私たちの街を歩こう■企画2005.4の記録


防災と快適なまちづくり 神谷〜豊島〜新田地区


日 時:平成17年4月24日(日)13:30〜16:30
コース:東十条商店街・東十条銀座商店街〜王子五丁目団地〜神谷一丁目地区〜豊島八丁目地区〜新田三丁目地区
参加者:安藤文、井手幸人、大竹亮、鎌原史英、栗原徹、小林正樹、千川明、中尾唯史、古里実、水谷晴子、矢口晴美、山中洋子、脇野真澄
     コーディネーター: 谷口順+内藤英治+高山清茂+直美+景(以上18名(評価表提出者10名) 

【参加者による評価】
(評価点の計算:A=5点 B=3点 C=1点 D=1点とした平均点)

1.東十条商店街・東十条銀座商店街 全体:AABBBBBBBC【3.2】
・商店街としての賑わいがあり、昔からの店と新しい店とがうまく共存している。 
・賑やかで魅了がある。 
・駅から大通りまで賑わっていて楽しい。 
・エネルギーは別格です。 
・下町の賑やかな商店街を安心して歩けた。 
・駅とまちとのつながりが興味深かった。川側は吹き抜けの階段(駅入り口)から商店街を見下ろせるの分かりやすいが、反対側は路地のような細い通路で街道へつながるその先を歩いてみたくなった。 
・賑わっているが、店舗の多くがチェーン店化している。古くからのお店の発掘、PRが必要では。 
・商店街に隣接して建つマンションとの間にひとかわ残して商店街が連続していることは初めて知りました。隣のマンションがスーパーを誘致していたのと対照的でした。商店街としての活気という視点からはどちらがいいともいえませんが、東十条から離れたところにスーパーがあることはワンストップになっていないと思います。また、商店街は環7(地下鉄南北線王子神谷駅)まで続くのですが、こちらからの商店街が形成され、連担していくよう誘導できればと思っています。北区では京浜東北線の各駅とも崖線を近くに抱え、各駅周辺のバリアフリーを考えるときに、1箇所ごとの予算は制限されています。技術的に可能というだけでなく、どうしたら少ない予算で、バリアフリー化しつつ、まちの賑わいを維持、発展させていくことが課題になっています。アイデアがありましたらご教示願います。


立地:AAAAABBBB・【4.1】
・都心から近い。
・東京駅から20分の駅前から伸びる商店街は便利。
・駅から近い。
・駅前商店街の続きで利便性は高そう。
・商店街は活気があり住みやすそう
・二駅に挟まれ恵まれた立地だが、南北線に近づくほど閑散とする。人の流れを変える要因があると良い。
・商店街と住宅地に分けられる。商店街は延長が長く活気がある。しかし、最近は系列店などが増え始めたのは残念。この商店街を含めた南側は戦前の組合区画整理を施行した地域。


住環境:ABBBBCCC・・【2.5】
・商店街が充。
・商店街が元。
・商店に元気がある。(いきおい)
・商店街から一歩奥に入ると落ち着いた住宅地となっている。
・普通の住宅地です。昔の区画整理標準の宅地は広いので敷地分割されています。中には無接道地も発生させられています。


建物デザイン:BBCCCCCC・・【1.5】
・マンションが面していても、商店が絶えない沿道の作り方は良い。
・意図的になされた建築デザインは感じません。


屋外デザイン:BBBCCCCC・・【1.8】
・統一感が希薄。乱雑な印象を受ける。
・デザインというと何か統一的な印象を受けますが、商店街は雑然としていてもそれが活気になればいいのではないかと思います。



2.王子五丁目団地 全体:ABBBBBBBBB【3.2】
・築30年ということもあり、町としての成熟度が高い。
・管理がよくできている。
・市街地の高層住宅団地として、堅実で良質な計画。
・団地ができた時は南北線はなかったにもかかわらず、王子神谷駅に面した部分がちゃんと商業施設になっているのは、なかなかい い。
・団地の中に街並みのにぎわいが入り込んでいることに驚いた。樹木がのびのびしていて、広い屋外環境がとても良い。
・緑も多く、共働き世帯が子育てするのに良い環境という印象。
・入れ替わっても住んでいる感じがいい。
・団地内で完結した作りが立地と合わなくなっている。商店街と連続する工夫をしたいが、構造的に難しそう。
・児童公園に子供が遊んでいましたが、2000世帯を超える住宅団地としては、もっと子供の歓声が響いてほしいと思っています。赤羽台団地等でも同じなのですが、古い団地では住戸規模が小さく、生活には便利で、また古くからの居住者の家賃は安いため、子供世帯が大きくなるとよりよい居住水準を求めて若い世代が転出し、高齢世帯が残る傾向があるようです。もちろん入れ替わりもあり、一定割合の若い世代はいるのですが、若い世代を引き止めるのが必要だと考えています。
・街道沿いに無秩序にマンションが乱立という印象。


