自由研究35・36■岐阜企画2004.10の記録


teku-teku自由研究35・36


★teku-teku東海企画5+6「岐阜(美濃・飛騨)の小都市を訪ねて」の記録

    
自由研究35◆水が育てた風景=美濃の小都市/郡上八幡+美濃


日 時●2004.10.10(日) 11:40〜19:20
コース●
郡上八幡:
城下町プラザ<昼食>〜職人町〜郡上八幡博覧館〜柳町〜流響の里〜宗祇水〜楽藝館〜八幡旧庁舎記念館〜いがわの小径〜渡邊染物店〜さんぷる工房〜やなか 水のこみち〜井戸端こみち〜日吉町−(バス)−郡上八幡駅
美 濃:梅山駅〜旧今井家住宅(美濃史料館)〜美濃町伝建地区<夕食>〜美濃和紙あかり アート展〜和紙ギャラリー〜豆腐喫茶・豆木〜典籍(日進堂書店)〜そば切り桃李 +創作工房AC-craft〜紙遊(和紙+cafe)〜梅山駅

自由研究36◆匠が支えた風土=飛騨の小都市/高山+飛騨古川


日 時●2004.10.11(月・祝) 9:00〜16:00
コース●
高 山:宮川朝市〜江名古川遊歩道〜吉島家住宅(立体格子)〜下二之町伝建地区〜上三之町 伝建地区〜高山市政記念館〜高山陣屋−(TAXI)−高山駅
飛騨古川:飛騨古川駅〜西陽軒<昼食>〜まつり会館+飛騨の匠文化館〜瀬戸川白壁土蔵街 〜布木紙(切り紙ギャラリー)〜三嶋屋(和蝋燭)〜蒲酒造場〜渡辺酒造店〜アートインふれあい館(早船ちよ記念館)〜壱之町珈琲店<オプション>〜飛騨古川駅

参加者●11名
    鎌原史英、栗原 徹、千川 明、萩原晶子、古里 実、松野栄明、矢口晴美、山中洋子、釜谷智弘(美濃のみ)、長尾彰洋(高山・古川のみ)、◎大竹 亮(コーディネイター)


[参加者の意見]


1■水が生まれるまち・郡上八幡------------------------------------------------------
評価:4.80(内訳 AAAAAAAAAB)
評価A●吉田川を中心として、周囲を山に囲まれた落ち着いた街並み。国道が街の中心部に入っていないので、車が少なく安心して歩ける。
評価A●古い街並みの通りの向こうにいつも山並みが望める街のコンパクトな大きさを活かしている。
評価A●町の至る所に透き通った水が流れていて、水のせせらぎが聞こえる。家々のディテールがかわいい。家々の軒下にぶら下がる火の用心のバケツ、町民による俳句が外壁に掛かり、お店のレトロな看板、家々の手書きの表札や看板の文字だけでなくその言葉遣いまでがかわいい。役場にセンスの人がいるのか?
評価A●町並みというより水辺が好きです。朝は、山の香りとあいまっていいですよ!
評価A●街に入り、バスの中から最初に目にしたのが、滝のような水場。水の街という強烈な印象が残りました。
評価A●観光だけでない、観光と生活を一体化した街づくりが感じられた。
評価B●山に囲まれ、川が流れ、水が湧きだすコンパクトな町。路地や水路に生活感があふれている。

