私たちの街を歩こう■日暮里・谷根千企画2004.12の記録


teku-teku私たちの街を歩こう-日暮里〜谷根千のまちといろいろな住まいを巡る


日 時●2004年12月26日(日)11:30〜17:30
コース●JR常磐線三河島駅〜三河島駅周辺〜韓国ストリート〜Iハウス(木密地区のM)〜木造密集地区〜かんかん森通り〜繊維問屋街〜変わりゆく日暮里駅前(工事中)〜谷中〜Nハウス(貴重な戦前の長屋住宅)〜千駄木〜弥生〜H&Oハウス(以前制服屋を改造したオフィス+住宅)
参加者●20名
扇丈朗、大竹 亮、小野寺仁、栗原 徹、佐藤久美子、澤田初穂、重永真理子、庄山典子、千川明、豊田 清、野中るみ子、原久子、半谷良男、平井志都葉、水谷晴子、溝辺正浩、矢口晴美、山根純一、脇野真澄、◎井手幸人(コーディネーター)

お宅訪問●西河哲也さん(谷中)、浜田忠久さん+小野田美都江さん+浜田想一さん(弥生)


[参加者の意見]

■三河島駅周辺の韓国コミュニティ地区 評価2.85(内訳:ABBBBBBBBBBCC)
・最近の韓国ブームの中で、韓国のコミュニティ地区があることをまったく知りませんでした。「もんじゃ焼きなら月島」のように「韓国焼肉なら三河島」とインプットされるような上手い宣伝がなされれば良いのにと思いました。
・日本語より、韓国語のほうが生活しやすいコミュニティ地区で、混在して住むこととは何かを学べます。
・ニューカマーの大久保近辺に住む者としては興味深かったが、私が歩いた付近ではお店があまり開いていなかったので、朝鮮半島の人が多そうだということしかわからなかった。
・日本の韓国という感じだが、大久保あたりとはちょっと違う雰囲気。地味だがしっかりしたコミュニティを感じる。
・大久保のコリアンタウンと比較して、住んでいる人のためのコミュニティを感じられた。外から見ただけだが、焼肉屋、キムチをはじめとした食材屋は、魅力的だった。
・大久保よりも街全体が落ち着いているところがよい。おいしい店を発見できそうだ。
・他の街では、雑居ビルのテナントが多いのですが、土地に根ざした歴史を感じさせます。スナック「冬のソナタ」は新しそうですが…
・生活しやすそうです。
・大久保や上野のような商店街を想像していたが普通の町並みだったのがちょっと意外だった。
・韓国語の看板が幾つか見受けられるが日本の文化にとけ込んで言われてみないと韓国の方がたくさん住んでいるとわからない。
・歩いただけではよく分らなかったので、ここで昼食をとりたかった。
・特徴のある密集市街地ですけれど、あまり日常的特色が出ていなかったように感じました。もっとも日曜の午前中のせいもあるかと思いますが。

■三河島地区:住みやすさ(環境、周辺施設、商店街など)評価3.15(内訳:AAABBBBBBBBCC)
・駅前商店街が充実していて、繊維問屋街もあり、日暮里へも歩いて行ける距離なので、生活の利便は高そうに思いました。
・イメージはあまりよくないですが、住んでみると公共施設、商店街等が近くにあったり、秋にはお祭りと、生活しやすいところです。
・歴史を経て落ち着くべき場所に落ち着いた町という感じで、カラーが合う人には住みやすいと思う。
・商店や飲食店も多いし、安そうなので住み易いとは思いますが、同世代の40代を余り見かけなかったように思います。有馬記念でお出かけや大掃除で家の中なのでしょうか?
・都心に近い内部市街地で、庶民的な商店街や各種の公共施設も多く、便利そう。道路が狭く迷路状で大きい建物もないので、ヒューマンスケールで居心地がよさそう。
・低層・高密で防災上、住環境上の問題はあるとは思いますが、東京の庶民の住宅地の歴史が刻み込まれています。再開発による高層化ではなく、小規模な共同化と個別更新により(部分的にはIハウスのような高層マンションもあるかも知れませんが、それも高さ・容積を抑えながら)、路地や狭隘道路がもつコモンとプライベートの中間領域の空間を再生していけないでしょうか。なつかしい街でした。
・住環境としては、周辺施設や商店街や路地の雰囲気はいいが、緑が少ないのがやや難点。コミュニティが濃密なので、よそ者はちょっと入りにくい気がする。
・店舗等が身近な場所にあり住みやすい立地だと思います、もう少し路地的緑が欲しいなと感じました、またどうしても防災上のことが気になります。
・三河島というと過去の鉄道事故の暗いイメージがあったが環境は悪くなさそう。買物が楽しめる商店街があるといい。
・東京の密集市街地はどこでも似たようなもの。
・住むとなると、治安の面でどんな街なのか少し気になる。
・女性の一人暮らし、小さい子供がいる家庭となると、治安が気にかかる。