立地:AAAAABBBB・【4.1】
・駅から近い。
・便がよい。
・交通利便性が高い。
・地下鉄駅にも商店街にも近くて便利そう。
・駅直近で幹線道路に面しており、利便性は高い。
・商店街とうまく連携できている。
・京浜東北線の上野、日暮里以北は「不便」という印象があるようです。戦後の住宅地開発の西高東低のマーケットコマーシャルの影響がまだあることは残念です。


住環境:AABBBBBCC・【3.0】
・便利。
・スーパーと公園が充実している。
・商店街も近く、子供達が広場でたくさん遊んでいたのが印象的。
・年数が建つと緑が生育しいい住環境を形成している。
・緑が多く、人の目もあり安心。
・団地内になんでも揃っていて便利だが、落ち着いた環境ではない。高齢化した住民とギャップがあるのでは。
・今からすると居住水準としては少し低いようです。
・高層住棟のため地面が遠い。南北軸住棟は日照に難あり。


建物デザイン:BBBBCCCCC・【1.8】
・往年の公団デザイン
・良質なモダニズムデザイン。
・空地が多く、圧迫感が少ない。
・かつての大きな計画によるダイナミックな広いスペース。
・各戸の個性が見えない。スケールオーバーした住棟の足下周りは近寄りがたい。
・板状マンションは味があるとは言えない。
・あまりデザインを意識しません。


屋外デザイン:AAABBBBCC・【3.2】
・あか抜けないけど、人を集める広場、緑地が良い。なつかしい感じ。
・広いオープンスペースがいい。
・広々としたオープンスペースは緑豊かで使われ方も様々。
・全体が車の入らない歩行者広場で、緑も多い。
・住棟配置に余裕がある。
・東十条側からのアプローチがよい。
・古い公団団地は屋外空間をゆったりと取り、植栽が成長していい空間を形成しています。テニスコート、児童公園の配置等は今ひとつだと思います。



3.神谷一丁目地区 全体:AAAAABBBBB【4.0】
・住宅団地の建設と周辺の密集地の改善を合わせてやったことは評価すべき。
・新旧のなじませ方、ループ道路とまちのヒューマンなスケール感がとても良い。密集地とはいえ(密集地ゆえ)住んでいる方の工夫も随所に見られて好感がもてた。
・色々な住まい方がうまくマッチしているように思いました。
・家を大事にしている。みんなどの家も道に対して心遣いをしている。きもちいい感じがします。
・多様な世帯が居住しているのですが、コミュニティをどのように形成しているのかが見えてきません。今後の課題だと思います。
・密集市街地の整備は従前と比較すれば良くなっているが、単に住宅地としてみれば普通のレベル。道路の植栽と児童遊園の緑が非常に美しかったのが印象的。
・とても密集市街地だとは思えない、大変良くできた計画だが、同様の事例がないのは特殊解なのか。
・密集市街地整備に公団が良く頑張ったと思う。しかし、後が続かないのが残念。


立地:AABBBBBBC・【3.2】
・駅から近い。
・何かに近いとはいいにくい。(交通)
・地下鉄駅に近く、隅田川にも面している。
・駅直近にもかかわらず、下町的な雰囲気が感じられる。スケール感がよい。
・南北線ができたことが大きいと思います。
・集合住宅と戸建て群関係もよく考えられている。


住環境:AAABBBBBB・【3.7】
・工場跡地に隣接していた条件をうまく活かした整備。
・住宅団地だけでなく、工場アパートの建設、都心共同事業、優良建築物等整備事業等単一の事業ではなくいくつかの事業を重層的に行うことがこの地域の多様化をもたらしています。できれば工場アパートの中も見たかった。
・道のスケール感が大変いいです。
・隅田川の堤防と一体になった緑地がいい。
・適度なオープンスペースが身近に点在し、川も近く良い。
・集合住宅の周りの木々に花が咲いていてとても綺麗でした。


