私たちの街を歩こう!■本駒込・千石・白山・西片企画2005.6の記録


teku-teku私たちの街を歩こう!


「本駒込・千石・白山・西片」住宅地散歩

【日 時】 2005年6月12日(日)13時〜18時
【コース】 駒込駅〜六義園(入場せず)〜大和郷住宅地〜巣鴨大鳥神社〜旧丸山町住宅地〜東京都住宅供給公社丸山町住宅〜東京諸聖徒教会〜旧林町住宅地〜簸川神社〜東京大学総合研究博物館小石川分館(旧東京医学校本館)〜印刷工場街と密集住宅地〜小石川植物園(入場せず)〜白山神社「文京あじさいまつり」〜八百屋お七の墓〜白山1丁目地区(西片の崖下、旧遊郭、密集住宅地)〜椎の木稲荷〜樋口一葉終焉の地(一葉記念碑)〜西片1・2丁目地区の住宅地〜区立西片公園〜懇親会(ピアンタ本郷:本郷2丁目、参加者8名)
【参加者】 大竹亮、小俣元美、栗原徹、小林正樹、櫻川惠一、庄山典子、千川明、野中るみ子、平井志都葉、古里実、水谷晴子、溝辺正浩、矢口晴美、山口天、山中洋子(15名、五十音順)+ コーディネーター:脇野真澄


【参加による評価】 評価点の計算:A=5点、B=3点、C=1点、D=1点とした平均点


■本駒込6丁目(大和郷(やまとむら)住宅地)地区:住みやすさ(環境、周辺施設、商店街等)
AAAAAAAAAAABBB 【4.57】
・計画的に創られた高級住宅地の佇まいが伝わっており、住環境のグレードは非常に高い。広い敷地に高さを抑えた邸宅が並び、六義園などの緑も豊かですばらしい。山手線や地下鉄駅、商店街も近い。
・六義園や学校があり、静かな所でありながら、山手線の駅にも近く、恵まれた住宅地。
・江戸時代は六義園の一部とは知りませんでした。良好な住宅地としての風格を維持しています。もともと広かった宅地で道路を入れ分割されていても大和郷としての住宅地を維持しています。
・大和郷の住宅地は、区界を越えて一体的なコミュニティが伺えて、長く住むにはいいところだと思う。
・歴史のある良好な住宅地である。
・山手線内側で屈指の高級住宅地
・住環境が良い
・質の高い住宅地。敷地があまり細分化されていないように見えるが、実際はどうなのだろう。
・自宅の隣の駅に邸宅街があることを知りませんでした。六義園に行くついでにまた歩きたい。
・交通、商業施設、生活利便の優れた立地にありながら、緑豊かで閑静な住環境が守られているという理想的な地区だと思いました。が同時に、外部に閉鎖的な建築も多くコミュニティが希薄な印象も受けました。
・高級住宅街としての風格あり。文京学院大学女子中・高校の改修デザインも良い。ただし、白山通りのマンション開発はドミノマンションの兆しが有り、日本の都市計画制度の問題か。
・気品ある高級住宅地。でも、白山通り沿いに中高層マンションが林立するようになれば、この落ち着いた佇まいも変わるかも。
・六義園周辺の高級住宅地は、碁盤目状の区画も大きく低層でよい。白山通りに面した所からいきなり高層になるのはバランスがよくないと思いました。
・お屋敷街なのであこがれとしての評価はAですが、一番縁がないエリア。


