teku-teku私たちの街を歩こう

私たちの街を歩こう■麻布、白金企画2005.12の記録

TEKU－TEKU 私たちの街を歩こう！「港区の丘の街と谷の町（上の街と下の町）～いぶし銀の白金を歩く～」

【企画趣旨】
港区白金というと「シロガネーゼ、プラチナ通り･･・」と連想されることがしばしばです。一方、白金にはそれとは違った一面もあります。白金1･3･5丁目地区には昔から町工場が多く存在したのですが、地下鉄開通後、その町工場が次々とワンルームマンションに建て変わりつつあります。また坂が多く、坂の上と下では、超高級住宅街～昔からの庶民の町と全く違った表情をみせます。今回は、白金の奥深く、住工商混在の起伏に富んだまちを、皆さんと訪ねてみたいと思います。　　　　　　　　　　

【日時】2005年12月17日（土） 13時30分～17時30分
【コース】白金高輪駅～白金アエルシティ～白金１丁目（町工場多し）～四の橋商店街～白金三光坂（高級住宅街）～聖心女子学院正門～東大医科研・近代医科学記念館（休憩）・旧国立公衆衛生院白金庁舎～白金６,5丁目～北里通り商店街（古い家を改築した和風バーなど）～広尾商店街
【参加者】計１９名
上山晶子、○原久子、○千川明、栗原　徹、古里実、桜井ひろみ、井手幸人、矢口晴美、○山根純一、○脇野真澄、陽子、○野中るみ子、○溝辺正浩、○村松紀明、○櫻川惠一、○廣瀬敦子、森正代、
コーディネーター ◎水谷晴子、◎大竹　亮（○印はオプション参加、オプション参加者計１２名）

【参加者の意見】
１．白金のまち全体（ＡＡＡＡＡＡＡＢＢＢＢＢＢＣＣ）評価３．６７ 　　　　　
評価Ａ●丘と谷でまちの様子が変わるが、それぞれの味わいが良く出ている。ヒューマンスケールなので、どこまでも地図を片手に歩き続けてしまいたくなるまち。
評価Ａ●丘の上の超高級住宅地と谷筋の密集市街地とのコントラストが非常に明瞭な街である。迷路のような路地や坂道、美しい並木道、豪壮な大邸宅、歴史的建築、庶民的な商店街、小さな町工場、古いアパート、古民家再生のショップなど、都市の諸相がこの街の中に詰まっている。典型的な東京内部市街地の街。
評価Ａ●以前、水谷さんが作成された六本木ヒルズのすばらしい一筆書きマップのように、白金のまちの様々な場所をめぐることのできた密度の濃い企画でした。（下見の時以上に楽しかったです。）ありがとうございました。
評価Ａ●閑静な高級住宅街と活気ある商店街の両方が楽しめる
評価Ａ●高級住宅地白金と準工地区の白金の対比がとても面白かった。
評価Ａ●土地の起伏と合わせていろいろな表情をみせるまち
評価Ｂ●そこかしこに魅力が生まれているのが良い。
評価Ｂ●山手線の内側でありながら、これまでどこの駅からも遠かったために、かつての東京のイメージが残っている。地形によって、住工混在地域と高級住宅地とが明確に区分されており、東京の都市構造の典型といえる。
評価Ｂ●かつての陸の孤島が地下鉄開通で急速に変貌していることを知りました。いま建設中の地下鉄１３号線(渋谷～新宿三丁目～西早稲田～池袋)が開通したら、またどこが変貌するのだろう？
評価Ｂ●新・旧、山手・下町のギャップがすごかった。
評価Ｂ●坂の上、下にギャップがありすぎ　
評価Ｃ●奇数丁目と偶数丁目の対比は今回初めて知りました。道一本でお屋敷町と工場地域に分かれたその経緯を知りたいと思いました。一般的に大きなお屋敷は相続の際小さく分譲され、工場等は世代交代の際消えていくという流れにあり、街の特徴がどんどん消えて均一化していくように思いますが、１０年後、２０年後に今と同じように奇数・偶数の差異があるのか見てみたいと思います。
評価Ｃ●それぞれの街区の差が大きくて消化できていないせいか、町全体としてとくに突出した魅力を感じられなかった。目黒通り界隈はまだ変遷中だが、地下鉄の開通、道路拡張とマンションの建設等が連携して計画的に町作りができていたら、もっと魅力的な町並みになっていたのだろうなぁと残念に思う。

