺めても落ち着く。子供を遊ばせることもできるので、すっかり気に入った。
●芝生の上に池やベンチや滑り台があっていい。
●7つのフォリ−を体感しながら歩くと面白い。超高層ビルに挟まれた空間だが自然の潤いを感じさせてくれる。
●両側のビル群を眺めつつ、適度な密度に植樹された開放的な公園を400mもそぞろ歩けるとは楽しい。
●1〜3階を全く1体に整備して統一感がある。ショールームや飲食店などが並ぶので奥まで行くにも距離のわりには飽きないで歩ける。
●ビルがよせ集まったという印象は否めない。横のビルとのつながりはあまり感じられなかった。



■川崎周辺の新たな開発---------------------------------------------------
6◆川崎駅周辺の開発
評価3.14 内訳:AABBBBBBBBBBBC-
●駅裏だった西口において、再開発や住宅開発を計画的に行ったことで、駅周辺の街としての広がりが出てきている。新規の開発地区だけでなく、既存商店街も非常に賑わっているのが印象的。
●数多くの大規模開発が林立しており、駅前の拠点性を高めている。その中で、既存商店街に小規模な建物を連鎖したラ・チッタデッラ界隈は、ヒューマンスケールの楽しい雰囲気で異彩を放っている。
●東口駅前はバスターミナルになっていて、その周辺が開発されているが、駅から続く地下街や商店街、アーケードも活気があり、再開発に負けていないところがいい。
●川崎のイメージが変わりつつある。でも、最近までほとんど知らなかった。足を運んだことがない川崎市民も多いはず。情報発信・イメージ戦略が必要ではないか。
●2000年頃から続いた開発の波が位置が一段落し、新しい顔がいくつかできてきたが、西口の住市総事業は後半部の事業化が足踏み状態だし、肝心の東芝跡地もまだまだこれからだ。来街者にヤングが増えているようだが、さらに魅力ある施設の積み重ねをしていかないと、飽きられてしまうだろう。
●再開発、大規模跡地開発、既存の商店街の再生の努力、ラ・チッタデッラのような低容積型再開発が混在し魅力のある街になりつつある。まだ発展段階だと思いました。
●新しいものと古い(=汚い)ものとが混在し、過度期の極致という感じ.
●街が大きくなっているという感じがしました。
●住居棟へのつながるデッキがスムーズでよい。
●東口は街区単位の再開発が進み、西口はようやく工場跡地の開発が進んできた。西口は東口との機能分担が明確となるよう開発を進めてほしい。
●今後の益々の開発を期待したい。
●あちらこちらに再開発の波が押し寄せ新しく生まれかわっているという活気は感じられますが、街の中での景観に統一感の感じられない開発があちらこちらという感じで,なんとなく‘アジアっぽい’。
●大規模店舗がいろいろとあり、便利そうだが、若いおしゃれな女性が好みそうな店は少ない。


7◆ミューザ川崎
評価2.87 内訳:AABBBBBBBBBBCCC
●建物デザインはデコラティブで好みではありませんが、駅と施設、背後の超高層住宅地を連結するスカイウェイネットワークは良いと思いました。また、シンホニックホールを整備したことは文化都市としての新たな要素を付加したことになり川崎駅前の将来的価値を高めたと思います。
●シンボリックな外観デザイン、ガレリアの空間、駅からのアプローチなど、再開発ビルとしては良くできている。
●特徴的な外観、美しいアトリウム、充実したホール、工夫された資金計画など、21世紀の再開発の優等生と言える事業。駅からの立派なデッキが殺風景で工夫がほしい。
●立派なクラッシックホ−ルと昔の面影を残す飲み屋横丁(名前忘れた)が同一の建物内にあるアンバランスさが川崎らしくて面白かった。ホ−ル内を内覧できなかったのは残念!
●一見条件の悪そうなところに従前からある飲食店が並ぶ。開発前からの生活の継続という点で見れば、これもあり。
●駅からのアクセスのよいシンフォニーホールは便利。店舗の魅力は薄い
●エントランスフロアのテナントが「(コンサートホールに来たはずなのに)ここはどこ?」と思わせる関係のないものだった。建物の中は広々として居心地いいが、窓からの景色がマンション街に埋もれた感じで、日常と非日常の交錯した違和感が残る。それが川崎らしいのかもしれない(上野とは明らかに違う!)、だとしたら、今後開催されるコンサート自体が普段の延長で気軽に楽しめる新しい形であってほしい。
●一度はホールで、音楽を聴いてみたい。ホール横のガラス窓から、マンションが見えるのは、ちょっと興ざめだ。
●ペデストリアンデッキと駅前広場の関係が中途半端な感じがする。シンフォニーホールには期待。
●実際見ていないのでわからないが、写真からは正面奥が5層になっていて深すぎる感じがある。東京でホールが乱立し横浜にみなとみらいホールがある中で、どれだけの企画で魅力あるコンサートを運営するかに注目したい。
●施設内に人が少ないように感じました。
●初台にあるオペラシティと比べてしまうと、ちょっと寂しい。
●再開発によるビルとしては、オフィス部分も低層部の店舗部分も、中途半端。最大の問題は「ワインヤード形式」の大ホールがどの程度、継続的に客を集められるか?
●外見は少々こけおどし的だが悪くない。レンガ倉庫や旧市街の面影の残し方が浅はかで、建物全体の構造も分りにくく、商業的に成功するかどうかは疑問。