■南大塚1丁目・千石3丁目(旧丸山町住宅地)地区:住みやすさ(環境、周辺施設、商店街等)
AAAAAABBBBBCCC 【3.43】
・南西斜面の坂道に沿って創られた高級住宅地。斜面を生かした建物が多く、今も良好な環境を保っている。坂の上下で環境が急変するが、それをつなぐ急坂や公社団地横の階段など味わい深い場所が多い。
・坂が多く、その立地の個性を生かした住環境が形成されていると思いました。
・坂のある住宅地として趣がある。
・公社の敷地につながる階段を登りきった場所に贅沢な眺めがあるとはうらやましい住宅。
・このような斜面上の住宅はアクセスが大変だが、景観や、周囲の静かな佇まいが魅力的。
・台地と谷の間の変化のある地形で、坂道や階段の道が多く、歩くのは大変だが、景観的には面白い。
・特に強い印象はないが、歴史のある住宅地はやはりいい。庭の緑も年を経た貫禄がある。
・公社丸山町住宅は時代が感じられ、継承して欲しいものだが。
・住宅供給公社の建替えが印象的です。丸山北住宅は5階での建替えですが、西側及び道路沿いの擁壁の処理がどのように行われるか注目しています。徒歩圏での商店街は気づきませんでした。
・丸山町住宅は見るからに古い集合住宅で、私が近所に住んでいた20年前から見た目の印象は変わらない。設備上不便が多かろうと想像する。
・階段、坂道がとても多い
・坂のあるところは苦手です。


■千石2丁目(旧林町住宅地)地区:住みやすさ(環境、周辺施設、商店街等)
AAAABBBBBBBBBB 【3.57】

・小さいながらも落ち着いた住宅地。高級感はあまりないが、文化財登録した小さな教会や崖上の小径、神輿庫付き集合住宅のある神社など、ヒューマンスケールの空間が多い。
・坂の上の住宅地は一定の水準を保っている。
・このような斜面上の住宅はアクセスが大変だが、景観や、周囲の静かな佇まいが魅力的。
・高台と低地では雰囲気が異なります。高台は歩き始めてからのいい住宅地としての町並みを形成していますが、低地は下町的な住宅地という印象です。
・坂の住宅地?
・諸聖徒教会の中に入り、聖画が見られたのが良かった
・20年ぶりに再訪した諸聖徒教会の牧師が女性であるのに、建物は古めかしくても時代の流れを感じた。
・東京諸聖徒教会の礼拝堂は、日本人の筆によるたくさんの聖画があり、日本と西洋が混じり合った落ち着いたよい空間だった。簸川神社の神輿の倉庫の上が住居になっているマンションの作りが洗練されていて感心(私の賃貸も向かいの神社の借地に建てられたものだ…)。
・簸川神社とそれに付設して建てられたような近接のマンションと神輿格納庫が、トラディショナルとモダンが融合してみごとに調和しているようなおもしろい空間だと思いました。
・簸川神社の脇にある、神輿庫が1階に並んだ住宅は、デザインも良く、なかなか印象的。
・簸川神社の入り口に面した近代的な神輿(?)の収納庫と住居は、デザイン的に○。お清めの水がセンサー対応だったりと最新の神社を実感。
・神社に各町会の神輿庫をまとめて設置してあったので、お祭りが盛んなのか?地域の行事を維持していくために、いろいろ工夫されているのを感じた。