２．アエルシティ白金高輪（超高層タワー、広場、商業施設、工場街区）（ＡＡＡＡＡＡＢＢＢＢＢＢＢＣＣ）評価３．５３　
評価Ａ●従前の工場の機能が継承した上で、地区のイメージもアップさせた、工場街区のまとめかたはすばらしい。
評価Ａ●超高層タワー型の再開発だが、地下鉄駅に直結した広場、広い舗道に面する店舗、それに町工場を残した工場街区など、なかなか頑張っている。
評価Ａ●超高層ビルはさほど珍しいとも思わなくなりましたが、町工場を取り込んだ再開発は珍しい。これで今後、長期にわたって工場経営が継続できるのかどうかが、興味深いところです。取引先はどこにあるんだろう？やはり港区近辺の会社なのかな
評価Ａ●再開発事業に際して、工場を転出させず、別街区で残している。また、分棟型の配置計画によって生み出された、変化のある屋外空間がなかなかいい。
評価Ａ●工場と共存しているのがよい。
評価Ａ●以し開発前の街をみており、関係したものとして、地権者も多様で多く、「よくぞできた」と驚きです。工場もカッコヨク残されて。工場をどうするかは議論当時議論になっていました。平日工場が稼動しているときに再度訪問してみたい。
評価Ｂ●ここに見る工場街区のような再生の方法は初めて見たので、ポイント高し。
評価Ｂ●住工混在地区を再開発にまとめ上げたことにまず評価。
評価Ｂ●再開発後に町工場が戻ったのはユニーク。
評価Ｂ●町工場が生かされているのがよい。
評価Ｂ●工場街区は、意識しないと見過ごしてしまうほど一体となっていた。空き店舗が多いことが懸念材料。
評価Ｂ●やはりビル風がすごいが、エコカラー（緑）で統一されてよい。工場再生街のアイディアに希望の予感？
評価Ｂ●テナントが歯抜けなのはちょっと淋しい
評価Ｃ●まさにビル風を感じる名前の由来どおりのアエルシティでした。
評価Ｃ●再開発の中で街の持っていた特長のひとつである工場を機能的に整備したことなど、今回のTEKUTEKUに同行させてもらわなければまったく知らずに、「あ～また高層ビルができたんだ」で終わっていました。ビルが美しくそびえたつ割に何か非常に活気のない寒々しい感じがしたのは、休日だったからでしょうか。

３．白金１・３丁目地区（町工場、密集住宅地、四之橋商店街）（ＡＡＢＢＢＢＢＢＢＢＢＣＣＣＣ）評価２．７３　　　　　
評価Ａ●白金の谷筋には、下町然とした住宅地がしっかり根付いていることを知りました。狭い路地は危険かもしれないけど、住んでみたら落ち着けそうな街でした。
評価Ａ●下見をした１１月はあったかかったせいか四之橋商店街に面した公園の集合住宅は洗濯物がせりだし、人々が集いアジア！だったのですが寒かったせいかインパクトが薄くなってしまいました。
評価Ｂ●四之橋商店街は、港区白金であることを忘れてしまうほど人情味溢れていた。
評価Ｂ●住工混在の密集市街地であり、工場がマンションに変わりつつあるが、四の橋商店街の市場や共同住宅には生活感があふれている。
評価Ｂ●元気な商店街はいつ歩いても楽しい
評価Ｂ●工場が住宅に建て替わっていますが、ところどころ昔の木賃アパートなどが残るほっとする地区。
評価Ｂ●町工場が健在であること。四の橋商店街が元気なのにホットしました。
評価Ｂ●四之橋商店街がまだ健在でうれしい
評価Ｂ●いろいろなものが混在した街として面白ので可能ならそのまま残ってほしい
評価Ｂ●いまいち活気がないところが心配
評価Ｃ●トマソンが潤沢にある？ごちゃごちゃした町並みが面白い。四之橋商店街もところどころ面白いお店があって、活気が感じられた。
評価Ｃ●工場で働く人々の住んでいたアパートや市場的商店街など、下町的な雰囲気を持つ住工混在地域。　　　
評価Ｃ●つい、古い密集住宅などに目がいきましたが、町としてはもう町の文化自体は消えつつあるのかな・・。

４．白金２・４丁目地区（三光坂、聖心女学院、超高級住宅地）（ＡＡＡＡＡＡＡＡＡＢＢＢＢＢＣ）評価４．０７　　　　　
評価Ａ●やはり丘の上は邸宅ですね。聖心女子学院の長いアプローチは、イチョウが吹雪のように落ち葉を散らしていて、映画のワンシーンのように素敵でした。
評価Ａ●イチョウの黄色の落ち葉が舞う聖心女学院への道が印象的だった
評価Ａ●ゆったりと構えた一戸建てが並ぶ超高級住宅地だが、三光坂の手前はマンションになっていて残念である。
評価Ａ●聖心の精神（シャレ）・・古き良き「三丁目の夕日」時代？
評価Ａ●とても緑豊かできれいなとことですが、相続税等でどこまで持ちこたえられるか。（やはり以前よりマンションは増えていた）。ＮＥＷ金持ち層がそのまま住んでくれるとよいですね
評価Ａ●都心部でこれだけ広大な敷地を持つ住宅はやはり中を見てみたい。
評価Ａ●マンションではなく、戸建て住宅の住宅地であってほしい
評価Ａ●車がないと生活しずらいような地区です。夜は怖そう！
評価Ｂ●都内でも屈指の超高級住宅地。聖心女学院への並木道がすばらしい。
評価Ｂ●とにかく超高級住宅が多い。表札がローマ字表記が多かったのが印象的。
評価Ｂ●聖心女学院の緑は貴重
評価Ｂ●個々の敷地は広く緑が多く、建物のグレードも高い、質の高い住環境。
評価Ｂ●聖心女学院の門がおもしろかった
評価C●どんな人が住んでいるのだろう？の興味のみ。