建物デザイン:BBBBBCCCC・【2.1】
・平凡だが良質な計画。
・ハデでないがきもちに無理がない。
・落ち着いた空間を構成していると思います。
・共同化更新の住宅のデザインは素晴らしかった。
・共同化事業は良く頑張ったと思うが、他はちょっと残念。
・足下周りの工夫は良いが、白と黒で少々単調。


屋外デザイン:AABBBBBBB・【3.4】
・地区内幹線道路の整備が密集市街地沿いにうまく行われている。
・道路がカーブを描き、住居への配慮がある。
・子どもの遊び場周辺のデザインは素晴らしい。
・1件づつがとても大切に花をかざったり、道のまわりに工夫している。
・並木の木々がきれいだった。
・色とりどりの花が咲き乱れる小径が魅力的。
・ハナミズキ、ツツジなどちょうどいい時期に行ったので評価が甘いかも知れません。
・高密で駐車場が多く、街区内にオープンスペースが少ない。外部に依存した計画。



4.豊島八丁目地区 全体:BBBBBBBBCC【2.6】
・団地の入り口からスーパー堤防に向かって、シンボリックな軸線を通しているのはいいが、建物のデザイン等はやや中途半端な印象をうける。未利用の施設用地がただの野原になっているのがとてもいい。
・全体にオシャレになったが、冷たい印象。
・人影もまばらで淋しい。
・もう少し低層棟もあってもいいような感じがしました。
・遺跡公園と原っぱがよかった。
・いきおいがある。
・特徴が感じられにくかったが、原っぱがあることが良かった。(できればそのまま残して欲しいと思いました。)
・周辺の道路や河川、公園を含めた位置づけや、関係性がうまく整理されていないように感じた。
・民間高層住棟や研究所との関係がうまくいっていないように思う。
・当初の再開発地区計画では現在囲われている部分はオフィスでした。この地区の立地では特定の本社以外の一般的なオフィスの進出は難しい。豊島4丁目、豊島5・6丁目でも再開発地区計画が計画されていますが、住宅を建設することが容積率の緩和になることには非常に抵抗があります。


立地:ABBBBBBBC・【3.0】
・駅から歩ける距離。
・利便性と環境の良さが両立。
・駅からやや離れているが、隅田川に面している。
・南北線ができなければ北区の中では不便な立地の地域。南北線の効果は大きい。
・通りに関する配慮がないように感じました。


住環境:BBBBBBBCC・【2.6】
・きちんと整備されすぎている印象。
・少しボリュームが有りすぎる感じがしました。
・落ち着いた住環境だが、商業施設などが離れている。
・新しい住宅なので居住水準は一定のレベルであるが、住みたいという魅力が乏しい。
・悪くないが、居住スタイルがイメージしにくい。


建物デザイン:ABBBBBCCC・【2.6】
・バルコニーのデザインがうまい
・バルコニー等のデザインは建物のリズムを醸しだしている。
・2階に専用庭を設け1階のピロティ(駐車場)を視覚的に遮断していることが目に付きました。
・PC造もなかなかきれいだと思った。
・ローコストながら、工夫されたデザインではあるが、少々単調。
・外観のコンセプトがやや不明。


屋外デザイン:ABBBBBCCC・【2.6】
・スーパー堤防から学校に至る動線は綺。
・緑と川の関係がよかった。
・適度に囲まれた広場と隅田川へのアプローチは良いが、暗い感じ。
・緑豊かな地域を見てきたセいか、寒々とした印象を受けました。
・暫定広場が原っぱでかえって良く見えてしまう。
・芝生を中心としたオープン外構は好感が持てる。遺跡公園はデザインが迷走。