8◆ラ・チッタデッラ
評価4.60 内訳:AAAAAAAAAAAAABC
●街の中にテーマパークを持ってきたイメージ。公道を取り込んだ広場、周辺の建物まで含めてデザインしている街並み、個性的な店舗など、極めてレベルの高い開発。
●まさにテーマパークのような一角。道路を挟んで小さな建物が並び、迷路状の坂道を登っていく空間構成が面白い。路上のカフェやストリートファニチュアなども楽しい。周りの商店街や飲み屋街の(きたない)建物との調和も考えて創っているのがすごい!
●知らない間にテーマパークに迷い込んだような錯覚をする連続性がよかった。円形野外劇場も手ごろな大きさがよく、子どもたちが素直に釘付けになっていた。パブリックスペースがふんだんに楽しめる形でデザインされている点がよかった。
●個々の建物にはそれほどお金がかかっていないと思うけれど、ヒューマンスケール、街が楽しい、おもしろい、人々で賑わっている。既成市街地の再開発・共同化のこれからのあり方の一つだと思いました。
●一体的な敷地ではなく、道路をはさんだ通常の街区にテーマパークのような街が突如として現れ驚いた。中央の道路を歩行者専用としているのがヨーロッパの街のようで非常に良い。
●やや手前味噌だが、行政の制約(道路管理、建築指導など)をくぐり抜けて、よくあそこまでたどり着いた。ジョン・ジャーディの作品としても、楽しめる建物になった。イベントの演出など次々に工夫しているようで、その努力に期待したい。
●道路をはさんで、回遊できる商業施設というのは、画期的だと思った。他の既存の市街地でも展開できる気がする。道路上の手すりが高くて、下がよく見えなかったのは残念だった。
●公と私の融合、路地性の魅力、都市の様相を取り込んだデザインよかったです。
●既成市街地の再開発で、このような街がつくれることに驚いた。
●いっぱい店があって楽しい。だんだん上がっていくようになっているからおもしろい。
●イタリアの街角に迷い込んだような気持ちになりました。建物の中に店舗があるというより、街のなかのお店という感じです。人々が自然とわくわくしながら賑わってしまうようなしかけのある施設だと思いました。
●中世イタリアの主人公気分ですり鉢状のスロ−プに沿ってクルクル歩いてまわれるのは楽しかった。
●イタリアをテーマにした街並み、噴水や小さい広場がちょっと一息つけていい。映画を観なくても、一日楽しめる。1歳8ケ月の娘は走り回り、水遊びに興じていた。カラフルは子供も楽しい
●作り込みすぎてちまちました所もあるが、一定の雰囲気が保たれていて、快適。
●「ディズニーシー」を下町に押し込めた感じ。何故あえてイタリア風にしなければいけないのか、よくわからない。