５．旧国立公衆衛生院＋東大医科研（ＡＡＡＡＡＡＡＡＡＢＢＢＢＣ）評価４．４１　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
評価Ａ●施設の使命と権限を表現した壮麗な建築。同一敷地内の群建築でもあり、何とか残したいもの。北里記念館は簡易ながら立ち寄りやすい。
評価Ａ●遠くからも目立つ建物に惹かれて入ってみると案外開放的。
評価Ａ●規模の大きさに圧倒された。互いの建築物が一体となり、ゆったりとした配置、成熟した樹木との関係も非常に良い。
評価Ａ●美意識も大事にしてた時代なのですね。
評価Ａ●ゴシック調の建物が夕陽を浴びて美しかった
評価Ａ●自然が豊かで、散歩コースにはもってこいの場所、建物も自然にマッチしている。
評価Ａ●公衆衛生院、医科学研とも、地形を巧みに活かしたよいデザインだと思います。ただ、歴史的な建物というと、そのまま使い続けるのは機能的に－耐震性といった問題も－難しいのだと思います。ではかたちだけ残して保全すればよいのか？考えられる方法としてはそれがbetterかもしれません。しかし…
評価Ａ●旧国立公衆衛生院は是非保全活用を！
評価Ａ●地下鉄の駅からも至近距離なので、なにかうまい活用方法がありそうだ。オフィスでもよいかも
評価Ｂ●同じ設計者の手による、兄弟のような２つの建築が並ぶ様は、なかなかの風景。　　
評価Ｂ●中を通り過ぎたのは初めて
評価Ｂ●展示館は、予算上など仕方がないのでしょうが、取り壊すものの一部の移転などであったらよりよかったと思う。
評価Ｃ●木の植え込みもしっかり計算に入れた堂々たる構えが見事。当時は権威を前面に出して建築物を造っていたのだなあと思った。十字架をモチーフにした装飾はイマイチのような……。

６.　白金６丁目地区（坂道、路地、崖地、密集住宅地）（ＡＡＡＢＢＢＢＢＢＢＢＢＣＣ）評価３．１４　　　　　　　　　
評価Ａ●高台から神応小学校付近、さらに商店街へと下る「坂の街」と、かなりレトロな商店街。このあたりも住むにはいいところでしょうね。
評価Ａ●白金の高台から谷におりる道は、ダイナミックで、秘密の道を見つけた気分。住むと仮定すると、坂と日当たりの面で問題もある。
評価Ｂ●北向きの崖地に路地と坂道に沿って小さな庶民住宅がびっしり貼り付き、たたみかけている。密集地なのに、都心方向の眺望が抜群。
評価Ｂ●後日娘と地図を片手に歩いた。聖心女子学院の塀伝いに三光坂の超高級住宅地とつながっていることを確認し、そこからまた路地や崖地に戻ったりと、かなり楽しめた。神應小学校から、六本木ヒルズを背後に抱えた雷神山公園へのアプローチや、公園の正門に向かう小道も粋。
評価Ｂ●丘陵地は高層の建物がないので多様な景色が眺められて楽しい
評価Ｂ●いろんな顔が次々と・・意外性があって面白かった。
評価Ｂ●六本木ヒルズと東京タワーがいっぺんに遠望できた時はとてもトクをした気分でした
評価Ｂ●この高低差から望む東京タワーに感激、都心に急傾斜地があることを再認識しました。　
評価Ｂ●坂道を下ると、街のイメージも一気に変わる。地形と街並みの落差が連動しているのが良くわかって興味深い。
評価Ｂ●眺めはよいが、住むのは大変そう。
評価Ｂ●地震が来たときどうなるだろう
評価Ｃ●空き地から見た夕陽と東京タワーの風景は秀逸でした。崖地の狭い土地に建てられた建物が多く、地震は大丈夫なのだろうか。振り返ると崖地との段差が明確に見えて面白かった。
評価Ｃ●尾道の坂道を歩いているようでした。路地、神社等下町的な空間が多い地区でした。

７.　白金５丁目地区（バス通りの商店街、古民家再生）（ＡＡＡＡＡＡＡＡＡＢＢＢＢＢ）評価４．２９　　　　　　　　　
評価Ａ●空き店舗も散見されるが、バス通りに沿って庶民的な商店街が続き、古民家を転用した花屋やカフェ、レストランが点在して楽しい。
評価Ａ●再生された民家に入った店は居心地が良さそうで、夜は早めに閉店しがちな商店街でも邪魔にならない。
評価Ａ●また行きたい魅力的なレトロ感がおしゃれな商店街。
評価Ａ●地図で見ると、どうということのないバス通りだが、歩いてみると古民家再生に出会い、面白い。
評価Ａ●旧い商家がまだまだ残っており、しかもそれらが現役で使われているところが良い
評価Ａ●古い商店を如何に生かして再生するか等、様々な試みが進行中の商店街でした。
評価Ａ●おしゃれな古民家再生がとてもよかったですな
評価Ａ●古民家のリフォームでこんな素敵な空間ができるのかと思った。
評価Ａ●狭い歩道は、変なグループが歩いてくるとすぐに溢れてしまいますね。棟割長屋を改装したお店はなかなか魅力的ですが、なんとなく値段が高そう。
評価Ｂ●民家再生で面白いものがいくつも見られた。商店街も活気があるように見えたし、おしゃれなお店もふえつつあり、好印象。
評価Ｂ●魅力的なお店に生まれ変わっていることにびっくりしました。　　
評価Ｂ●古い街並みが残る商店街に、古民家を活用した気の利いた店が出来てきている。地方都市の中心市街地のような雰囲気。