◆郡上八幡で最も気に入った場所
柳町、職人町の街並み★★★★★暮らしと水の流れが自然に調和し、住宅のデザインも洗練されている。/それほど観光化されていない街並み。/雨に濡れ、しっとりしてお寺周辺が一際美しかった。/町のところどころに、きれいな湧水を飲めるかわいい水飲み場スポットがあるのがうれしい。/湧水がおいしい。
いがわの小径★★★★★狭い水路だがとてもいい雰囲気。/水路とそこにつながる路地に味わいあり。/街の表も裏も、水と生活が一体化している。柳町あたりも良かった。/生活と密着した感じがいい。
宗祇水★★★湧き出す水と小駄良川の流れのある風景が印象的。/宗祇水に至る石畳の小道の風景が良い。川に流れ込むまでに槽が分かれて水の使われ方がわかる。すぐ降りられる川辺に鳥がいて自然を感じられる。/「みんなが使うので、水に手を入れないで・・」という主旨の注意書きが泣かせる。
やなか水のこみち★★石畳と柳の木と白壁がいい雰囲気。/街角を曲がるとこういう路地が!
郡上八幡博覧館★★郡上おどりの歴史を分かりやすく学べた。/おざなりでない、やる気を感じる工夫にあふれた博物館。
渡辺藍染店★★たくさんの壺が埋められていたのが面白い。/さすがに本藍染めは高い!価値ある職人の工房を見せていただき感激。
さんぷる工房★★一見ミスマッチだが、楽しくもの作りの現場を見せ体験できるのは、町なかに活気を与えている。/サンプル作りを体験してみたかった。
八幡旧庁舎記念館★昔の役所の建物を有効に活用。吉田川に沿って広場に面して美しい。
城下町プラザ★いかにも出発地というわくわくした雰囲気がある。
小駄良川★宗祇水の対岸の建物が連続する風景がいい。
吉田川★この川の存在感あっての水の街。大きな軸。


◆郡上八幡らしさとは何か?それを伸ばすにはどうすればよいか?
●吉田川、小駄良川から小さな水路まで、様々な形での水の流れがこの街を印象付けており、水をできる限り活かすことが郡上八幡の個性になると思う。
●水路を今の暮らしに活かすとともに、古い街並みの建て方の作法も今の住まいづくりに活かし続けてほしい。
●街づくりと生活が、水を媒介にして一体化している。現在の街づくりの方向性は正しいと思う。
●湧水の街。
●水ですかね。
●やはり水。また家々の看板や名札など工夫に満ちているので、その努力を続けてほしい。観光地としては少々インパクトが弱いような気がしたので、水をモチーフにしたイベントや物産になどがさらにあるとよいのかも。
●雨のためか、あまり観光客の姿が見えず、それがかえって良かった。水の美しさは際だっており、水の流れの美しさを維持するため住民の日常生活上の配慮が欠かせないと同時に、観光客にも環境美化への協力を求める必要があるのではないかと思う。
●山に囲まれ、水が豊かに流れ、職人技が伝わる町である。自然や伝統と、産業や生活のかかわりを大切にし、コンパクトながら美しく歩きやすいまちづくりを進めてもらいたい。
●博覧館に郡上おどりの歴代ポスターが貼ってあったが、みんなとても素晴らしいのに驚いた。デザインをとても大切にしている街なのだと思った。街並みが美しいのも、古いもの、伝統を守っているだけでなく、デザイン感覚に優れているからだと思う。その姿勢を持ち続けていることが郡上八幡らしさであり、これからも伸びていけるのではないか。


2■和紙とうだつのまち・美濃--------------------------------------------------------
評価:4.20(内訳 AAAAAABBBB
評価A●歴史的な街並みだけでなく、あかりアート展というソフトも含めたまちづくりが実践されており、非常に面白い街になっている。
評価A●うだつをシンボルにした古い街並みが良く残っている。
評価A●うだつの町並みや豪壮な商家を、和紙あかりアート展というイベントが最上に引き立てている。
町家でのミニコンサート、モダンな和紙ギャラリーや紙遊cafe、旧家奥の工房など、古い町に新しいセンスが光る。
評価A●「美濃の和紙」は、街づくりの強力なツールになりそう。格子から漏れる明かりは誠に幻想的。
評価A●あかりアート展で人が多いとはいえ、街並みの落ち着いた雰囲気は十分感じられた。普段の街を歩いてみたい。
評価A●まだ観光地化していない感じ、町の人のホスピタリティが感じられていい。
評価B●町並みが揃っているのに感心した。発展途上のようなので、これからが楽しみだ。
評価B●チラシをイメージしていましたが人が多すぎて…まばらであったらさぞかし優美でしょうに…。