■印刷工場街と密集住宅地:住みやすさ(環境、周辺施設、商店街等) 
BBBBBBBBBBCCCC 【2.43】

・小石川植物園と教育の森公園という2つの丘に挟まれた工場地帯で、路地の奥に住宅が密集している。印刷工場は知的情報産業関連の中小企業であり、いつまでも頑張って欲しいもの。
・庶民的な印刷工場街、密集住宅地に面して、天下の東大の広大な付属研究施設(小石川植物園)があるというミスマッチが面白い。
・住工混在のいい雰囲気が残っています。小石川植物園南側の道路が住宅地としては広く、印刷工場の作業場となっていることを見るためには土曜日の方がよかったかも。昔の水路が道路になっているのでしょうか。
・小石川植物園に開いた印刷工場街は広い区画道路をちゃっかり作業ヤードのように使っている感じがした。密集市街地は隣接に植物園の大規模空地があることが救い。
・小石川植物園の緑と、人が働く印刷工場が隣接しており、メリハリのある日常空間だと思う。
・私自身、印刷工場が目の前で月から金曜日まで朝8時から印刷機とフォークリフトの音を感じながら生活しています。平日だったらとてもうるさかったのでDが多いエリアだと思いますが、生活の街の音です
・平日に行ったら活気に満ちていると思う
・小石川植物園の東大総合研究博物館分館の建物が何しろ素敵だった。印刷工場街は片側が植物園と、借景がよくて羨ましい(塀がお粗末だが)。もっとこぢんまりしたマンションが建ってもよさそうなものだが。日曜で工場が閉まっていたので、工場街の雰囲気はあまりわからず。
・あの地域だけ印刷工場が集中しているということに何か街の歴史を感じます。小石川植物園が周辺住宅地に閉鎖的だったのが残念に思いました。地域の借景になるように多少視線的に解放してもらいたいものです。
・向かい側が植物園なのに、無粋な塀があるために、殺伐とした空間になっている。日曜なので印刷工場の状況はよく分からなかったが、工場と住宅の関係は何らかの工夫が必要だと思う。
・すぐ北側に小石川植物園があるのは申し分ない環境といえるが、閉鎖的な施設のため、地域に閉塞感があるのも事実。
・あまり住みやすいとは思えないが、小石川植物園隣接地は良好な環境。
・今日は静かでした。小型トラックもなく・・・。


■白山1丁目地区(西片の崖下、旧遊郭、密集住宅地):住みやすさ(環境、周辺施設、商店街等)
AAABBBBBBCCCCC 【2.71】

・西片の丘と白山通りの間にひっそりと存在する普通の住宅地。小さな商店街、旧遊郭の木造建築、崖下の階段路地、戦前洋風アパートなど、東京の普通の昔の風景が残る穴場か。
・今回の最大の収穫は、ここの旧遊郭でした。独特な雰囲気のある意匠を凝らした建物と石畳の路地が、往時の面影を残している。
・古い木造建築に興味を惹かれた。
・遊郭、現在人が住んでいるのか不明のデザインはおしゃれな集合住宅、そして丘の上の高級住宅と迷路のような中に混在しているのが歩いていて楽しい。遊郭のデザインは仕事人の作品なのでぜひ保存したい。
・東京のただ中に、文明生活が営めるのか心配なほど老朽化した家屋に住む人がいるのに驚いた。旧遊郭には営業されていた時代の空気が依然として漂っているようだ。
・旧指ヶ谷町に遊郭があったのは知らなかった
・これだけ建物の更新が進んでいない密集市街地を見たのは初めて。古いアパートが印象的。
・ちょっと前の東京の風情が残っており、懐かしさがある。
・特徴的な街並み。住みやすさでいえば、いずれは消えていく景色だと思う。
・崖の上と下の家はまるで映画の『天国と地獄』のように対照的。旧遊廓や崖下の古いアパート(?)は、細部が凝っていて中まで見たい気持にさせられる。それにしても段差のある土地に家を建てるのは大変ですね。
・坂の住宅地?
・白山神社を中心にコミュニティがつくられ活性化している様子は、日本人の心を思い起こさせてくれるようななぜか懐かしい安堵感がありました。密集住宅地においては廃屋や独特な虫も多く、安心して安全に快適に暮らすという観点からどれもマイナスに感じられました。
・擁壁が古く危険と思われるものも見かけました。どうしたらいいのでしょうね。密集地には無接道地も形成されています。古い木造住宅地はいい雰囲気という印象よりも、防災上の課題の方を強く感じます。
・崖下は、少し、暗いイメージがあった。