■今回歩いた中で、あなたの印象に残った場所はどこですか。（いくつでも、理由も）
・アエルシティ白金高輪／以前を知っているので実現のパワーと苦労を感じたため。
・白金アエルシティ／再開発事業としては非常にうまく街にしている
・再開発で残った工場／地域の産業が再開発でも継承されたことはすばらしい。
・アエルシティ工場街区／町の持つ特徴のひとつである工場の残し方の手法として。
・アエルシティの工場街区／町工場を再開発地区の中にうまく取り込んでいる。
・四の橋商店街の共同住宅／低層高密の下駄ばき住宅でアジア的雰囲気が漂う。
・密集住宅・古いアパート／交通の便・周囲の物価などと古いアパートに住んでいる人とのニーズがどう一致しているのか素朴な疑問を感じた。
・四の橋商店街と裏の密集市街地／下町の雰囲気を残す商店街が元気なことと、そして２８年前の面影を再発見できたこと。
・三光坂／かつてのゆたかな東京の住宅街としてあったということで。。
・三光坂周辺／敷地の大きな邸宅街の落ち着いた雰囲気
・三光坂／坂を上るとそこは、ゆったりと構えた超高級住宅街が佇む
・超高級住宅地／このようなとろこに住んでみたいという単純なミーハー的発想。
・Ｍ邸～聖心女学院に向かう並木道／Ｍ邸から聖心女学院へ続く並木道とそこに並ぶ邸宅はまさに最高級で、紅葉も美しく、見とれるばかり。聖心女学院は裏手の赤い塀もかわいくて○。
・イチョウ並木／強風で見事なイチョウ吹雪を堪能しました。
・聖心女学院／真空地帯？
・聖心女子学院／正門に続く並木道は、銀杏の黄葉が舞い、非常に美しかった
・聖心女学院への並木道／ゆるやかな坂道と落葉が絵に描いたように美しい。
・旧国立公衆衛生院／夢の中に出てくるような一度見たら忘れない建築。
・旧国立公衆衛生院／規模の大きさに圧倒された。前面の広場樹木との関係も非常に良く、利用されていない現在、廃墟となる道を辿っているのかと思うと、非常に残念である。
・旧国立公衆衛生院／昔からランドマークとなっていた建物がきちんと残っているのは景観が継承されていてうれしい
・旧国立公衆衛生院＋東大医科研／のんびりと散歩するには格好の場所
・医科学研究所構内の「資料館」／思いがけないところに休息できる場所があって、しかもそれが空いているというのはいいですね。
・目黒通り／道路拡幅が進み通りの雰囲気が一変した
・ソニー・ミュージックのオフィスビル／建物の表面のガラスの使い方がスマート。
・白金６丁目地区崖地の空き地／東京を一望できる眺望はこの日みた丘の中で一番すばらしかったです。
・白金６丁目地区／密集住宅地ながら、思わぬ眺望が開ける楽しさがある。
・白金６丁目丘の上からの眺め／夕焼けにかがやく景色が素晴らしかった。
・白金六丁目の丘からの眺め／高台から眺める港区の景観は絶景！
・白金６丁目の高台から、足元の町並み越しに眺めた六本木ヒルズと東京タワーの眺望／改めて白金の複雑な起伏に富んだ地形を確かめたことと、北斜面からみた都心の夕景色の美しさ。
・東京タワーの見える場所／ジモティのスポット？
・白金北里通り／古い木造の商店等まちづくりのアイデアが感じられた通りでした。
・白金５地区／後日歩いたときに、古民家再生のピザ屋でランチをした。味も居心地も良かった
・白金５丁目地区／10年暗い離れているとこんな商店街になっていたのかという驚き
・北里通り商店街／昼の買物も夜くつろぐのも両方楽しめることろ
・北里通り商店街／古民家の再生は全国で進みつつあるが、ここは知らなかった
・テナメント・カフェ／一階と二階、二階も席ごとに雰囲気が変わる。天窓や二階の窓、吹き抜け、どれもステキ。駅から遠いロケーションなので、混んでいないのも客の身としてはうれしい。
・カフェTenement／古民家を活かし居心地いい空間を創り出している。
・今回のコースのどこからでも見えた東京タワー／やはり東京タワーは東京の古典的ランドマークです。

■白金に住むとしたら、あなたはどの地区（上記２～７）のどういう住宅に住みますか。
・店舗の充実したアエルシティ。／安易だが便利で眺めが良く、きれいなので今は・・？
・白金１，３丁目の地元商店、工場オナーの経営するアパート／男の隠れ家にしたい。
・白金１・３丁目地区／自分が高級住宅街に住めると思えないので、現実的に住むとしたらこの地区かなぁと。商店街が結構充実していて、駅が近いのが便利に思える。
・白金１・３丁目地区／交通、買い物の便がよい。下町の面白さがある。
・四の橋商店街など商店街のあるところ／生活上便利
・白金5丁目／商店街もあり地域のコミュニティがありそう
・白金５丁目あたりのの古い民家をリフォームして／この地域にしては、あまり高級すぎず、生活しやすそう
・一度は、超高級住宅地に住んでみたい。／自分のライフスタイルとのギャップを感じてみたいから。
・白金１・３丁目地区か６丁目地区の密集住宅地のなかの、こじんまりした一軒家。／生活するのに便利そうで、そのわりに静かで落ち着いている。日当たりは良くなさそう。地上げが心配かな？
・白金６丁目地区の戸建住宅／眺望も良さそうだし買物にも便利
・白金６丁目地区、外苑西通りから坂を上ったあたりのマンション／新参者が受け入れられそう
・白金６丁目地区崖地の空き地を買い取って戸建住宅／夢のような眺望を我が物にできる。
・白金６丁目地区の戸建て住宅／いろいろ不便そうだが、落ち着いた雰囲気と見事な眺望の両方が味わえる。
・白金６丁目の路地に沿った斜面住宅／自然地形が感じられる迷路の奥に住み、坂を下ってバス通りの商店街へ出るのがいい。
・あまり住みたくないので選べません・・