5.新田三丁目地区 全体:AAAAAABBBB【4.2】
・川と広い空がひろがる環境は、交通や気候のデメリットを払拭できる価値をもたせている。
・立地条件を最大限に活かし、都内にあって郊外のような環境を実現。
・荒川沿いの空間が豊かで、建物もそれを活かそうとしたところが良い。
・この立地のこの環境をよく理解して成り立っていてすごいと思います。
・孤島のイメージから土手と河川敷のある街へ、今後いかなるコミュニティができるか楽しみ。
・まだ途中ですが、全棟立ち上がると魅力的な街になるでしょうね。
・駅からは遠いが、荒川に面するという意味ではいい立地ともいえる。完成している機構の住宅についてはデザインなどの水準が高いが、地区全体の半分程度立ち上がってこないと、住環境としての評価はできない。
・知名度はまだですが、時間をかけて地に足の着いたまちができるといい。
・人の姿を見かけないのがどういうことなのでしょうか。期待を込めての評価です。風力発電があり、風の強い川沿いの環境を生かしていると思います。デザイン先行で効率はどうなのでしょうか。風の強さに比べて反応が鈍いようです。
・これからに期待。


立地:ABBCCCCCC・【1.9】
・交通の便が少し悪い。
・バスを使わなければならないのはチョット。
・最寄り駅バス便は不便。
・駅から遠いがバスは便利。荒川放水路に面している。
・駅からやはり遠いが荒川べりが広くて豊か。
・交通は×だが、土手のおおらかなランドスケープはそうない。
・駅からは遠いが、他に得難い自然環境。


住環境:AABBBBCC・・【3.0】
・堤防側の眺望や堤防に続く庭など、環境を最大限に活かしている。
・まちに近いところでこのおおらかさを気に入れば◎。
・緑が豊かでよかったです。でも風はきつそう!(自然を感じる意味ではgood)
・河川敷という魅力はあるが、冬は寒そう。
・首都圏近郊を見渡しても、このような恵まれた環境はないのでは。あとは、公共公益施設が揃うだけ。
・まちとしてどのように環境を整備していくのかこれからだと思います。


建物デザイン:AAABBBBBB・【3.7】
・市街地川の南面と荒川側の北面のデザイン、色をよくコントロールできたのが良い。
・設計のがんばりに感動しました。よく考えてあると思います。
・変化があり軽やかでした。
・バルコニー位置を工夫している。
・遠景での統一感と、各住棟の個性、場所による意図が感じられた。
・道路や川に沿った配置計画がいい空間をつくっている。
・居住スタイルとして新しい提案がなされていて好感が持てます。


屋外デザイン:AABBBBBBC・【3.2】
・ビオトープのような仕掛けがあったり、住棟間のデザインに設計者の熱意が感じられた。
・環境共生技術を一生懸命ちりばめている。
・工夫がわかるので良い。
・大きな団地だが、細やかな配慮が行き届いている。
・荒川の大きなスケールを感じるデザインと同時に、足下の細やかな気配りがほっとして、すばらしい。
・勾配を利用した遊歩道は面白いと思います。
・土手と建物の関係がよかった。
・バルコニーのガラス越しに洗濯物が丸見え。



■川の手地区全体の印象など:AAABBBBC・・【3.5】
・都市部における素晴らしいオープンを有した地区だと思います。
・工場跡地をうまく活かしたまちづくりを公団(機構)が進めており、スーパー堤防など川に親しむ空間も充実してきた。工場地帯がよい環境の居住地によみがえりつつある。
・南北線により駅アクセスが改善されたこと、工場跡地開発によるオープンスペース整備、隅田川、荒川の水辺空間が整備され、イメージが良くなった。
・恵まれた自然環境、下町の良さを、工場跡地を活用したまちづくりが補強して良い。
・かつて産業・流通重視であった川の存在が、人の暮らしとのつながりにシフトしていることを実際目にして実感した。
・良いところを見てほしいなと思います。土木と安全とランドスケープの融合のたまものです。
・川の手地区では、隅田川と荒川という2つの河川をどう活かすかが重要。大規模開発地区でスーパー堤防など整備してはいるが、街全体から見ると。まだ、川とのいい関係ができているとは言いがたい。
・川沿いは市街地と比べると感覚としておおよそ1.5倍から2倍の風が吹きます。それに対する対策がないように思います。広々とした空間の広がりは気持ちがのびのびします。
・空が広いというのはいいのだが、少し川幅が広すぎるのか、ちょっと寒々しい印象をもった。
・駅前商店街のような賑わいの場から離れていくにつれて、建物がコンクリートの塊に見えてしまう。