■日暮里繊維問屋街 評価2.38(内訳:AABBBBBCCCCCC)
・生地だけでなく、既成のものも安価で小売されているため、子供のモノなど、何度か利用しています。
・かなりお買い得ならば、ゆっくり生地を探しにきたいです。
・安い掘り出し物がありそうだ。
・ハギレや紐、ボタンなど素材を扱う店が多くて楽しい。横山町(完成品)、須田町(生地)と一味違った面白さ。
・特化した商店街としての魅力があると感じました。
・最近はイラン人の帽子屋さんとかアウトレットとか新興勢力が増えてます。近くに女性のためのお食事どころなどあるともっとよいのでは。
・休みの店が多くテレビで見たような賑わいが体験できなかったのが残念。
・古布・ウエイストなど問屋なので、どうしても馬喰町より地味ですね。休日は閉まっている店が多くて、平日の方が活気がありそうです。
・土日は店が閉まってしまい寂しい。区で若きデザイナーのショップの誘致支援などができると更に魅力的な地区になるのでは?
・繊維問屋街ということで、布をテーマにまちづくりを進めているようだが、言われてみないとあまりよくわからない。街の個性としては、もう一歩か。
・店舗の商品が一般人にはなじみにくいが、繊維系産業が難しい中で流行を発信しながら生き残ってほしい。賑わいが感じられ、駅の圏域スケールとしても大きすぎず、気取らない「まちなか居住」にはちょうどよいが、空間としては物足りない。
・あまり興味をひかれないまま通り過ぎてしまった。


■谷中・根津・千駄木地区  評価:4.69(内訳:AAAAAAAAAAABB)
・迷路のような谷中、不忍通りの高層マンション群、高台の高級住宅地など、地形や街の成り立ちによって性格の異なる街がモザイクのようになっているところが面白い。
・丘と谷や坂道の地形、商店街や長屋の庶民性、狭く迷路状の道、寺町や高級住宅街、歴史や文化の香り、人間味あるコミュニティなど、多彩な都市の魅力が詰まっている。
・起伏がある地形がこの地区の魅力ですね(一杯飲んで日暮里方面に自転車で帰るときは大変)。また、点在するお寺とその周辺の路地を歩くと何かの発見がある。
・千代田線を挟んで、谷中も千駄木も同じような高台にあるのですが、敷地や建物の規模がだいぶ違っていのが新鮮でした。
・谷中と千駄木の街並みと住宅の表情が違うことを、歩きながら感じることができました。谷中の下町の雰囲気は、東京の良さを再発見させてくれるように思います。
・「谷根千」ブームで、今や東京の代表的な“和”のまち。相次ぐマンション建設のなか、住民が古いまちを守り意欲的に活用していこうとする姿勢が眩しい。
・いつも歩くたびに新しい古いものの発見がある。なんとも贅沢な生き方なのだろうかと再度感心してしまった。
・谷中霊園のあたりは、古い木造家屋が残っており、ほっとする気持ちになる
・私の印象としては、谷根千、プラス上野桜木。懐かしさのある街。
・不忍通り周辺の商店街が大変賑わっており頼もしい限り。特に谷中は何度も来ているが今回お邪魔した長屋やお隣の文化住宅等、詫び住まいが感じられる風情があって良い。
・今は情緒があって良い雰囲気ですが、いずれ建物群の耐用年限はくるでしょうし、これから面的にとのように再生していくのかが課題であると思っています。


