自由研究38■中野・練馬・杉並企画2005.8の記録


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東京ハウジングコレクションその4−中野・練馬・杉並の市街地集合住宅

【日 時】2005年8月20日(土)14時〜18時
【コース】西武池袋線・桜台駅〜桜台アパートメント(SELFISH)〜江古田アパートメント(ROY-HOUSE)〜ライブタウン沼袋〜ラビリンス〜桃井三丁目地区〜荻窪駅(解散)
【参加者】大竹亮、溝辺正浩(コーディネーター)安藤文、井手幸人、大場明夫、栗原徹、千川明、藤井正男、本庄創、水谷晴子、脇野真澄、(事前調査参加)原久子、古里実 計13名
オプション(上鷺宮ハイツ):大竹亮、栗原徹、溝辺正浩 計3名


【参加者による評価】

S(周辺との関係)、K(敷地内の環境)、D(デザイン)、R(生活利便性)、総合の5項目をA〜Dの4段階で評価、集計。


1.桜台アパートメント(SELFISH)S:3.17 K:3.00 D:3.33 R:2.83 総合:AAABBBBBCCCC (2.83)
○私鉄駅前のヒューマンな商店街にあって、ファサードを両隣と並べながら、内部に思いがけない豊かな共用空間(階段、テラス、屋上廊下)が控えている。迷路状なのも面白い。
○厳しい敷地条件ながら、駅前の商業地に連続したファサードを構成し、融和しており、都市居住に対する明確な挑戦。小気味良い構成で評価できる。光の取り入れ方に工夫が感じられるが、敷地の制約が厳しい。
○狭い敷地にうまく配置されていた。
○デザインとしては頑張っているが、住むには使いづらそう。
○デザインしているが住宅ではなくなっているのでは。
○家族で住むには相応しくないが、SOHO的に活用するなら悪く無い。
○居住するというイメージがわかない。店舗・事務所なら良いけれど。
○外部廊下の空間は良いと思いますがそれを作るために大変な犠牲が生活空間にある様に見える。
○1Fテナントの表出による処が大であるが、チンドン屋になろうとしている。大阪の下町に合いそうな気がする。日々の生活に支障が出ている収まりが目に付く。


2.江古田アパートメント(ROY-HOUSE)S:3.83 K:3.17 D:3.67 R:2.00 総合:AABBBBBBBBBC (3.17)
○落ち着いた住宅地にあって、特徴あるザインが違和感なく周囲にとけ込んでいる。隣接するオーナーの邸宅との関係が工夫され、変化に富んだ共用廊下・階段が楽しい。
○静かな住宅街にあって、特徴的なデザインを有している。通り側の都市的表情が角地として特徴的であるが、住宅性能に若干の心配がある。SELFISHに比べれば閑静な住宅地にあり、デザイン上の対比があれば興味深かった。
○隣接地主との関係がわかるデザインが好ましく感じられました。
○よくも各戸のデザインを変えられた。
○見た目のデザインは悪くないが、自転車が路上に置かれているなど、基本的な部分に問題がありそう。
○生活空間は確保されているようですが今ひとつ外部空間はもう一つ。
○階段が急でこわい印象をもった。
○桜台よりは住みやすそうですが、洗濯物、自転車等のスペースがなく建物からあふれ出ている。
○危なっかしい階段と踊り場が気に入ってしまった。但し、物騒な不審者の目を逃れることは困難。
○集住体の中で各戸の存在を何とか表現しようとしているのは理解できるが、安易な材料の使い方や各部の収まりの稚拙さが目に付く。