◆美濃で最も気に入った場所
美濃和紙あかりアート展★★★★★美濃和紙を使った灯りが家並みにマッチした素敵な催し。何百もある作品がみなそれぞれ違っていて、単純なものも凝ったものもそれぞれ楽しめる展覧会。/東京からわざわざ行った甲斐があった。もっとじっくり見たかった。また、機会があればぜひ見に行きたいイベント。/ぼ〜っとなりながら歩きました。体に直接響く感じに打たれました。/作品の数がとてもも多いのに驚いた。/とても美しく幻想的、ただし人が多すぎる。
伝建地区・和紙あかりアート展★★子どもの微笑ましい作品から洗練されたものまで、街並みと楽しめるのはとても良い。/手漉き和紙の実演や旧家でのミニコンサートなどが彩りを添えている。
伝建地区・うだつの町並み★★★これだけの広さと繋がりで古い街並みが残っていることにびっくり。/うだつの連続する街並みは壮観。/うだつがとても立派。
旧今井家住宅★★★★美濃の町家がよくわかったし、イベントにも活用されうまく機能している。/広さと造作にびっくり。豊かな町だったんですね。/水琴窟の音が素晴らしくきれい。奥のこじんまりした庭がいい。/これまで体験した水琴窟のなかで、もっとも美しい音色でした(カセットテープの音は不要)。
豆腐喫茶・豆木★★L字型の通り抜けが面白い。/突然店を通り抜けたのでびっくり面白かった。バウムクーヘンの試食がデザートになった。
和紙ギャラリー★★紙製品やリサイクル材でできたモダンな建物が、伝建地区に違和感無くフィットしている。/障子のミニチュアがユニーク。
紙遊(和紙+cafe) ★★旧家の倉庫に多彩な和紙製品をところ狭しと並べ、奥にはギャラリーやcafeまであるくつろぎ空間。/思わず見入ってしまう紙の美しさを堪能した。
旧家奥の工房(AC-craft)★古い町並みの旧家(そば切り桃李)の奥にモダンなデザイン工房が。アートを契機にこの町に若い人が戻っているのが実感できる。
長良川鉄道・梅山駅★ひなびた無人駅が好き。
山水本店★初めて蕎麦の大盛りを食べた。


◆美濃和紙あかりアート展の効果を広げるにはどうすればよいか?
●単なるイベントに終わらせるのではなく、良い作品をもとに商品を開発するなど、産業に結びつけることが重要だと思う。
●和紙や灯りのある暮らしをさりげなく見せ、提案できるような空間があると良い。アート展は街のスケールを超えない賑わいとして、日常に和紙や灯りが広がると良い。実際、使いたいと思うことは多いので。
●和紙のお店や工房、ギャラリー、凝ったカフェなどが増えつつあるので、できる所から旧家をお借りして、あかりアート作品の常設展示や、当日のような手漉き和紙実演やミニコンサートなどを始めれば面白いのでは。
●あかりアート展のかたちは今のままで十分魅力的と思えた。たとえばアート展で賞をとったあかりを商品化して日常にあかりアートを持ち込める機会をつくる?どこか数件の家の中も暗くして室内の中でもあかりを楽しめるようにしてはどうだろう?
●小さなコンサートやイベントが定期的に開催してると良いですね。あかりアートの常設展示もやれないでしょうか。
●人が多すぎます。長期に開催して分散すれば。
●全国各地で展覧会を開く。
●ちょっとわかりませんが、有名人を審査員に迎える(う〜ん…)。小学校の図画工作の教科書にとりあげてもらえるといいかも。
●あの地理的条件であれだけの集客は大成功だと思う。東京では知られてないが、東海・中部地方ではかなり認知されてきているのでは。10回以上開催されているので、マンネリ(基本的)な部分を大切にし、毎回ちょっとずつ工夫をしていけばいいのではないかと思う。
●こんなのはどうでしょうか?
ステップ1:どこかの町家を美術館にして、入選作の常設展示を行うともに「あかりアート」を販売する。/ステップ2:空家になった町家を市で借り上げ、入選者等から美濃に住んでくれる協力者(アーティスト)を募る。同時に工房を立ち上げ、販売にも協力してもらう。/ステップ3:「美濃のあかり」が全国に浸透した段階で、地元のベンチャーと組んで「美濃のあかり」の製作、販売、流通を行う会社を設立。上記協力者がデザイナー。/ステップ4:流通が軌道に乗った段階で、商社と組んで「美濃のあかり」ブランドを海外に売り込む。