■住みたいと思う地区はどこですか
東十条商店街:★
・2駅利用でき、商店街で買い物も便利。
王子五丁目団地:★
・交通利便性、緑が多く住む人が楽しそうな様子が伝わってくる。
神谷一丁目地区:★★
・地下鉄駅に近く、堤防に面した環境も良い。
・生活している人の見えない努力ややさしさ。
豊島八丁目地区:★
・公園、原っぱがよかった。駅、商店街への利便性もいい。
新田三丁目地区:★★★★
・川がある風景と暮らせることは何より大きい。
・近くに自然が感じられて、休日はのんびりでききそう。
・やはり荒川ぞいの空間が広くて豊か。
・都心10キロ圏にありながら、こんなにのびのびした環境がある。この環境なら多少の不便は関係ない。
特になし:★



■住みたくないのはどこですか
王子五丁目団地:★★★
・大規模団地では、街を感じられない。
・オープンスペースは成熟しているのですがあのすごい密度のツインコリドータイプに住むのは考えてしまいます。
・利便性は高いが、今の時代に住むべき建物ではない。
北本通り沿いのマンション:★
・幹線道路の騒音、排気ガスが気になります。
豊島八丁目地区:★★
・人が住んでいるというよりは、巨大コンクリートの冷たいイメージ。
新田三丁目地区:★
・当日の気温と強風、および開発途中ということで、とても寒々しい地区という印象をもってしまいました。今後、開発されて人が多くなり、風除けの建物が増えると印象も変わることでしょう。
特になし:★★★
・各地区それぞれに良さがあって、住みたくないとまで思うところは特にありません。
・どの地区も住環境やデザインの水準が高い。
・このエリアでは特にはない。(交通の便はわからないけど)



■防災に大切なことは?
・ 住工混在の密集地でも、オープンスペースの多い団地計画をつなげることによって、災害に強いまちに改造できる。
・一定の間隔で、きちんとした道路を通すこと。
・大きな広場と、いざという時助け合える地域社会とのつながりだと思う。
・耐震化など一瞬にして命を奪われないハード面はもちろんですが、基本は助け合えるコミュニテー(防災文化)ではないでしょうか。
・住民が自分のまちを知ること、コミュニケーション、情報のネットワーク
・常日頃から住民同士のコミュニティーがいざとなると大切なのでは。
・住民の意識と連係プレー。おこる前の対策とおこった後の対策はかじ取りする人も大事。
・行政はハードの改善だけでなく、ソフトのサポートに力を入れるべき。(特に密集地)
・地域の住民一人一人が災害時に何をすればいいかの意識を持つことではないでしょうか。
・危険なものを隠すのではなく、身近にあるものとして親しみを持て、地域への愛着やコミュニティを育む住環境とそれに伴う住民意識の向上。
・耐震性、耐火性。互助のためのコミュニティ。ソフト、ハードともに今回の見学では防災を意識しませんでした。



■これからのまちづくりで都市機構に期待することは?
・《短期的には》工場跡地などを活用し、道路の整備や代替地を提供することで、密集市街地の整備に寄与すること。《長期的には》地域の整備について、ビジョンとそれを実現するための戦略をつくり、地域の整備をプロデュースすること
・敷地内だけでなく、周辺も含めた地区全体、ひいては都市全体が良くなるようなプロジェクトを推進すべき。都市機構がそのための計画、ルールを地区ごとにつくり、民間事業者を誘導する。
・最近はプラットホームとしてのコーディネーターとおっしゃっているようですが、やはりディベロッパー(地主)として、直接先進事例をつくることではないでしょうか。
・賃貸住宅を武器にして、民間事業者にはできないチャレンジを忘れないことと、地に足の着いたまちづくり。
・効率や市場性より、まちとして住環境としての付加価値づくり、環境重視。
・居住者や近隣住民のコミュニティーづくりの一役となるような広場等の提供。
・良質な住宅設計。けっこうデベさんもがんばっているので。無理なところに行くのではなく、生活に対してもいいものが良い線を選べるといいと思います。
・都心に近くて、狭くてもいいので手ごろな家賃での供給をのぞみます。
・多様な居住様式に対応したストック物件の活用
・デベロッパーのひとつとして対応するしかないように思います。通常のデベロッパー、コンサルタント以上の期待をすると足をすくわれるのではないかという気がしています。