3.ライブタウン沼袋  S:4.50 K:4.67 D:4.33 R:3.91 総合:AAAAAAAAAAB (4.82) 
○非常にすぐれた低層タウンハウス。周辺となじんだ高さ、中庭を囲む配置、品格あるデザイン、そして、古さを感じさせないほど丁寧に手入れされた様子から住み手の想いが伝わってくる。
○明確な集住体のあり方の典型である中庭配置型。建物のデザインに当時の息吹が感じられる。
○周辺の環境にフィットしている理想的な集合住宅。これも増改築がなくうまく住みこなされてきた成果ではないかと思います。管理組合が素晴らし!!
○中庭を囲む住棟配置が程よいスケール感で、周辺との関係も良く配慮されている。管理水準も高く、今でもまったく古さを感じない。
○丁寧に作ってあるなと思いました。更に住んでいる人が大切に使っているのが良くわかる状態で、設計した人は良かったなと思いました。(設計と住民が相思相愛って感じがいい)
○住棟や駐車場の配置のしかたが良い。居住者の管理も行き届いていた。
○低層だと落ち着きがある。
○教科書的なタウンハウス。デザイン上の意図が明確で、居住性能も高い。エントランス周りのデザインにも緻密な工夫が見られるとともに、居住者が丁寧かつ大切に暮らしていることが感じられ、都市づくりのお手本のような計画である。中庭のしつらえは当時の傾向であろうが、今となっては若干無機的な感じがする。
○中庭をとるということが、いかに素晴らしいかを再発見した。近年、このような集合住宅が少なくなっているのが残念。但し、通過者が敷地内に立ち入ることには勇気がいる。
○欧米人向けの住宅と言う感じ。


4.ラビリンス  S:4.82 K:3.91 D:4.09 R:3.55 総合:AAAAAABBBBC (3.91) 
○非常にユニークな集合住宅。高さの違う広場やあちこちの階段・通路が組み合わさった中庭は、通り抜けできる迷路のよう。広い表通りや裏の住宅地ともなじんでいる。
○入口から見ると各住戸に通じる階段が輻輳化し楽しい囲い込み空間を構成している。また色もこの楽しい空間を演出している。
○敷地中央部の空間は、つい歩き回りたくなる不思議な雰囲気を生み出している。
○通りの表情を作った上で中庭形式で住戸を構成しており、極めて都市的な計画である。中庭が、住み手と外部との関係で微妙な共有領域を形成していて興味深い。建物の傷みが気になった。
○自転車やバイク、バギーを玄関前に置いても許されるのは、迷路のような配置の巧妙。障害者や乳幼児がいるとバリアフリーこそ最良なものだと思ってしまうが、立体的な空間を楽しむことができるのも、集合住宅ならでは。
○賃貸住宅でここまで外部空間のデザインにこだわったことを評価したい。
○ライブタウン沼袋と同じ中庭配置型。両方を並べると中庭配置案の今昔という風に見えて面白い。建物の収まりとしては熟練と未熟であろうか。
○無機的なデザインの上、あまり管理がよくないせいか、よい印象をもてなかった。
○階段がいっぱいありうるさい感じ。


5.桃井三丁目地区  S:3.73 K:4.82 D:3.73 R:3.36 総合:AAAAABBBBBB (3.91) 
○相当がんばった都市再生プロジェクト。青梅街道沿いの店舗、美しいプロムナード、広々した防災公園が有機的につながっている。住宅や保育園が直接公園に面しているのがいい。民間住宅や福祉施設のデザインはやや閉鎖的で重たいが、UR賃貸住宅(遠藤剛生設計)のデザインと開放性は高く評価したい。
○緑がこれだけ豊富な都心の住居はなかなかない。各住棟間のデザインも考慮されていて街並みとしても楽しめる。街としてどの様に発展していくか今後楽しみ。
○この地域で大規模な空地が確保されることは素晴らしい。住宅地の部分は全体としては悪くないが、シンボルツリーと住棟が接近しすぎているのが気になった。
○様々な住宅供給主体がデザインガイドラインを元に構成しており、その調和と多様性のバランスが押し付けがましくなく自然である。街路沿いの機構賃貸住宅のデザインには、疑問を感じる。
○群建築を設計する場合に必要なのは「かろやかさ」です。地震国であるが故の柱・梁の太さを先天的に受け入れて反省もしていないデザインには、根本的な建築哲学の不足を感じる。
○最近はやりの建物デザインをよせあつめたという印象。敷地内に残された立ち木がよかった。
○事業者が異なる中、よくここまでできているな、と思った。
○工場跡地の大規模空間の資産をなんとか活かそうとしている。
○ロケット発祥の地ではあるがスカイラインの産まれたところ。