3■天領高山・三町地区の賑わい------------------------------------------------------
評価:4.00(内訳 AAAAABBBBB)
評価A●平野を遠く離れた山奥に孤立し、厳しい自然条件下で天領の栄華を誇った歴史をしのばせる。やや観光化されすぎているようだが、飛騨の匠による豪壮な旧家、戦後まで使われた江戸時代の陣屋、統一された町家の連なりなど、本格的な資源が活きている。
評価A●手前は現役の商店街、川向こうに古い町並みが見えていい。朝市が立ったり活気があり、町の大きさも美濃や群上八幡よりずっと大きく見応えがある。町を歩き切れていないので、きっとお土産屋さんが建ち並ぶメインストリート以外にも、魅力的な道がたくさんあったのだろう。
評価A●お土産物やがぎっしり並んだ中心の古い街並みよりも、その周辺が良い。
評価A●昼間より夕暮れ時や夜の人がいない時が好きです。
評価B●上三之町は観光地になりすぎていてちょっとうんざりだが、観光客が少ない周辺の街並みはなかなかいい。
評価B●ここでなくても、と思わせる派手な土産物屋などは、街並みを薄っぺらにしていてとても残念。
評価B●一番観光化されており、土産物店・飲食店とも魅力が多い。
評価B●あまりにもおみやげ屋が多すぎ。
評価B●観光客多すぎ。もっと落ち着いて歩きたかった(単なるわがままです)。


◆高山で、あなたが最も気に入った場所
吉島家住宅★★★★★★★★★土間の高い吹き抜けと、高窓からの光が印象的だった。/吹き抜けの梁と束と光の構成美。/天窓から入る日差しと障子を通したうすら明かり。/土間の吹き抜け、立体格子、中庭などため息が出るほど素晴らしい。モダンな赤い壁の台所やギャラリーが、もともとの建物を傷めずに共存しているインテリアがまた素敵。/建物の素晴らしさは勿論のこと、その良さにプラスされた機能(キッチンや休憩スペース)のしつらえがとても良い。/伝統的建築に新しいデザインを加えた魅力的空間。/一言「すばらしい」。篠田桃紅のプチ展覧会もぴったりだった。/モダンジャズやアートとのコラボレートには意表をつかれました。
高山陣屋★★★★★★★★巨大な蔵を廻るうちに高山の歴史がわかるのがいい。/高山の歴史と土地柄が感じられた。/飛騨の歴史が学べるし、広い庭園も良い。/蔵の大きさに驚いた。/こんな役所で仕事をしてみるのもいいかも。/自分の職場と重ね合わせて、ここがわが社でいうところの給湯室か、蔵は書庫か、などと考えながら巡ると昔の建物という感じがしなかった(さすがにわが社には拷問部屋はありませんが)。/職住隣接の建物の作りが面白かった。民事裁判をする場所などは時代劇に出てくるような空間で興味深かった。御蔵の屋根や広い庭園も見応えがあった。
宮川朝市★★★★白いテントが連なる独特の景観と賑わいがいい。/川沿いに朝市、ゆっくり見て歩きたかった。/地場産の食材などが多く、飛騨地方の生活に少し触れられたようだ。/椎名誠のエッセイで読んで以来、ずっと行きたかった。
下二之町の町並み★★観光のメインストリートからはずれているが、ゆっくりと町並みを堪能できた。/落ち着いた骨董屋やギャラリーなどが点在し、町並み整備も自然体で安心できる。