■旧国立公衆衛生院の建物は、誰がどのようにすべきだと、あなたは考えますか。（保存の是非、用途、事業主体、資金等）
・具体的にはどのような手法があるのか、よいのか、わかりません。ただ、ただ壊す、もしくは保存するというのではなく、修復・利用することを考えてもらいたいと思いました。
・一部移築が保存。
・港区が買い上げ博物館、美術館にする
・ぜひ建築としては保存・再生してほしい。（用途はいろいろあると思うが、収益施設として活用すべき。）同じ（あるいは隣接する）敷地の容積を割り増し、超高層住宅（またはオフィス）を建てることによって、修復資金を確保する。
・是非保存を、建物の良さをアピールしながら活用でいないか。資金は広く基金を募る。
・国が保存すべき建物だと思います。安田講堂が残せるのだから、耐震改修して新たな医療関連の新事業を起こそうとしている個人・企業に賃貸するなどアイデアを持ち寄れば活用できるのではないかと思います。　
・機能的な保存は無理だと思うので、現状の建物の形を残せる、別の用途に転用して、建物のかたちを残せればよいと思います。事業主体や資金については、公共団体には期待できないので、ＮＰＯか何かの民間団体が資金を募っていく、ということでどうでしょう。
・やはり国が資金を出して、公共施設にするなどして保存するのが一番望ましいのだろうが、国もお金がないので難しいのだと思う。大きな権威的な建物なので、用途も難しいのだろうか。どの程度老朽化しているのかは気になる。
・隣が病院なので、図書館や博物館・美術館など静かな環境が保てる施設に活用
・保存して美術館にしてほしい。
・これだけの規模のものを維持することは大変だと思うが、解体してしまうと何も残らない。とはいえ、事業主体や資金の面では、非常に難しい問題。また、他の用途としての利用方法があるのかどうかも不可解。大勢の人がこの建築物を見て、考えるべきだと思う。
・もとの建物の性格上あまり世に知られていないような建物なので、雑誌等マスコミを通じて存在をアピールし、保存活動につなげるのが良いのでは。鳥が翼をひろげたような左右対称のインパクトのある建物なので、第一生命ビル（でしたっけ）のように旧い建物と新しい建物を一体化した建て替えが望ましいのでは。公的な病院・学校は耐震性のあるものにしていくという方針目的としてこの場所だったら病院でしょうか。
・規模が大きいことと、外観をなるべく活かしたいので、内部を様々な大きさに区切ってフリースペースとして貸し出すのが良いのでは。
・日本の近代医学が確立した地であること、モニュメント性のある優れた建築であること、医科研病院と呼応したデザインであることなどから、文化財として現状のまま保存したい。国が、公衆衛生に関する記念館・普及施設のようなものに転用すればいいのだが・・・。

■白金の街は今後どのようになっていってほしいですか。あなたの考えを書いてください。
・それぞれの地域の持つ特徴が消えずに存続すること。（上山）
・私のいた都立高では同じ第一学区なため、白金出身も。彼らの家は丘の上でも官舎だったり、そこそこの普通の戸建だったり。シロガネーゼなんていわれはじめていやらしいなと思ってた。バブルの頃に地上げやにあった人もいて、住み続けてられている人が少ない。再開発によって、丘の街、谷の街の距離が埋まる、普通の人が普通に暮らし、住み続けられる街になってほしい。（原）
・これ以上開発が進んでほしくない（千川）
・これまで駅が遠かったために、都心部にしては開発が進んでいなかったが、駅が出来て一気にマンション化が進みつつある。緑の保全や良好な都市景観の形成という観点で、適切に開発をコントロールし、住環境の良さを残してほしい。（栗原）
・高台と古川沿いの低地、それぞれの雰囲気を残しながら新しい魅力が次々と生まれていく街であって欲しい。（古里）
・準工地区（１、３、５丁目）は、工場、アパートが建て替わり各建物の形態が調和した３階建てのマンション（一階は業務継承）、個人住宅となり、２、４、６丁目はは良好な住宅地として継承して行ってもらいたいですね。（井手）
・｢アエルシティ」は別として、あまり変わってほしくないですね。丘の上の邸宅、学園、谷筋の商店街や住宅地。頑張っている町工場。初冬の季節にふさわしい風情のあるまちです。（村松）
・マンション郡が完成した際、無機的な町並みにならなければいいと願います。今日の私にはあまり感じられなかった白金のカラーがもっと感じられ、従来の町と新しく出来ていく町との間に何かしら関連性ができる町になっていってほしいと思います。（矢口）
・今のまま２つの顔をはっきりと持った街でいて欲しい（山根）
・風情のある場所は残してほしい。（桜井）
・地下鉄開通で人の流れが変わったことと思うが、大規模開発はやらずに、ヒューマンスケールでいて欲しい。（脇野）
・東京の陸の孤島だったエリアは南北線で変わったところもありますが、レトロ感漂うまちでいつまでも残っていてほしいのが希望です。（野中）
・丘は敷地の細分化を防ぎたい。谷は防災面を考慮し、高さを抑えながらも共同化して、街区内部に空地を確保するような更新が望ましい。（溝辺）
・白金１丁目には次々とワンルームマンションが建っている。ワンルームマンションはまちの個性をなくしてしまうのでなるべく建たないでほしいと思う。また、どんどん高密度化していくのも心配である。（水谷）
・このままマンション化が進行するのではなく、丘と谷の自然地形に即して、町工場や商店街などの働く場があり、邸宅から庶民住宅まで様々な人々が住み続ける街であってほしい。（大竹）