オプション:上鷺宮ハイツ  S:3.67 K:5.00 D:4.33 R:3.00 総合:AAB (4.33) 
 ○バス通りに面して中層棟を配し、住宅地側には瓦屋根の低層棟を配して、周辺環境と調和している。デザインにも品があり、中庭を囲む落ち着いた雰囲気は別世界で、まるでリゾート地のよう。
 ○空間的には周辺との調和がよく考えられており、中庭を囲む配置によって優れた住環境が確保されている。欲を言えば、バス通りに対して店舗などがあるともっといい。
 ○にぎやかなバス通りに面しながら閑静な中庭を確保する閉鎖性と、住棟高さの使い分けによる周辺環境への配慮を兼ね備えた、優れた配置計画。


 

自由記入欄
■ 桃井三丁目地区の原っぱは、今後公園(防災公園)として整備される予定です。どのようなしつらえの公園として整備されるのがよいと思いますか。

○やはり原っぱが基本だと思います。したがってあまり整備しすぎないようにすること。管理も市民参加が図られることを期待します。
○防災機能は確保した上で、普段は今のように何もない広い原っぱ(原風景)がいい。
○現在の自然環境を重視した広場としあまり人工的なデザインをしないほうがいいと思います。
○あまり作り込まずに、自然な方が良いのではないかと思う。その方が、作り込まれた住宅街区との対比も効果的と思う。東京の都心で、あれだけ自然な「原っぱ」は貴重なのではないかと思う。
○地面はこのままであってほしい。最近、舗装された公園が多い。
○幕張ベイタウンのような原っぱ
○このまま、原っぱのままを生かして欲しい。
○現状のままがよい。
○特に災害という緊急時ですからパニックになりやすいでしょうから、誰にでも解りやすく必要なもの(機能)が容易にわかること、作業するものは簡単であることが求められると思います。
○大きくなる木をたくさん植えて、将来は森のようにするのがいいと思う。町会ごとに1本ずつ苗木を植え、災害時には各々の町の人が自分たちが植えた木の下に集まるようにする、なんてのもいいのでは。
○食料供給もかねて、市民農園は難しいでしょうか。


■ 今回の集合住宅の中で、あなたはどこに住んでみたいですか。(理由も)
○どこも住んでみたい:1人(SOHO)なら桜台アパートメント、2人(DINKS)ならラビリンス、4人(family)ならライブタウン沼袋か。桃井の原っぱに面するUR住宅も捨てがたい。
○ライブタウン沼袋
・低層でヒューマンスケールで変化もあり、とてもよかった。
・公園や周辺が居心地のよさそうな感じ。
・低層で、周辺とうまく溶け込んでいる。
・中庭がありゆとりがあり住宅内のコミュニティがありそう
・明快な構成と居住性能の高さ。
・住宅地として必要な要素が高いレベルがバランスしている。
・生活しやすそうだし、約30年も経ているのに建設当時の環境(デザインも含め)維持されている。
○桃井三丁目の防災公園に向いた住戸:大規模緑地空間を窓辺にできるから(ハートアイランドの高山邸を連想して。)
○江古田アパートメント(ROY-HOUSE):単身者として、こういう家に住みたかったと思う。危なっかしい階段を上った2階の踊り場のドアを開けたら、自分の部屋、という生活が新鮮に感じる。
○住みたい建物はなし。