◆高山が飛騨地域の中心都市として自立していく方策は何が考えられるか?
●基本的には観光で生きるしかないと思われるので、上三之町がテーマパーク化するのも止むを得ないが、周辺の街の資源を活用して本物志向の街にするといい。
●よく分かっていませんが、朝市をもっと大きくして地域物産の集結、観光もショートステイして地盤産業を学ぶ(体験)というようなことはどうでしょう。
●飛騨地方の最大の観光地で、東京からだと憧れの地域の一つだと思う。地域的に集客の許容量は限られると思うので、年間を通じていつ行っても満足できる仕掛けがあればいいと思う。
●商店街も栄えているように見えたし、飛騨地域の中心都市として自立しているように見えたのですが。観光地として人を引きつける魅力を持ち続けるよう観光に力を入れる。
●観光で生きていくしかない。
●良い知恵もありません。「飛騨の匠」の工業化は、地理的条件と競争相手の問題で結構難しそう。周辺観光地の開拓、宿泊客への対応(「夜、浴衣で歩ける町」のようなコンセプト)の様な観光拠点としての整備や対応が重要なのかもしれません。
●観光も大事だろうが、圏域中心都市としてはそれだけでは弱い。職人大学が予定されていたように、飛騨の匠の伝統や、自然環境と暮らす元祖スローライフなどによる情報発信、そして交流コンベンション機能の充実が求められる。
●参考に、中部整備局では「まちづくり・すまいづくり」相談窓口を設置しています。
  http://www.cbr.mlit.go.jp/kensei/machi_tukuri/index.html


4■匠の技と心のまち飛騨古川--------------------------------------------------------
評価:4.60(内訳 AAAAAAAABB)

評価A●美しい街並みが続く雰囲気のある街であり、高山のように観光地化していないので、落ち着いて街を楽しめる。
評価A●水の流れと整った美しい町並みでコンパクトにまとまり、落ち着いている。
評価A●瀬戸川沿いの街並みが良い。
評価A●予想以上に小さな街で驚きました。
評価A●小さい町ながら、自分たちの暮らし方をしっかり保っており、それが職人仕事や町並みに表れている。ゆったりと流れる時間の中で、訪れる人に対するホスピタリティが心にしみる。
評価A●高山をこじんまり、より水に親しくしたような町。店もあまり観光地観光地してなくて、布木紙や壱之町珈琲店も素敵な小物がいっぱいで良かった。町の人たちの「よく来てくれました」というホスピタリティが気持ちいい。最後に虹が出たので、より好印象。
評価A●雨の町も風情がありました。見事な虹に感激。


◆飛騨古川で最も気に入った場所
瀬戸川と白壁土蔵街★★★★★★★「さくら」で見た古川のイメージそのもの。歩道も周辺の民家も雰囲気を壊さず整備されている。/気持ちよく歩ける。/酒蔵の白壁と水路が潤いをもたらしている。/書き割りみたいに絵になる。鯉も元気に泳いでいて。/白壁ときれいな水。/とても絵になる景観。/やはり絵になります。
飛騨の匠文化館★★★★★★こんな山奥で地域の伝統技術がきちんと伝承され続け、地域の個性を活かすことができ、住民のまちへの誇りを感じる。/組木を実際に手にとって仕組みがわかる。正面入口の上に順路の渡り廊下がある造りも面白い。/組木や格子の仕組みが良くわかる。/木組み構造が解って気に入った。/匠の技、特に木組みの展示が面白い。/組木の高度な技術に脱帽。
三嶋屋(和ろうそく)★★★★使い込まれた作業場、垣間見える奥の造りも素敵そう。いちいち奥の部屋に入って会計する店の女将さんの接客態度も丁寧でいい。/「さくら」の下宿にもの凄く興味があったので、家の中を少しだけのぞくことができよかった。/思っていたよりこぢんまりしていた。/次々訪れる観光客に、精一杯対応していらしたお店の方の誠実さが印象に。
壱之町珈琲店★★★★伝統的な空間を活かし時間がゆったり流れている。/居心地の良いお店でした。/落ち着ける店でした。珈琲もおいしい。/伝統とモダンが織り交ざり、独特のセンスが素敵なひと時をもたらす。
壱之町の町並み★★住人たちの高い意識が、頑固な暮らしぶりと美しい町並みを支えている。/なぜ高山より魅力的に感じたのか?分析は難しい。
レストラン西陽軒★レトロな外観、隠れ家のような店内・・・不思議な時の忘れ物のよう。
布木紙(切り紙ギャラリー)★雨でなければ切り絵を買いたかった。
弐之町の町並み★ここにいたときにあの虹が見られた。