■谷中地区:住みやすさ(環境、周辺施設、商店街など)評価:4.14 (内訳:AAAAAAAAABBBBC)
・谷中銀座商店街や夕焼けだんだん付近など、初めて足を踏み入れた場所なのに、なぜか懐かしい臭いや空気を感じたのが不思議です。暮らし心地が良い場所なのだろうことはすぐにわかりました。
・お寺が多い所為か環境はとてもよく、また、維持もされていて、住みやすそう。
・都心でありながら、下町っぽいところもあり、住んでみたい街である。
・近所関係の密度が濃そうで、住み易そうです。新住宅地育ちとしては憧れもありますが、千駄木のほうが魅力的です。
・谷中霊園の周囲は寺が多く、静かな環境が保たれ、また、野良猫が寝そべっていたり、夕焼けだんだん〜谷中銀座〜よみせ通り商店街と、散策に楽しい地区。
・地域のコミュニティがあり生活しやすそう。
・現在は雰囲気の良い街並みですが、これからどのように変貌していくのでしょうか。
・18年ほど前に自ら選んで住んだまちだが、「今も住みたいか?」と問われると、さほどでもない。今でも魅力はあるのだが私の好みが変わったように感じる。
・歴史と緑のあるお寺や、賑わいのある商店街、まちづくりに係わる人々の活動など、住んだら楽しそうな街。観光地になってしまったのが難点。
・台地の上で日当たりが良さそう。土日が観光客が目障りかも。
・都心に近い内部市街地で、庶民的な商店街や迷路状の道路が楽しそう。歴史・文化の色が強いので、私にとって住むにはやや敷居が高いか。
・年々スノッブな感じのまちになってきているような感じがします。
・落ち着き、緑の多さ、長屋という成熟した居住形態、寺町であるため、相続の荒波を受けず緩やかに時間が流れています。職人の仕事が継承され、来街者を意識した店舗や展示スペースなど工夫されており、この街本来のよさと来街者が求めるものがしっかり自覚されているのでは。コミュニティの活動もきっと当たり前のこととして連綿と続いていると思います。住みやすいが、受身ではだめで、谷中に住むとはどういうことかの自覚が必要。


■千駄木地区:住みやすさ(環境、周辺施設、商店街など)評価:3.86 (内訳:AAAAAAABBBBBBC)
・商店街、行政施設、地下鉄2線の駅など、全ての面で住み易そうな気がします。神社だけでなく、屋敷森の存在もうれしい。
・不忍通りの商店街の賑わい、一本入ったところにある滝が流れひっそりたたずむ須藤公園、山のある公園(?)と、魅力が余りある。
・不忍通りから少し離れると環境はよく、やはり住みやすそう。
・公園もあり、商店街も近く、申し分ない。
・閑静な住宅地で、公園や商店街も近くにあり、環境がバランス良く整っていると思いました。
・都心に近い内部市街地で、大通りの賑やかな商店街や丘の上の落ち着いた高級住宅地が交錯している。階段の坂道を下りると野鳥の来る緑地(元水源地)があったりして趣き深い。
・商店街、病院、学校と生活に必要な施設が一通り揃っていて便利そう。
・いかにも<いいお家の邸宅>と見受けられる風情ある住宅が多々あり、散歩するには楽しいが、住むとなるとコンプレックスを感じちゃうかも。
・千駄木で実際に住めそうなのは不忍通り沿いのマンション。利便性は高いが、不忍通りの交通量が多いので、居住環境としてはちょっと落ちる。
・不忍通り沿いの無秩序に林立するマンション群が街並み形成上気になりました。
・高台地区は文京区の高級住宅地だがご多分に漏れずミニ開発が進んでだんだん環境が悪くなってきている。
・武家屋敷時代を受け継ぐ自然環境、文化人の居住など地域の財産がすごい。ただ、この地域で現実的な居住形態を考えると、屋敷の樹林をできるだけ保存しながら低層〜中層マンションを誘導する、でも単なる高級マンション開発になってしまいそうで、知恵のない私の頭では今ひとつイメージが広がらない。

■あなたは今回回った地区でどの地区に住みたいですか?その理由は
(谷中周辺)★★★★★★★★
・谷中:古き良き時代の暮らし方をしてみるのもまた斬新のような感じがします。それが実現できるのは、長屋と下町商店街と夕焼けだんだんのあのなつかしい空気の漂う谷中だと思いました。
・商店街育ちの私としては千駄木駅にほど近い谷中銀座のあたり。やはり買い物と交通に便利なところが住むには一番と考える。
・谷中です。通勤の便もそこそこで、今住んでいるところとは随分違う雰囲気があり、快適そうです。
・谷中:住みやすいだけでなく、街としての個性が際立っていて、時間をかけて街を味わうことができそうだから。ただ、住むにはお金と覚悟が必要ですね。
・谷中地区です、密集していますがヒューマンスケールの街並み、賑わいのある商店街、東京が失いつつある要素が生き残っています。どのように再生していくか関心があります。
・谷中周辺。夕暮れの商店街で生演奏が流れ、猫がくつろいでいた。なんともいえないいい感じであった。