■コーディネーターより／この白金企画は、コース設定にずいぶん悩みました。"白金”を代表する場所といえば、プラチナ通りと、庭園美術館ですが、その２つをいれようとすると、どうにもコースがまとまりません。事前調査のおり、この２つはカットするという大竹さんの英断で、このコースに決定しました。結果、白金の起伏に富んだ"まち”をより実感できるコース設定となったと思います。このコース設定に"TEKUTEKU”の持ち味が表現されているといえましょう。旧国立公衆衛生院には、特段の思い出があります。衛生院内の研究室に通い、私はそこで卒論を書きました。今回、仮囲いで覆われている姿をみると、とても淋しい気持ちです。北里通りは、帰って都市計画図を見ると、都市計画道路となっていました。道路際に新しい建築物を建てられないという規制のおかげで、かえって古い建物が残るという皮肉な現状となっています。眺望の素晴らしかった白金６丁目の空き地にも近いうちに建物が建つことでしょう。当日、古里さんが２７年前に白金を調査した梗概もいただき、お話もお伺いし、私としては、ことのほか"時の流れ”や"風景の変遷”を意識させられた１日でした。皆さんと一緒に見た白金の風景が、いつかそう遠くないうちに"思い出の記憶”となってしまうのかと思うと、すこし感傷的な気分になります。ちまたでは、｢三丁目の夕日｣という映画がヒットしているそうです。東京タワーを望む昭和３０年代の下町の設定で、都電や長屋がリアルに再現されているそうです。この正月休みに観に行こうと思っています。白金企画にご参加いただきありがとうございました。（水谷晴子）

　 オプション企画★港区の丘の街と谷の町～我善坊町・永坂町・小山町・綱町散歩～

日　時●２００５．１２．１７(土)　１０：３０～１３：３０
コース●地下鉄日比谷線・神谷町駅～旧芝西久保八幡町＋旧麻布我善坊町(八幡神社＋三年坂＋雁木坂　　　　＋ＮＯＶビル)～旧麻布狸穴町＋旧麻布永坂町(日本経緯度原点＋ロシア大使館＋狸穴坂＋植木　　　　坂＋永坂荘)～旧三田小山町(讃岐会館＜昼食休憩＞＋神明坂＋小山湯)～旧三田綱町(三井倶楽　　　　部＋簡保センター＋オーストラリア大使館)～地下鉄南北線・麻布十番駅
参加者●１２名
桜川恵一、千川　明、野中るみ子、原　久子、広瀬敦子、溝辺正浩、村松紀明、山根純一、脇野真澄、脇野陽子、◎水谷晴子＋大竹　亮(コーディネイター) ※岡井有佳(事前調査)
　　　　　　　　　　　　　　この企画は、11/3(木・祝)に、大竹、岡井、野中、水谷、溝辺の５人で、
　　　　　　　　　　　　　　本企画(白金)と合わせて事前調査した結果をもとに実施しました。

１■旧麻布我善坊町＋旧芝西久保八幡町（谷の町､八幡神社､三年坂､雁木坂)
評価：３．７５（内訳：ＡＡＡＢＢＢＢＢ）
評価Ａ●都心にひっそり残る谷筋の町。西久保八幡神社の裏参道や雁木坂が趣き深い。
評価Ａ●雁木坂にあった伝説のように語られるお洒落なレストランが無くなってしまい残念。
評価Ｂ●神谷町駅近くの街道沿いに古い商店（畳屋など）が残っているのに驚いた。西久保八幡の裏階段が風情が残っていて好き。
評価Ｂ●家屋の谷間から泉ガーデンや六本木ヒルズ、東京タワーが覗くのを見て、ここが麻布だったと思い出すほど、下町っぽい。
評価Ｂ●１５年ほど前に訪れた時は、高密度ながらしっとりと落ち着いた街だった。今は寂れているばかり。
評価Ｂ●八幡神社裏の地上げ地域がどのようになるか気がかり。
評価Ｂ●八幡様から住宅街に降りると、空き家にいきなり森ビルの張り紙があったのには驚きました。まだ地上げやっているんですね～。確かに見上げれば泉ガーデンも目の前。ここも変わっていくんだろうか？

２■旧麻布狸穴町＋麻布永坂町（丘の街､超高級住宅地､日本経緯度原点)
評価：４．５６（内訳：ＡＡＡＡＡＡＡＢＢ）
評価Ａ●都心に残る超々高級住宅地。住民運動で旧町名を残したのは見識。
評価Ａ●喧噪の六本木から至近の場所に、こんな屋敷町があるとは驚き。
評価Ａ●大使館も多く、超高級住宅地には外国人居住者も多く見受けられる。
評価Ａ●２戸１の賃貸住宅があったが、街路との関係がよく質が高かった。
評価Ａ●狸穴町に残る日本家屋がいい。これがもしマンションに建て変わるとがっかりしてしまう。
評価Ａ●経緯度原点は、南向きの高台にふさわしいポイントですね。麻布十番にある「永坂更科」の起こりはここの町だったと知りました。
評価Ａ●丘の上の高級住宅地は、街灯の柱に住宅案内板があったのが驚きでした。塗られた古い街灯の柱はわざわざ残したのでしょうか？（Ｋ省の仕事の関係で「狸穴をマミアナ」と読むことを学びました。初め聞いたとき、会議場所がマミアナって何？喫茶店のマイアミの間違いではと思ってしまいました）