◆「さくら」ブームの去った後、飛騨古川の活性化にはどうすればよいか?
●近年の朝の連続ドラマの中では古川が一番印象に残っていて、高山よりも私には好感度が高い。東京を中心に考えると古川は京都・大阪よりも遠い。しかし、高山や白川郷の間に位置し、ちょっと足を伸ばして立ち寄るには好立地なのではないか。コンパクトで日帰り旅行にはぴったりなので、東海や北陸地方の人々に古川の存在を忘れられないようにアピールしていくことと、高山とは似ているけど古川にしかないものを大事にしていくことが重要だと思う。
●高山と似てしまうのですが、匠の技術を学べる環境教育産業というのはどうでしょう?
●高山に来た人が必ず足を伸ばすよう広報活動を活発にする。
●ちょっとわかりませんが、高山が京都(歴史があるが、猥雑な都会さもある、町として面白い)とすれば、古川は奈良(歴史はあるが、雰囲気は田舎)のような感じを受けた。だからどうしろ、とはいえないのですが。
●高山を団体観光の町とすれば、古川は個人や仲間とそぞろ歩くのが似つかわしいスケールだし、職人の手仕事もその方が実感できる。ゆったりした時間を味わえる町であってほしい。
●ある彫刻店の店主いわく「さくら」ブームの前は観光客もまばらで、いろいろとゆっくりお話することができたが、いまは急ぎ足でお話をする機会がなくなったと寂しがっていました。ブームも善し悪しかと思います。
●こういう場所は、「変なブームにならず、あまり活性化しなくて良いのでは」と無責任に感じてしまいます。地元の方が愛着をもっていることは、新しい家も周辺景観との調和を考えていることからも伺えます。高山の周辺都市として、「知るひとぞ知る町」として末永く愛されて欲しい。
●「さくら」を知りませんでした。伝統的なつくりの家(?雲形を見せる家)が増えているようですが、これからも現代に根付いたかたちで、普通の生活に受け継がれていって欲しい。
●ブームに乗って訪れる観光客など相手にせず、本物を求める人が訪れたくなる街を目指すべきだと思う。


■あなたが最も魅力的と思う小さな都市について
◆今回の4都市で、どの町に一番魅力を感じましたか?
郡上八幡★ほどほどに活気があり、落ち着きがある。
郡上八幡★四方の山並みと中心の水を活かしている。
郡上八幡★最も街としての奥が深い感じがした。
郡上八幡★山と水に囲まれた等身大の町。刺激は少ないが、身体感覚で把握できるのはこの程度の町かもしれない。今度は夏の暑い日に訪れたい。
群上八幡★町としては完成度は低いのかもしれないが、とにかくディテールがかわいくて住んでいる人たちの工夫が感じられた。川や湧き水、水路が至る所にあり、水が透き通っていてきれい。
郡上八幡★
美 濃★ゆっくり行ってみたいと思わせる個性的なお店があった。伝建地区以外も歩いてみたい。
高 山★なにせ住んでいますから!
飛騨古川★自然環境や伝統的な技術、景観の価値を大切にし、それを素直に現代に活かす知恵と工夫、センスの良さに敬意を表したい。
飛騨古川★地域の良さを活かそうとする住民たちの意識の高さを感じた。