(千駄木周辺)★★
・育ったのが傾斜地の造成宅地なので、住むまちとして平坦な三河島や密度の濃い谷中よりも高台で見晴らしの良い千駄木が歩いていてホッとします。
・都心に近い内部市街地で、大通りの賑やかな商店街や丘の上の落ち着いた高級住宅地が交錯している。階段の坂道を下りると野鳥の来る緑地(元水源地)があったりして趣き深い。A大竹


(三河島周辺)★★
・三河島地区。地元に無関係な人でも入っていけそう。谷中もよいが、コミュニティがかっちりしていて、理由もなく移り住むには敷居が高そうだ。
・三河島周辺:田舎っぽい感じがこの町にはあります。路地では子供が遊び、自転車で買い物行くおばちゃんが行きかうような肩肘を張らず生活できる地区です。


(その他)★
・特にない。個人的に、大型スーパーマーケットが近隣にあって欲しいため。

■その他、今回の企画について(ご自由なご意見を)
今回は、実際にその街にすんでいる方々のお宅訪問という企画も盛り込まれていましたので、住宅の内側からも街と暮らしの表情を感じ取ることができたと思います。いろいろとお邪魔させて頂きましてありがとうございました。(庄山典子)
・年末の慌しい時期であったが、企画につられて来てしまった。井手さんのお宅をはじめ、実際に住んでいらっしゃる方のお宅に立ち寄るというのが何より興味津々だった。(平井志都葉)
・西河ハウスでは解説してもらって興味がわきました。ちょっとした知識を身につけておくことが100倍楽しむ方法ですね。(豊田 清)
・井手さん、小野田さんご家族、皆さま、お世話になりました。今回は、谷中の西河さん、コーディネーターのお宅にうかがい「その街での住まい方」も見学させていただきました。特に日暮里から谷中・千駄木の内容が濃くて、最初の三河島は印象が薄くなってしまいました。(小野寺仁)
・三河島から千駄木まで、全く異なる街というイメージだが、実はとても近いことがわかって、なかなか面白い企画でした。最後の小野田さんの店舗併用住宅での懇親会は最高でした、どうもありがとうございました。(栗原 徹)
・新築マンション、戦前長屋、店舗付住宅・・・全く違う3つの住まいを次々に拝見して驚きました。それぞれが、住まい手の価値観や街の環境を表わしているようで、とても興味深かったです。特に、元の制服屋さんをリフォームされた小野田さんの新居には、こういう手もあったのか!とただただ感心しました。井手さん、西河さん、小野田さん、ありがとうございました。(大竹 亮)
・西河宅におじゃましたとき自分が子供の頃近所に似たような長屋があり遊びに行った事が思い出された。(千川明)
・3件のご自宅を拝見しましたが、場所、建物共お住まいの方の個性やライフスタイルを反映している様で楽しませていただきました。(山根純一)
・3人の方のお住まいを拝見でき、とても有意義でした。ありがとうございました。(水谷晴子)
・井手邸、西河邸、小野田邸と、大勢でお邪魔し、ありがとうございました。戦前長屋は初めて上がらせて頂き、1畳間・2畳間の魅力、究極のPP分離が印象的でした。3軒の住居それぞれに圧倒され、また、住む人の個性と住まい方の多様性に脱帽です。(脇野真澄)
・東京の住宅地を一気にみて、しかも狭い圏域内にこれほど個性の異なる住宅地があることに改めておどろきました。それぞれの歴史が刻み込まれ、どれも魅力的でした。(重永真理子)



【コーディネーターから】

三河島という地名はいまはなく荒川、東日暮里という町名になっています。三河島駅周辺の木造密集地区はあまり更新されていませんが、東日暮里三丁目あたりは3階建ての細長い建物になったり、敷地を統合し3階建ての建売になったり徐々にですが更新が進んでいます。でも、道路は拡幅されず以前と車が1台通るのがやっと。狭い道はそれなりに魅力があるのですが災害時のことをちょっとこのままだと大変、新たなアイデアはないでしょうか? 後半の千駄木、弥生を急遽ご案内頂いた半谷さん、谷中、弥生ならではのお住まいを見せて頂きました西河さん、浜田さん+小野田さんありがとうございました。(井手)

 
   

 

 


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