３■旧三田小山町（谷の町､密集市街地､讃岐会館､小山湯)
評価：４．３３（内訳：ＡＡＡＡＡＡＢＢＢ）
評価Ａ●縦横に走る路地、迷路のような坂道、階段下の銭湯、現役の螺子工場など、一昔前の東京の原像がそのまま残っている。名著「昭和二十年東京地図」のような町。
評価Ａ●再開発で街が無くなるのが淋しい。
評価Ａ●できれば今の風情を残した開発を進めて欲しい。
評価Ａ●讃岐会館は食事、宿泊、休憩ともに東京の穴場的な存在。
評価Ａ●讃岐会館はお昼どきでもすいていて超穴場。
評価Ａ●さぬきうどんは美味しかった。小山湯は入ってみたかった。街は古風なたたずまいを見せていたけれど、再開発が地面の下で動いているためか、なにか落ち着かない雰囲気を感じたのは考えすぎでしょうか。
評価Ｂ●今回歩いた中では、活気のある街。
評価Ｂ●密集市街地には、これほどまでに忘れられていた下町が残っていたことに驚いた。

４■旧三田綱町（丘の街､三井倶楽部､オーストラリア大使館)
評価：３．７５（内訳：ＡＡＡＡＡＢＢＢ）
評価Ａ●ストリートに面して新旧の立派な建築物が建ち並び、風格が感じられる。
評価Ａ●このまま緑豊かなところとして残るといいですね。
評価Ａ●三井倶楽部を見ることができて満足。日本初の超高層タワーマンション「三田綱町パークマンション」を見なかったことが残念。
評価Ｂ●三井住友グループになっても、三井財閥の残り香はまだ漂っているんでしょうか。
評価Ｂ●三井倶楽部や簡保センターなど見どころは多い。

■今回歩いた中で、あなたの印象に残った場所は？
旧麻布我善坊町★廻りの高層建築と谷間の街なみのコントラスト。
三年坂(我善坊町)★奥まった所にあり、途中で曲がっており、面白い。
雁木坂(我善坊町)★上の町と下の町をつなぐ風情ある坂道。テラスのレストランが無くなって残念。
霊友会釈迦殿(八幡町)★いかにも新興宗教らしいご大層な建物。霊友会はあまり宗教色がないと思っていたが。
釈迦殿の大屋根★ボリューム感がありすぎ。この地域といわれればこの大屋根のインパクトを思い出すほど強烈。
ノアビル(飯倉交差点)★遠くから見ても何のビルなのかわからず、そばへ行ってもやはりわからなかった。
旧麻布狸穴町★谷間で高密度だが、高い建物がまだ少なく、落ち着いた雰囲気が良い。
旧麻布永坂町★木立に囲まれた大邸宅群。
旧麻布永坂町★Ｓ邸は度肝を抜くほど超超高級！
テラスハウス(永坂町)★品格あるデザインとオープン外構が美しい。
首都高高架下の埃っぽいまち★やっぱりまちなかの高架道路は見苦しい。長期的構想として、首都高は地下にするか廃止することを考える必要がある。
旧三田小山町★港区三田という住所からは想像ができないほどの密集市街地。
讃岐会館(小山町)★空間、食事ともにとても得した気分になります。
讃岐会館(小山町)★穴場です。娘の陽子も喜んでうどんを食べました。
小山湯と階段(小山町)★路地奥の銭湯脇に秘密の抜け道のような階段が・・・。
小山湯(小山町)★港区に銭湯があるのは驚きですが、営業をまだしていてほしい。
旧三田綱町★山手線内の東京ってこんなところ。

■この付近に住むとしたら、あなたはどの街のどういう住宅に住みますか？
旧麻布狸穴町の戸建住宅★高い建物がまだ少なく、落ち着いた雰囲気が良い。
旧麻布永坂町の丘の上★あの丘の上からはどんな風景が見えるのだろうと思う。あくまで夢ですが。
旧麻布永坂町の丘の上の豪邸★あくまでも夢とすれば。
旧三田小山町の路地奥の住宅★妙な懐かしさがあり、生活しやすさが感じられる。
旧三田小山町の二之橋寄りのミニ戸建★周辺がミニ戸建ばかりなのでテラスハウスのようだ。今回は見なかったが、旧三田綱町のマンションも住みたい。
旧三田小山町の戸建住宅★通勤便利で、生活に必要な用事も自転車で一回りすれば済みそう。
旧三田小山町★庶民的な商店街もある。
旧三田小山町★住みたいと思う所はなかったのですが、強いて選べばここでしょうか。やはり中古のこじんまりした一軒家で。生活者の雰囲気が残っていて（再開発が気になりますが）静かに暮らせそうな所でした。
旧三田綱町★緑が残っている。

■旧三田小山町の再開発に、あなたならどういう計画を提案しますか？
●麻布十番の街や駅と高速道路で区切られてしまっているのが問題。高速道路側は一体的に整備して、人を呼び込み、その裏側は低層の共同化がよいのでは。
●今の迷路的な魅力を残して不燃化した低・中層住宅＋店舗＋工場という計画は成り立たないものだろうか？再開発イコール超高層（床を増やし分譲して資金調達）という今までの図式でなく、街の魅力で資金調達というような新しい再開発がそろそろ登場してもよいのではないか。都心立地を生かしてこその新しい手法に期待したい。
●超高層タワーは、再開発といっても竜巻のようで、周りを吸いとって今まであったものを吹き飛ばしている感じがします。高層タワーにしなくてもよいと思うのですが。。。
●また、ここにも超高層タワーですか？３～４階程度の低層で、モザイクのような、迷路のような街がいい。
●低層住宅にして、従来から住んでいる人に住んでもらう。
●防災や防犯上必要最小限の開発のみとし、あとは現状維持。
●非常に難しい。路地の記憶を残すような計画がいいのだが・・・。
●建物の形状はさておき、今まで暮らしてきた人たちが一人でも多く、継続して生活できる事業になってほしいと思います。どこの再開発もなかなかそれをできていないのですけど。
●道路と人間的な触れ合いのある面をもつこと。日用３品（野菜、魚、肉）のお店が入る、地区センターなど街の人のつながりの拠点になるもの、保育園