■ 今回に限らず国内外を含め、あなたが住んでみたいと思う集合住宅を3つ挙げて下さい。(理由も)
○ライブタウン浜田山(杉並区):利便性と環境が両立し、デザインも優れている。りりぱっとハウス(神戸市):中庭やテラスがあり、お店も入って楽しい。アーバンライフゆりの木通り東(板橋区):街路から各戸に入るストリートタイプが珍しい。
○下落合の集合住宅(アパートメント鶉の作者と同じ):共同の庭からの家へアプローチがいい。住民が住むことを大切にしている感じがある。アパートメント鶉:よさを解って住んでいる感じがする。
○桜ヶ丘(青葉台・内井昭蔵設計):各住戸のエントランスまでの通路にストーリー性があってよかった。大森ハイツ(大森山王):周辺の緑が豊かです、建替え後も建替え前の緑を大切にするコンセプトがきちんといかされている。
緑が浜ハイツ(茅ヶ崎):中庭を囲んだ変化のある配置計画 中庭を通らなくては各住むとにいけないなど、大人のコミュニティとしての工夫がされている。
○松蔭エコビレッジ:地主の母屋とも連携したエコロジー型コーポラティブハウスだから。経堂の杜:筑波方式+エコロジー型コーポラティブ第1号だから。あるじゅ:賃貸型コーポラティブのコミュニティーが濃いこと。
○広尾ガーデンヒルズ:豊富な緑が素晴らしい。
○代官山ヒルサイドテラス:立地・環境・空間構成・デザイン全てにおいて○。木場三好住宅:下町型住宅として、界隈感と安心感のある中層高密度。シティコート山下公園:横浜関内という開港都市の雰囲気とデザイン。
○代官山ヒルサイドテラス:ストリートに面した複合空間がいい。木場公園三好住宅:下町の雰囲気に馴染んだ落ち着いた空間がいい。茨城県営長町アパート:中庭を囲んだ空間構成がいい。
○ラルフ・アースキンのバイカーの集合住宅(イギリス):低コストでありながら各住戸は個性的なデザインを施し、それで全体がまとまっている。また住棟で囲まれた緑が豊かでヒューマニックな迷路空間を歩くとホッとする傑作。
アンドリュー・トーマスのガーデンアパート(NY・クイーンズ・ジャクソンハイツ):田舎の自然環境と近代の重層した住まいを如何組み合わせ低コストで供給するかといった開発テーマに対して素晴らしい解答を提示した集合住宅。今でも1920年代後半の集合住宅がそのまま活用されている。ジャクソンハイツにあるガーデンアパート群の街区は今後の道路・都市住居・自然の関係を再考するのにいいモデルある。
アウトのキーフフゥク集合住宅(オランダ・ロッテルダム):1927年に竣工した近代建築の名作。今でも改修され市民住宅として活用されている。アウトのファンとしては一度住んでみたい集合住宅である。
○幕張ベイタウン:中庭を囲む住棟それぞれに特色があるにもかかわらず、街としての統一感があり、1階は店舗であるのに落ち着いた雰囲気がある。文京区千代田区あたりの住居系に立地する、低層マンション:都心にもかかわらず、落ち着いた、閑静な立地にありながら、利便性も高い。都心の低層マンションは周辺への配慮が感じられる。
芝浦アイランド:東京湾を臨むタワーマンションに一度は住んでみたいという気持ちをこめて。
○ローエのレークショアドライブ:建物のデザインと環境。ユニテダビタシオン:個と集合のあり方とそのデザインの表出。


■ 都市型集合住宅(既存の住宅地の中に建つ)の計画上、どのようなことが大切だと思いますか。
○(1)周辺に配慮していること、(2)厳しい敷地条件の中でいかに居住性能を確保するか、(3)ともに住んでいることを意識させ、居住者間のさりげない関係が意図されていること。
○周辺環境や隣接地の状況を深く読み込み、地区全体の都市環境を向上させるとともに、住戸の居住性も確保すること。たとえば、周辺に合わせた高さや壁面線、開放された通り抜けや広場、穏やかで良質なデザイン、居住性を向上させる中庭や緑地など。
○周辺の環境と如何に融合することだと思います。また、計画した住棟内の囲まれた空間を如何にデザインするか重要な要素だと思います。
○用途地域にかかわらず、周辺との調和が大切だと思う。こと、第一種低層住居専用地域に隣接する沿道商業地域の場合は、高さの面での配慮が求められるべきである。
○既成市街地の集合住宅は、周辺の市街地との関係に配慮することが重要であり、それと集合住宅としての環境やプライバシーの確保などのニーズがせめぎあうことによって、大規模開発にはない、空間的な面白さが生れてくる。その点で、北側を防災公園にしている桃井3丁目地区は、ちょっと安易な気がする。
○今回見た住宅は通り抜けられるものが多かった。最近の集合住宅は、防犯上の観点から、周辺から完全にシャットアウトするようなものがふえている。道路側に緑地を極力増やし、デザインも主張しすぎないことが大切であると思う。
○集まって住むことによさを見出して欲しい。一人一人の生活ばかりでなく全体の中に共同の庭があったりとか共有できる空間があることを楽しんでほしい。
○スケールが大きすぎないこと。(量の供給だけにならず)スケールが大きい場合にも路地があったりこまやかな工夫があるとよいと思います。
○気品のある統一性と多様性。
○オーナーが地域の環境にこだわることだと思います。そして、こだわったそのオーナーの住宅経営を支える仕組みも大切だと思います。