■今回訪れた中で魅力的だと思われた施設・店舗など
・品川駅東西自由通路(2)★かつての品川駅港南口を知る人には、その変貌ぶりに目を見張るのではないか。東口への人の流れと開発の動機を生み出した存在として、影の主役といえるのではないか。★天井高く解放感あり昔に比べたら断然イイ!
・品川駅東口の雑居ビル街・飲屋街・路地(3)★現代的なオフィス街に囲まれて、異界のような細道が迷路状に廻っており、まるで時の忘れ物のような一角。★ピカピカの品川の駅前に残る暖かい空間。★かつての品川東口のイメージが色濃く残っていて、きれい過ぎる街に個性を与えている。
・アトレ品川(5)★今までの東口にはなかったオシャレなエリアになって品川東口も使えるから。★東口に面したおしゃれなキオスク風の売店は、店の内装と販売員の服装がおしゃれで良かった。★4階の店舗は仕切る壁が少なく、ロビーのように開放的。★DEAN&DELUCA:おしゃれで使い勝手がよさそうなキッチンツールに惹かれた。★「鎌倉 源吉兆庵」(アトレ品川):その月に生まれた文化著名人にちなんだ・和菓子を販売するというのがユニーク。ちなみに6月は小泉八雲。
・東海道新幹線品川新駅(3)★実際の効果(客の出入りの増大)よりも、駅ができたことのイメージ効果が大きいのではないか。★日本の主要国土軸に直結することにより、品川駅の利便性と拠点性を一気にアップさせた。デザインもすっきりして爽快。★「品川新駅の新幹線プラットホーム」:発着の電光掲示板の文字が丸ゴシックで、かつバックの黒との色彩バランスの良さのせいか、従来のものより見やすく美しかった。
・インターシティの庇★ひさしが和風建築を思わせるデザインで美しく、曲線も綺麗。巨大な建物の中に日本的な和のエッセンスを感じた。照っても降っても居心地がいいデザインだと思う。
・グランドコモンズとインターシティの歩行者ネットワーク(2)★公園を挟んで開放性のある歩行者ネットワークは他に例を見ない。★視線が立体的に広がるので空間を舞っているような心地よさがある。
・品川セントラルガーデン(3)★広大な公園の緑があるおかげで、抑圧感の生まれやすいビジネス街なのに、ゆとりとやすらぎの空気が漂っているように感じられました。★公開空地のわずかな緑とは違う都心部では貴重なまとまった緑の空間である。★DEAN&DELUCAのデリをテイクアウトして、緑の中でランチをしたい。
・ストリングスホテル★エレベーターで高層階まで昇ると、巨大な吹き抜けのロビーがある。隠れ家めいた造りが都会的。
・川崎駅東口駅前★これまでの工業都市川崎のイメージから、駅前に商業施設が集積し、多くの人が集まっている光景に驚いた。駅前はどのような開発手法をとろうとも魅力的な商業施設の立地が望ましいことを実感した。
・ミューザ川崎(2)★川崎に本格的な文化拠点を確立した★東京交響楽団のフランチャイズということもあり、今まで川崎に行ったことのなかった人が、ここへ行くことではじめて川崎の街を知るというようなこともあるだろう。いずれにしても川崎に今までなかった新たな文化的施設であり、川崎の負のイメージを変える集客施設になることを期待する。
・ミューザ川崎のエントランスから上がる階段、通路★これから始まるコンサートへわくわくしながらのぼっていくのにふさわしい演出だと思う。
・ミューザ川崎の1階飲食店★メインの人の流れから外れるし、通路も狭いが以前と同じように経営できるのでは。
・ミューザ川崎の40番地★かつての飲み屋街を新しい再開発ビルの中でうまく再生させた。
・ラ・チッタデッラ(10)★立地性をうまく捉えた開発。★真ん中の円形広場では音楽が演奏されていて、雰囲気もよかった。広場がつくられても有効に使われていない例もよく見かけるが、ここはうまく使われていて、活気のある街になっていると思った。★テーマパークのようで、そこにいるだけで楽しい。迷路のような路地や噴水、広場、魅力的★店舗ビル’と無味乾燥な言葉では言いがたい‘有機的な街’そのものでした。★すり鉢状のスロ−プと外観の色合いが好。★視覚的に面白いし、活気がある。迷路みたいな構成も楽しい。色彩的にもわざとらしくなりきっているのがいい。入場無料のテーマパークという感じ。関東の下町がイタリアと出逢って、ここまでやるか、というノリの良さが嬉しかった。★既存の建物までも取り入れ、この場のイメージを創造している。★道路を挟んだ複数の建物が、螺旋状の通路により広場を中心とした一体的な施設と見えるところが驚きである。★チッタデッラの階段横の花屋:この位置には、こういうお店がよく似合うと思った。★「イルピノーロ」(チッタデッラ):イタリアン・レストランだが、デザートのコースがあり、甘党として大いにそそられた。
・ラ・チッタデッラの界隈★公道(既存商店街)を通行止めにしてオープンカフェを設けたり、上空にデッキが走るなど、法令上およそ困難と思われることをいくつも実現している。「テーマパーク特区」とも言えよう。
・ラ・チッタデッラのスロープ★らせん状のスロープを歩いて上っていくと、次々に空間や風景が変化し、魅力的な店舗が現れてくるのが魅力的。
・川崎駅北口再開発ビル「リバーク」★最上階が庶民的な飲み屋、という高層ビルもたまにはあってもよいのではないか。