◆全国の小さな都市の中で、最も好きな都市は?(今回の4都市も含めて)
三 春★私の友人が長年にわたって街づくりに関わってきている。
栃 木★単なる町並み保存でなく現代的再生を目指し、蔵の改造・活用、シンボルロードや回遊コースの整備に力を入れている。旧県庁舎や醸造所をはじめ、膨大な歴史資源が蓄積して飽きない。
川 越★どこの街でもいえることと思いますが、暮らして分かる街と人の魅力があります。
真 鶴★美のまちづくり条例による半島のまちづくり。
郡上八幡★四方の山並みと中心の水を活かしている。
飛騨古川★今回初めて訪れましたが、暮らす人の細やかさが感じられるいい街だと思いました。
飛騨古川★伝統的な町並みがコンパクトにまとまり、近くにあったら何度も行きたくなる。
伊 勢★おかげ横町やおはい町が楽しい。赤福の地域に対する貢献意識が高く、立派だと思う。
近江八幡★中心部だけでなく、琵琶湖も含む広がりが好きです。
近江八幡★地域住民による手作り感がよく伝わり、心が和む。
倉 吉★赤瓦ができて、歴史のある街に活気がでてきている
倉 敷★観光地化しすぎているきらいはありますが、個人史的に高校生の頃街づくりに興味を持つきっかけとなった所なので外せません。(以上、大変迷いましたが、改めて考えてみると水と一体化した町が私の琴線に触れるようです)
尾 道★坂道が多く、海を臨み、道の角々でいろんな風景が楽しめる。お寺の階段にずっと座って景色を見ていたくなるような町。フェリーやケーブルカーの乗り物も楽しい。安食堂のショーケースの太巻きに贅沢にアナゴが使ってあったり、海の幸に恵まれているのがいい。
鞆の浦(福山市)★海が感じられる街。
 萩 ★自転車で巡ったが、町じゅう土塀と海が見え隠れしてとても居心地のよい都市だった印象。
伊予大洲★内子と一緒に訪れたので記憶が混ざってますが、両者とも美しい川が流れる町でした。伊予大洲の方がなぜか印象深かったのでこちらに一票。
秋月(甘木市)★「桃源郷」という言葉が似合う。訪れたときには、「ここは時間の流れがちがう!」と感じました。
日 田★美しい町並み、数多い文化施設や旧家のお雛様を拝見する趣向に、町の人たちの温かい気持ちや心づかいが感じられる。
臼 杵★観光目的ではなく、市民活動の場(図書館、集会室、生涯学習センター)として町並み整備を進めている見識を評価したい。
岐阜の小都市★今回行った4都市、どれも甲乙付けがたいほど魅力的でした。どうやら私は町家の建物が好きらしく、町家が立ち並ぶ町並みはいずれも魅力的です。
吉祥寺、阿佐谷、静岡、姫路★あまり旅をしたことがないので、行動範囲が狭くて選べないのですが、こんなところです。中学まで住んでいた東京都武蔵村山市も、懐かしい東京都とは名ばかりのイナカくさい町です。