■西片1・2丁目地区の住宅地:住みやすさ(環境、周辺施設、商店街等)
AAAAABBBBBBBB 【3.77】

・意外なようだが、今回の地区の中で一番賑やかさを感じた。
・環境もよく、駅や商店街などへの利便性も高く、あまり個性は無いが、水準の高い住宅地。
・住宅が整然と並び静かだが、交通の便もよく便利なところだと思う。
・商業施設のオリンピックや、レストランが近くにあり、利便性は高い。
・西片公園周辺は常盤台の住宅地を連想しました。大和郷と違って古い住宅がところどころに残ってることが目につきました。
・台地の上の住宅街は区画も一定規模以上あり水準が高い。新規開発もある程度デザインされたものが見受けられた。
・最後の休憩所の西片公園は、高級住宅地にふさわしいなかなか凝った作りでした。新しく建て替えられた住宅が多いが、中に古い洋館や凝った家がある。
・ミニ開発は、西片のように高級エリアだと高級・ミニ開発になるという発見があった。
・何となく懐かしさが感じられる町。
・有名な都心高級住宅地だが、当日久しぶりに歩いてみて、本駒込、千石地区に比べて、なぜかもう一つ魅力に欠ける気がした(その理由は良くわからないのだが・・・)。
・坂の上の地域なので、下界の騒音から離れて安心して暮らしているという空気が漂っている環境だと思いました。日常の買い物には一苦労しているのではないかとも予想されます。
・ここも高級住宅地だが、大和郷、林町と比べるとやや劣る


■あなたは今回歩いた地区で、どこの地区に住みたいですか?その理由は? 
○本駒込6丁目(大和郷住宅地)地区 ★★★★★★
・歴史を感じさせる地域であり、山手線の駅にも近く、下町の地域にも近い。
・環境と利便性が高い。
・環境の良さ
・住宅地として落ち着いている。
・高校時代からたまに授業をさぼって六義園及びその周辺を歩きました。最近では六義園はお散歩コースのひとつ。なじみがあります。
・物理的な立地の良好な環境が全て整っていると思います。ただ、ヒューマンスケールで作られるコミュニティの形成が希薄に感じられるのが残念です。敷地の大きさと外部への閉鎖度は比例しているように感じられますが、それは日本人の本質なのかなと思いました。
○南大塚1丁目・千石3丁目(旧丸山町住宅地)地区 ★
・静かで、南向き斜面の立地が明るさがあってよい。
○千石2丁目(旧林町住宅地)地区 ★★
・環境の良い住宅地だが、高級住宅地のような敷居の高さが無く、教会や神社、植物園もあって、地下鉄駅や商店街にも程よい距離だし、楽しい生活ができそう。(どこの地区も魅力的で住んでみたいが、あえて挙げればここ)
・やはり23区内にあって小石川植物園ほどの緑が毎日拝めるのは魅力。白山駅周りも結構便利でしゃれたお店があるようだし。交通のアクセスは、大和郷地区の方が便利ですが。
○印刷工場街と密集住宅地
○白山1丁目地区(西片の崖下、旧遊郭、密集住宅地) ★
・文京区の住宅地はどこも非常に良いが、単に住宅地としての環境が良いだけでなく、旧遊郭など、ちょっと妖しい雰囲気もあるところがいい。
○西片1・2丁目地区の住宅地 ★★★★
・環境の良さ
・静かな住宅街ということで
・都心に住むイメージがないため選択しにくいですが、しいてあげれば、近くに文学的歴史資源がそこここにあり、親しみ易い感じがした。
・近所付き合いが出来そうな気がする
○特になし ★
・商店街育ちのせいか閑静な住宅地だと落ち着かない。散歩するにはもってこいだが、住みたいとは思わない。