■今回の企画について一言
○お互いに住むことを見つめるのに良いと思います。(A.And-)
○事前調査に参加致しましたが、ライブタウン沼袋を通り抜けることができたり、興味深い体験ができました。事前調査もお勧めですね。(H.Har-)
○住宅デザインにこだわったプロジェクトを時代別に見ることができ興味深かったです。さらに、既に無くなってしまったものも含め、その後の住宅経営まで評価できると、おもしろい研究論文になりそうですね。大竹さん、溝辺さん、ありがとうございました。(M.Hur-)
○暑かったですが、バスを駆使して効率よくたくさん見ることができました。ラビリンスとライブタウン沼袋は、中庭があって似たような配置ですが、ラビリンスは建築当時に比べ荒廃している感じ、一方、ライブタウン沼袋はうまく更新されている印象をもちました。2つの印象の違いはいったい何からくるのかと考えさせられました。(H.Miz-)
○暑かったが移動がバスだったので楽に行程をこなせた。(A.Chi-)
○暑い1日でしたが、見たいと思っていた集合住宅を効率よく見れました。暑い中、下見をしていただいたコーディネーターの方々、ありがとうございました。(M.Huj-)
○個性的な集合住宅を巡るという今回の企画は、集合住宅を見つつ、建築と市街地との関係を意識させるという点で、非常に面白かったと思う。例によって、バスを駆使することで、多くの集合住宅を効率的に見られました。大竹さん、お疲れ様でした。(T.Kur-)
○既成市街地内の、築年数を経た優れた集合住宅の住環境は如何なる点が守られてきたのか?を検証することはとても興味深いテーマだと思います。溝辺さん、大竹さんありがとうございました。今後の企画を期待しています!!(Y.Ide-)
○小規模ながらデザイン性の高いもの、タウンハウス、大規模開発と、さまざまであったが、大変興味深く、また有意義な企画でした。どうもありがとうございました。アトリウムをみることができなかったことが、残念です。(M.Wak-)
○当事者の方々にいつも感謝しております。ありがとうございます。(A.Oob-)



□コーディネイターより
今回の企画は、私が10年ほど前からひそかにあたためて機会をうかがっていたものです。ライブタウン沼袋(沼袋)、アトリウム(鷺宮)、ラビリンス(下井草)、第二大地の建築(東伏見)と、西武新宿線沿線に点在する小規模ながらデザイン密度の高いインフィル型集合住宅の珠玉作品を巡る内容でしたが、今回いざ企画してみると、第二大地の建築は昨年取り壊され、ラビリンスは所在不明でした。そこで、2つの小さな集合住宅(桜台+江古田アパートメント)を入れて急場をしのぎ、最後にやや大きな桃井3丁目地区を訪れることにしました。古き良き時代のタウンハウスから、バブル期のデザイナー住宅、そして最新の都市再生プロジェクトと、時代の変化を感じ取りながら巡ることができたでしょうか。その途中の住宅地を歩くのも楽しかったですね。次回の東京ハウジングコレクションは、東京西郊・武蔵野に広がる小平、東久留米、清瀬の住宅地を採り上げたいと思います。私自身も25年ぶりに訪れるので、どう成熟しているのか楽しみでもあり、不安でもありますが、ぜひ一緒にどうぞ。(大竹 亮)
 私自身、今まで話には聞いていたが見るのは初めて、といった住宅が多かったので楽しんだ企画でした。一方で、当初予定していた住宅がなくなっていたり、所在が分からなくなっている等、民間賃貸住宅の維持の意外な難しさを感じた企画でもありました。皆さんも暑い中お疲れ様でした。(溝辺 正浩)


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