■今回の企画全体(2日間)についての意見、感想など・・・・・・・
●4都市を巡ることによって、それぞれの個性が際だって感じられ、大変良かったです。特に、美濃・古川は、背伸びをせず、自分達の生活と伝統を根っこに変わろうとしているようなところに好感が持てました。いずれも山林あっての水であり街であると思うので、訪れる者としてもそれを守る人々に敬意を払いたいと思いました。(鎌原史英)
●2日間で4つの街を巡るのはなかなかハードでしたが、どの街も非常に個性的かつ魅力的で、いつかまた訪れてみたいと思っています。2日間とも雨にたたられましたが、最後の飛騨古川で素晴しい虹が見られたのは感動。大竹さん、腰痛に耐えながらのコーディネートお疲れ様でした。(栗原 徹)
●大竹さんには、腰痛にもかかわらず、緻密なスケジュールでご案内いただき、ありがとうございました。私にとってはなじみのない美濃、飛騨の個性ある4都市を短期間に回れて、とても楽しく、かつ有意義でした。腰痛は、悪い姿勢、肥満、運動不足等が原因と言われていますから、同じ腰痛持ちの私も、できるだけ良い姿勢で今後も参加したいと思いますのでよろしくお願いします。(古里 実)
●teku-tekuへの参加は九州企画以来2度目でしたが、どの町もすばらしかった。高山の評価が他の町と比較して若干低くなりましたが、4つの町で差をつけたかったのと、お祭りで観光客だらけだったのを割引いて考えたいと思います。本企画は誠にアクシデントが多かったですが、却って思い出深きものになりそうです。大竹さん、ありがとうございました。早く腰が良くなるように祈ります。(松野栄明)
●この企画がまず行かない地区を4ヶ所も回れたので充実した2日間だったが、雨に降られとても残念だった。(千川 明)
●いつもながら大竹さんのコーディネートはハードですが面白かったです。忙しい中、準備等に大変なご苦労があったかと思います。なかなか行けない美濃・飛騨地方に行く機会が持ててよかったです。とくに美濃和紙あかりアート展は、もっとじっくり見たいイベントでした。郡上八幡も再度訪ねてみたいと感じます。ただ、なにしろ遠いです。交通費も京都に行くより高い。やっぱり気楽に行ける所ではありません。しかし、大竹さんがいなければ飛騨・美濃地方に目を向けることは無かったかもしれません。そう考えると、日本の誇る伝統的な町並みが残る都市を訪れる機会を与えてくださった大竹さんには、本当に感謝いたします。(山中洋子)
●この度の岐阜行きでは、大変お世話になりました。長年の夢だった飛騨に、こんなに楽しくユニークなかたちで訪れることができたなんて、本当に幸運でした。大勢を連れて歩くというのは、いろいろと気を遣って大変だと思いますが、わたしも思い切り甘えさせていただいてしまいました。本当にありがとうございました。お体に気をつけてお過ごしください。(萩原晶子)
●本当に久しぶりに日本の小都市を巡る旅をして、南仏で素敵な村々を訪ねたことを思い出しました。日本にも素敵な古い町並みがたくさん残っていることを実感して、とてもうれしかったです。あいにく雨にたたられましたが、軒先のある町並みでは雨宿りさえ東京と違って楽しめてしまうという。ちょうど最近麻生圭子著の「京都で町家に出会った」という本を読んで町家に惹かれていたときだったので、今回の旅で素晴らしい町家を見られ、感激しました。これから古い町並みの残る町を訪ねる旅をしたいなぁと思いました。まずは来月、川越に行けたらいいなと思っています。それから匠の技も本当に残していただきたいと。(矢口晴美)



コーディネイターより◆今回は、個性あふれる小さな都市を訪ねる企画を集大成するつもりで、全力を投じて企画しました。その結果、参加された皆さんからどの町も非常に高い評価を得て、うれしい限りです。台風、腰痛、渋滞、忘れ物、にわか雨・・・とアクシデントの連続でしたが(そのため、美濃和紙あかりアート展の時間がやや足りなくなってしまいました)、そして深夜の高山本線最終特急で移動するという強行軍でしたが、最後の飛騨古川で雨が上がって虹が出て、壱之町珈琲店で列車を待つ間は、旅の終わりの至福のひとときでしたね。遠路はるばる参加された皆さん、本当にありがとうございました。これからは、あなた自身の眼で、各地の小さな都市の魅力を探し歩いてください!(大竹 亮)

郡上八幡/柳町の旧家を転用したミニギャラリー

 

郡上八幡/生活用水が流れるいがわの小径

 

美濃/伝建地区のまちなみアート作品

 

美濃/旧今井家(美濃史料館)内部

 

高山/吉島家住宅内部(立体格子の吹き抜け)

 

高山/上三之町(伝建地区)のまちなみ

 

飛騨古川/瀬戸川沿いの白壁土蔵群

 

飛騨古川/旧家を生かした壱之町珈琲店

 

 


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