■その他、今回の企画等について(ご自由なご意見を)
・とても楽しい一日でした。本駒込の超高級住宅地に始まり、千石(丸山町、林町)の知られざる高級住宅地、一転して小石川の印刷工場街や白山神社の門前商店街、白山下の隠れ里のような裏街に至るという多彩な企画でした。また、途中では、植物園内の東大博物館の摩訶不思議な展示や、紫陽花まつりで賑わう白山神社、白山の旧遊郭や戦前洋風アパートなど、意外なみどころも満載でした。今回の街々は、私自身の高校時代のテリトリーでしたが、脇野さんの案内で今回始めて知った場所も多く、新鮮な驚きです。脇野さんは、本当に「散歩の達人」だと思いました。ありがとうございました!(大竹亮)
・やや暑く、歩き通しでしたのでちょっと大変でした。イベントや施設スポットがコースに入っていたので、休憩ができましたね。(小俣元美)
・文京区は中心のない地味な区なのですが、今回の企画は、住宅地と地形を丹念に歩いて、その良さを味わうという、とても面白いTEKU-TEKUでした。コーディネーターの脇野さん、お疲れ様でした。次回も期待してます。(栗原徹)
・旧町名ごとの住宅地ごとの違いよりも、武蔵野台地の上と下での違いを意識しました。それをつなぐ(隔てる?)崖線の処理が難しいことを改めて認識しました。ミニ開発でも、路地状敷地部分を共用空間のようにすると、壁などで区切るのと異なったいい表情を見せていました。自動車が駐車していると印象が異なるかもしれません。どうもありがとうございました。(小林正樹)
・都心にこそ、緑豊かな良好な住環境が点在していると思います。交通便も良く、歩ける距離にもいろいろな環境に出会え、街の歴史も楽しめるという都市生活の優位性をあらためて感じました。今回は、文京区を探検させて頂き、街の奥の深さを感じました。楽しい企画をありがとうございました。(庄山典子)
・直線距離でみたら3km位を5時間近く良く歩きました。梅雨の谷間の好天の日で歩けたのが何よりでした。(千川明)
・住宅地散歩といっても迷路をめぐるような密度の濃いコースでした。ベビーカーでこのコースを下見された脇野さんのパワーはさすがです。ありがとうございました。Teku-tekuで色々なまちを見てきましたが、自分自身住みたいまちとして文京区にたどり着きました。住みやすさ、周辺施設、商店街は★★★だと思います。(野中るみ子)
・お子さん連れのお散歩コースだから車の少ない住宅地めぐりになるのは想像できたが、地区ごとにまちの表情が違うのに驚き、脇野さん母子のハンパでない歩きこみに圧倒された。私自身が大学時代に住んだまち(千石2丁目)のはずが殆ど知らない道ばかり、せっかくの青春時代を寄り道もしないで過ごしたことが悔やまれる。(平井志都葉)
・前半の高級住宅地から後半の密集市街地など台地の上と下の住宅地の水準の差を改めて知らされた。坂道はまちの表情が変わる分岐点だと理解しました。今回も地形がまちを読み解く最初の鍵でしたが、文学的資源も多く、町への親しみを感じました。コーディネーターの脇野さんに感謝です。(古里実)
・小石川植物園横の東大総合研究博物館分館が良かった。無料でありながら展示も変わっていておもしろかった。小石川植物園は、是非通り抜けができるようにしてほしい。(水谷晴子)
・東京の山手住宅地の景観を堪能した企画でした。駅から少し離れている地区も多く、なかなか行く機会もなかったのですが、様々な住宅地を見ることができました。第2弾を期待しています。(溝辺正浩)
・脇野さんがふだんお散歩をなされているからこそ可能な、小道や抜け道など散歩の達人のみが知りうる道や、スポット満載の、充実の長距離のコースで面白かったです。有難うございました。それにしても今日の日中は暑かった。7、8月は覚悟が必要ですね。(矢口晴美)
・大変良い企画でした。時々歩いている地域ですが、事前調査のおかげで楽しみが増しました。ありがとうございました。(山口天)
・家の近所なので参加しましたが、駒込周辺があんなに立派な邸宅街だとは知らなかったことを反省してます。六義園、古河庭園はよく散歩に行くのですが、その周辺もじっくり歩いてみたくなりました。でも、ほとんど坂のないところに住んでいるので、坂のある町はどうやって生活をするのか不思議でしょうがないです。脇野さんが毎日激しい散歩をされているのかと思うと、すごいなと感心してしまいます。コースの設定のためいろいろ準備されたと思います。お疲れ様でした。(山中洋子)