■丘の街と谷の町は今後どうなってほしいと、あなたは考えますか？
●一体的に再開発されてのっぺらな街になるのでなく、それぞれの地形の特徴や歴史が残る街になって欲しい。（山根純一）
●丘の街の閑静な住宅地は非常にいいが、谷の町をまとめて再開発して超高層タワーにしてしまうのは、考えを改めて欲しい。下町の良さが残る人間味あふれる再開発というのは検討できないものだろうか。（脇野真澄）
●表通りはビルなので、裏道に入ると谷と丘のまちを認識できました。どこからでも目に入る高層タワーというのは景観としてどうかと思います。（野中るみ子）
●高低差というのは、まちの成り立ちを実感することができる大切な要素だと思った。丘と谷を実感できる元の稜線や坂道は、できる限りそのまま残してほしい。経緯度原点の先に見えた木々の生い茂る崖がよかった。貴重な場所だと思った。（水谷晴子）
●自然地形を残し（大規模造成はせず）、閑静な邸宅街、生活感ある密集地、それぞれの街の持ち味が生きるような方向を望みたい。そのためには、敷地規模を変えてはいけないのではないか。ミニ戸建による細分化やマンションによる統合を防ぎ、個別の建物更新によって街が徐々に良くなっていくことを望む。（大竹　亮）
●谷の町は再開発はせず、都心に気楽に住める町になってほしい。（千川　明）
●※白金の所に書いたの同じなので割愛（原　久子）
●古地図と重ねてまちを見ると、広幅員道路の築造がまちの裏表をひっくり返し、まちの表情を書き換えてきたことがわかります。地下鉄の開通も、目に見えない重力を生んできています。まちは変わらざるを得ないのでしょうが、できるだけゆっくりと、生活者のテンポで動いていってほしいと思います。（村松紀明）

★コーディネイターより（歩き終わって）
企画の主旨について：今回は、白金企画の前座として、自由研究のテーマ「丘の街と谷の町」の主旨をより一般化するために、港区内で丘上と谷筋のコントラストが特に際だった地区を採り上げて歩いてみました。旧我善坊町は、今ではビル街の谷間に奇跡的に残っていますが、まもなくアークヒルズのような再開発が迫っています。一方で、旧永坂町のような超々高級住宅地が高度利用せずに変わらないのが不思議ですね。三田小山町の路地が縦横に巡り小さな商店や住宅が密集した市街地と、三田綱町の大きな敷地に堂々とした建物が並ぶお屋敷町との対比は、まさに丘上と谷筋の違いを鮮明に表していました。自然地形に即した東京の街の特質とその醍醐味を理解いただけましたでしょうか。
皆さんの評価について：４つの街(町)ともに高い評価をいただきました。いずれも丘の街（邸宅街）、谷の町（密集地）としての特質（持ち味）が明確な地区だからでしょう。印象に残る場所としては三田小山町が多く挙げられ、住んでみたい街では、麻布永坂町の超高級住宅地と三田小山町の庶民派密集地に二分されたのは興味深いところですね（理想と身の程でしょうか）。そうした生活感のある谷の町が超高層タワー型で再開発されていくことに、皆さん懸念を表明されました。とはいえ、防災上も整備は不可欠なので、街の性格を激変させない身の丈に合ったまちづくりの方法を模索することが必要であると強く再認識しました。
私自身の想いについて：私が丘の街と谷の町(洪積台地と沖積平野)という東京内部市街地の基本構造を探求し始めたのは、大学の卒業研究の時でしたが、今回はその典型地区を採り上げて皆さんと一緒に歩くことができ、積年の念願がかないました。オプション企画で、しかも寒い冬の午前１０時半からという設定にもかかわらず、１２名もの方に参加いただき、感謝感激しております。実は私自身、三田小山町と白金界隈をじっくり歩いたのは初めてで、東京内部市街地の自然地形と土地利用の奥行きと趣き深さに改めて驚かされました。都市は多様な読み取りを許容するテクストであり、東京を歩くことは万巻の書物をひもとくことなのですね。さあ、次はどのページを開きましょうか。(2005.12.24/大竹　亮)


▲旧麻布我善坊町／ビルの谷間の住宅群	▲旧麻布永坂町／超高級住宅地のテラスハウス

▲麻布台から旧西久保八幡町に下る雁木坂	▲旧三田小山町／路地に見つけた豆腐・油揚店

▲白金高輪駅前／白金アエルシティの舗道	▲白金1・3丁目／四之橋商店街の共同住宅

▲白金2・4丁目／三光坂上の高級住宅地	▲白金2・4丁目／聖心女子学院への並木道

▲白金4丁目／路地裏に残る木造住宅	▲白金台4丁目／閉鎖された旧国立公衆衛生院

▲白金台４丁目／プラチナ通り商店街	▲白金5丁目／バス通りの商店街（cafe tenement)

TEKU－TEKU 私たちの街を歩こう！「港区の丘の街と谷の町（上の街と下の町）～いぶし銀の白金を歩く～」

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