■今回の企画に対するご意見・感想など
●かつては駅裏だったところが大規模に開発され大きく変貌しつつあるというのが、品川と川崎という2つの街の共通点であり、なかなか面白い企画だったと思います。また、村松さんの秘密兵器(ラ・チッタデッラをコーディネートしてくれたご子息)には驚きました。コーディネーターの皆さん、ありがとうございました。(栗原) 
●都市再生もここまで活発化すれば、競争の時代である。いかにして魅力的な空間を創り、時代に先んじた機能を提供するか。今回はその多彩な事例を体験することができた。しかし、最新の超高層ビル開発よりも、猥雑な雑居ビル街やラ・チッタデッラの方に魅力を感じるのは一体なぜであろうか?? 井手さん、溝辺さん、村松さん(息子さんも)、ありがとうございました。(大竹)
●「2003年問題と都市再生を考える」自由研究に4回参加して、丸ビル、汐留、六本木ヒルズ、さいたま新都心などを歩きました。ピカピカのビルや大賑わいの施設を見ると、いかにも、都市再生の理想的な姿が実現されているように感じました。しかし、時間が経過しても魅力的な街でありつづけるのか、疑問に感じたところもありました。東日本橋など、一般的には問題を抱えている地区とされている場所の方が、かえって歴史や独特の雰囲気が感じられて、魅力的と思うところもありました。その意味では、ラ・チッタデッラは、川崎の街の雰囲気を生かしながら都市再生を実現していて、他の地区と違う魅力を感じました。どのような都市再生が正解なのかは、時間が経ってみないとわからないのかもしれませんが、いろんな地区を見て「都市再生を考える」いい機会になりました。ありがとうございました。(青木(伊))
●品川が平日の街であるのに対して、川崎は休日の街だったように感じる点で、今回の見解はフェアではないかもしれないが、品川はハードのみだったが、川崎ではソフト=人の動きを含めて普段の様子をうかがえたことがよかった。街とは本来人の動きを含めて語るものだとあらためて感じた。
番外だが、チッタデッラからダイス方面へ抜ける途中の川崎の旧い商店街がすごくにぎわっているのには驚いた。人の感じも大阪のミナミを思わせる庶民の町・川崎。今回は2003年問題というテーマだけれど、ここにはいろんな外物を作っても、この街の人に集う気持ちがある限り、活気は続き安泰だと思った。(青木(理))
●これまで駅裏として、立地が良いにもかかわらず有効利用されてこなかった土地の開発がここに来て実現されてきている。駅前は魅力的な商業施設が立地し、その外側に業務機能と住宅が複合した一つの都心居住の型が見えてきたようである。(谷貝)
●再開発は一長一短あるようですが、子孫の代にまで残し誇れる街を作り上げるということは、現役世代の社会的責任のように思います。その意味でも大規模な面開発はとても功績が大きいと思います。環境を損ね景観配慮のないミニ開発はもう少し規制をかけてもよいのではと思ってしまいます。(庄山)
●村松さんの息子さんのご案内がとても良かったです。誇りをもってお仕事されている様子がこちらにも伝わり、ラ・チッタデッラへの評価が高まりました。ありがとうございました。(水谷)
●参考になり楽しかったです。ありがとうございました(佐藤)
●降りるついでのなかった川崎はともかく、品川でさえも、あれほど私の知らない町だったのかとショックだった。せっかく東京に住んでいるのだから、今後も様々な再開発を見ていきたい。(平井)
●楽しかったです。娘(1歳8ケ月)を連れて参加したテクテクでは、初めて踏破できました。EVを探して頂いたり、ありがとうございました。(脇野)


コーディネーターチームから:
●品川の東口を降りグランドコモンズの開発を見ると、とても魅力的な緑の空間が拡がっているのですが、西口方面から見ると高さ145m長さ400mの大きな壁にしか見えない。都市の景観といった意味から考えても、もう少し建物のレイアウト等に工夫があってもいいように思いました。一方、川崎駅周辺は、様々な商業空間の融合がうまくいっているようで(計画的に?)、既存の商店街、新しくできたラ・チッタデッラ等一体になって魅力的な賑わい空間が展開されていました。数年後また歩くのが楽しみです。品川のコーディネータ−を急きょ引き受けてくれた溝辺正浩さん、川崎のコーディネータ−を担当頂いた村松紀明さん、村松健太郎さんありがとうございました。(井手)
●今なお倍々ゲームのようにオフィスを供給し続ける都心の再開発と、快適な生活環境をも目指す川崎の再開発の対照が面白かった。どうもありがとうございました。(溝辺)
●川崎には数年前に一度、来ていただいたところですが、それからの変貌ぶりは、案内する方も感心するほどの変化でした。あと5年で、またどうなるんだろうか?(村松)

グランドコモンズの歩廊と樹木で覆われたセントラルガーデン
ラ・チッタデッラでの集合写真
ミューザ川崎
ラ・チッタデッラ

 


TEKU−TEKU 通信へ戻る

TEKU-TEKU HOME PAGE