◆コーディネーターより

<今回の企画、コースについて>
今回の企画は、文京区の高級住宅地(一般的にはメジャーではない)のある「坂の上の地区」と、住工混在地区であったり、旧遊郭があったり、密集住宅地であったりする「坂の下の地区」の、住宅と住環境に重点をおきました。コースは、名前のついている坂だけで14箇所、他に境内や歩行者専用の階段が5箇所。駒込〜春日間の直線3kmの距離ですが、たっぷり寄り道をして歩きました。
当日リクエストがあり、コースを外れて立ち寄ったマンション(通るたびに奇抜だなあ、と思っていた)が、実は日本のガウディ『梵寿綱』設計だったことは大竹さんに教えて頂きましたし、野中さんのフォローで、登録有形文化財である「東京諸聖徒教会」の礼拝堂に入ることが出来ましたし、下見ではどうしてもわからなかった白山の旧遊郭は桜川さんにご案内頂くことができました。皆さんのご協力で、より充実した街歩きとなり、どうもありがとうございました。
<参加者の評価やコメントから>
大和郷住宅地は、六義園に隣接した良好な住宅地であり、皆さんからも高い評価を頂きました。しかし、ここ数年の白山通りに開発される中高層マンションは、第一種低層住居専用地域という低層住宅に対して最も配慮を求められている地域と、大通りに面した商業地域が隣り合わせになっている、都市計画制度の問題を浮き彫りにしています。数年後には、ドミノマンション群に囲まれ、日影の伸びた寒々とした住宅地になっているのでは、と危惧する声もあります。むしろ、規模は小さいながらも旧丸山町、旧林町、西片は、今後も住宅地としての良好な環境が維持されていくのでは、と感じました。住宅地、工場街、旧遊郭、密集市街地と歩きましたが、白山通りや不忍通り、千川通りを車で走るだけでは、その様子を伺い知ることは出来ません。歩き通しでしたが、住宅地の中に入りこんで歩くことで、皆さんと新鮮な発見や驚きを共有することができ、コーディネーターとしては非常に嬉しく思っております。
<最後に>
コーディネーターの都合で土曜日開催が困難だったため、平日の印刷工場の様子をご案内できず、お詫びします。白山神社の紫陽花も、満開には今一歩だったのが残念です。それはそれは見事なんですよ!毎年開催していますので、今回は参加できなかった方も、是非、一度お運びくださいませ。
子育ての日々の中、今回の企画が開催できたのは、娘との散歩コースであり、日常生活圏だったからです。地図を片手に下見をしたり、図書館や区役所で資料を集めたりと、企画準備段階からわくわくしながら楽しませて頂きました。企画後に皆さんから届く評価やコメントは、大変嬉しく、興味深く拝読させて頂きました。
家と駅とを往復するだけの生活をしていた時期には、こんなにも文京区に坂が多いことも知らなかったのです。子供との地元に密着した生活を始めると、区内を移動する機会が増え、坂を上り下りするとこんなにも町の表情が変わるものかと驚愕し、地元をひたすら歩き回ることを楽しみにしてきました。初めての企画で不十分な点もありましたが、大好きな街歩きに没頭する時間と機会を与えてくださったTEKUTEKUに感謝すると共に、梅雨の合間の蒸し暑い中、参加者の皆さんにはありがとうございました。今日もまた、寄り道をしながら歩いています。(脇野真澄)

大和郷住宅地(本駒込6丁目)
宮坂と旧丸山町住宅地(南大塚1丁目・千石3丁目)

公社丸山町住宅から氷川下へ降りる階段 

東京諸聖徒教会(旧林町住宅地内)

東京大学総合研究博物館小石川分館(旧東京医学校本館)

小石川植物園と印刷工場街

白山神社の「文京あじさいまつり」

旧遊郭(白山1丁目地区)

西片の崖と白山1丁目地区の密集住宅地 
西片1・2丁目地区の住宅地

 

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