■その他、今回の感想などご自由に
・川の手地域の工場跡地を利用した公団(機構)の団地を4つ巡り、時代による団地計画や地区再開発の変遷がよくわかりました。どの団地も好感が持てましたが、最後に訪れた新田3丁目の高山邸は、荒川の広い緑の堤防を庭にしている非常に魅力的な住戸でした。ありがとうございました。 (大竹)
・都市機構(公団)の住宅系事業地区を時代順にたどり、事業のやり方の違いや建物デザインなどの変遷が良く分かる、非常に面白い企画だったと思います。最後の自宅での懇親会も含めて、コーディネーターの高山さん、奥さん、ご苦労様でした。(栗原)
・東十条周辺の川の手地区がこんなに見所が多いは思いませんでした。ご自宅までお見せいただきました高山さんをはじめ、御案内いただいたコーディネーターの皆さんどうもありがとうございました。(古里)
・ハートアイランド新田で見せて頂いた2つの住居は、川を見ながら入れるお風呂、土間からもアプローチできる玄関、それに川沿いの自然を堪能できるリビング(特に土手からすくに家に上がれるのは素晴らしい)等々アイデア満載、とても住みやすそうでした。(井手)
・デザインする上でここはあきらめて、この良い点を残すという方法に住まい手も理解があって、おたがいに良い関係であるのがよい。(何でもカンサツして何も残らないこともあるのにすごい。)(安藤)
・2件の住宅を拝見できましたが、どちらも印象的な住まいでした。ビューバスと広々したワンルーム、土手から出入りできるリビングがとても良かったです。高山さんの手作りの家具もとても素敵でした。ありがとうごさいました。(水谷)
・これまで“川”というイメージの全くなかった東十条からはじまって隅田川まで、いずれも初めて訪れた場所です。防災がテーマのまち歩きでしたが、個人的には住むということの豊かさについて改めて考えさせられました。最後の懇親会までお世話になりました高山さんとコーディネーターのみなさん、ありがとうございました。(鎌原)
・川を渡る風が冷たく感じられました。じっくりと居住環境に重点を置いて歩く今回の企画、楽しかったです。(脇野)



■コーディネーターより
今回歩いた地区は、いずれも防災に関連していることから、防災とまちづくりというテーマを考えましたが、むしろ、東十条駅前の既成市街地から川の手地区へ至る、住環境に重点をおいたまち歩きとなりました。
皆さんのご意見から、住むということについては、大切にしている価値観が皆さんそれぞれにあり、それは育ってきた環境や、子育て中など皆さんがおかれている状況によっても違うものだと思いますが、今回歩いた地区には、それぞれの特徴があり、このような多様な場所が一定の範囲の中に用意されていることが重要に感じました。計画する立場としては、立地を最大限に活かして、特徴のある場所をつくっていくことと、地区全体のイメージを作り出していくことが重要であり、都市機構に求められていることもその辺りにあるのではと感じました。
また、今回は、季節と天気にも恵まれ、この地区の気持ち良さを実感して頂けたら幸いに思いますが、防災についての皆さんのご意見から、ハード、ソフトそれぞれ大切ですが、コミュニティを引き出すためには、気持ちの良さが必要で、それが、防災にも役立つものだとも感じています。
私はハートアイランド新田に住んで2年目になります。当初一番街に申し込んだときは、どうしても住みたいということで、倍率との関係もありましたが、正南面した住戸に応募しました。そして二番街では、当たったらラッキーという気持ちで、正反対の性格の住戸を申し込みました。日当たりが最後まで気になりましたが、住んでみると、ここにしかない立地に大変満足しています。機構賃貸住宅ならではの試みですが、時には自分の価値観を疑ってみることも、生活が豊かになること実感しました。ここは交通の便は良いとは言いにくいですが、ここに住んで、まちの移り変わりはもちろんのこと、自然や四季の変化を感じる機会が以前に比べ格段に増えたように思います。
最後になりましたが、ハートアイランド新田を案内してくれた谷口さん、素敵なお部屋を見せたいただいた内藤さん、どうもありがとうございました。みなさんの努力の成果によってできた、すばらしい環境で生活できることに感謝したいと思います。また、参加者の皆さんから頂いた貴重なご意見を今後のまちづくりに活かしていけたらと思います。初めての企画で不十分な面もあったかと思いますが、ありがとうございました。(高山)


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