私たちの街を歩こう■三軒茶屋企画2006.01の記録

teku-teku私たちの街を歩こう


TEKU-TEKU 私たちの街を歩こう! 時が刻んだ街と家−世田谷(三茶・中里・弦巻・上町)を歩く−

【企画趣旨】
東京の近郊農業地域から大山街道沿いを中心に急速な市街化が進んだ世田谷地区ですが、あちこちに現在に至る街の変化の経緯を物語る遺産が残されています。
今回は、若者に人気の三軒茶屋から出発し、旧大山街道沿いに発展した中里商店街と上馬地区の密集市街地から弦巻地区を経由して、かつての世田谷の中心地である上町までの世田谷の街を歩いて街の歴史を紐解きます。
途中、世田谷美術館分館の「向井潤吉アトリエ館」に立ち寄り、民家を描いた画家が自宅兼アトリエとして利用していた建物と展示品について学芸員の方からご案内を頂きます。また、当日は世田谷ボロ市が開催されています。解散後はボロ市でお楽しみ下さい。



【日 時】2006年1月15日(日) 13:30〜18:00
【コース】キャロットタワー展望台(世田谷の市街地を展望)〜三軒茶屋の商店街(すずらん通、エコー仲見世他)〜中里地区市街地(中里商店街(旧大山街道)、明薬通、世田谷ティーズヒル、蛇崩川緑道)〜向井潤吉アトリエ館〜弦巻地区(駒沢給水塔)〜上町地区(かみまち世田谷風景じゅく)〜世田谷ボロ市(解散)
オプション(1):谷貝邸内覧会
オプション(2):世田谷233〜懇親会(一次会:三茶気→二次会:いそげん)
【参加者】計24名
水谷晴子、原 久子、上山晶子、栗原 徹、千川 明、村松紀明、大竹 亮、溝辺正浩、脇野真澄、守安美栄、小田優子、山中洋子、齊藤和史、山口 操、矢口晴美、重永真理子、二瓶正史、大木教子、田村憲二、新井英子、弓削孝浩(オプション(2)参加)、谷貝 等+葉月(コーディネーター) 他1名



【参加者の意見】


1. (1)三軒茶屋地区(キャロットタワー+商店街等)   評価4.00(AAAAAAAABBBBBBBB)
●世田谷の半分が一望!すっと延びた道に秘められた訳を探るべく今回のテーマを導くよきオープニング。
●キャロットタワーからの眺望は最高。商店街は安くて掘り出し物がありそう。
●展望台からの眺めは快適。しかし都心方面が(無料で)見られないのは残念。足元の密集商店街は素敵。
●地下鉄、電車、バスが集結し、超高層タワーのふもとに路地と商店街が広がる庶民的な生活しやすい街。路地裏の飲み屋も面白そうだが、防災上は問題。
●迷路のような商店街・飲み屋街。駅前に表と裏の顔があるようで、何世代に渡っても汎用性のある駅前。
●再開発されてから随分経っていますが、人が集まり賑わっているように感じました。
●近代的な建物と、取り残されたちょっと懐かしいような佇まいが混在していました。
●駅周辺の雑多な商店街が私の三茶イメージ。キャロットタワーができる前の、世田谷線へのアプローチが好きだった。
●キャロットタワーの再開発は世田谷線の駅を中に取り込むことで、新玉線との接続をスムーズにしている。
●キャロットタワーも余所に比べれば圧迫感が少ない。世田谷線駅と広場の組合せはレトロ感さえ感じる。
●世田谷線の駅とのつながりもよくできていると思う。
●相変わらず人が多くて、少々歩きづらい。キャロットタワーのエレベーターの位置が使いづらい。
●キャロットタワーは高い所が好きなので期待していたが、展望は1/2、エレベーターは1/4しか稼働していなかった。商店街は個性的で風情があった。
●キャロットタワー展望台はオープンなスペースで、週末の家族たちが過ごす明るい場所を提供していることは、賑やかさと一緒に十二分に伝わってきました。あそこはレストランの順番待ちをするためのスペー スという機能があるものの、何をするでもない人達が憩う場所としての機能もあるように見受けられ、私の住む地区には、そういう場所は公共図書館くらいしかないので、ちょっとうらやましいです。
●三軒茶屋は若者に人気のある街だと思いますが、気取り過ぎておらず、かといって下北沢ほど若者文化に凝り固まることもなく、老いも若きも気楽にいられる街、の一端を、迷路のように入り組んだ飲み屋街や 古いままの店先に感じました。


(2)中里地区(中里商店街+密集市街地等)  評価3.23(AAAAABBBBBBBBBCCC)
●大山街道旧道のレトロな商店街や迷路のような住宅街に味わいがあり、親しみやすい街。防災面が課題。
●決して広くないエリアだが、ラビリンス感にあふれ、充実した繁華街。
●風情のある氷屋、パン屋、やきとり屋などが気になった。駅周辺の飲み屋街もごちゃごちゃしていておもしろかった。
●今どき珍しい対面販売のパン屋さんとか電気屋さんの看板を出しているのにお米のチラシをぶら下げているお店(閉まっていたので実際何屋か不明)があり面白かった。
●庶民的なところが残っていて味わい深い。
●商店街が連なり庶民的な印象。
●東京の静脈のような底力が満ち溢れていた。
●下町のような雰囲気がしました。
●近所からは消えてしまった風景があり、是非この風情はこれからも残って欲しいなと感じました。
●密集市街地は防災上問題なはずだけれど、むしろ住みやすそうな街に思えました。
●時間の流れが形成した町と感じる。初めて歩いたので面白かった。
●凝った建物が残っているが、賑わいも乏しく、商店街としての魅力に欠ける。
●この商店街もあまり活気がない。
●商店街といっても、それほど活気があるわけではなく、ミニ戸建住宅による敷地の細分化が進んでいる。

(3)世田谷ティーズヒル          評価3.47(AAAABBBBBBBBBBBBB)
●大学跡地を活用して、密集市街地における道路拡幅を実現する、都市機構による密集市街地整備の見本。
●ティーズヒル自体は普通の高密住宅団地に見えましたが、そこに至る道路の整備の頑張りに感心しました。
●ゆるい傾斜にあわせた囲み型の住棟配置がヒューマンスケールで、高さを抑え緑地を巡らせて周辺地区になじんだ、やさしい計画。防災上も効果的。
●真っ平らにするのではなく、小高いままにしておいたり、通路をすこしくねらせたり、という配慮は楽しいと思った。一階ベランダ部分が道路から丸見えなのは、住人もそうだろうし、こちらとしても、少し気 になりましたが。周囲へ還元するような造り、というポイントが印象に残った。
●これだけの都心に子供の遊べる庭部分も広い集合住宅は理想的だと思います。デザイン的にも余計なものはなくすっきりしていて個人的には非常に好感を持ちました。
●植栽も多く、豊かな感じです。デザインも癖がなくよかったのではないかと思う。
●あまり無機的でなく、木のベンチや床、植物、勾配などでさりげなく周囲になじんでいる感じがした。
●きれいにまとめていると思う。
●敷地、配置がゆったりとしているのが良い。
●しなやかに周りと共生している感じを受けた。
●近代的で大規模な集合住宅で今のところ環境は良いのではないでしょうか。
●ゆったりとした建物の配置と広場が、周辺とあまり違和感なく設計されていると思うが、人があまりいなく寂しげでした。
●団地内部は落ち着いた雰囲気で良いが、もう少し外部に開く部分があればよかった。地元では由緒ある場所なのだから。
●世田谷で大規模な開発は貴重と思うが、あまり特徴が見出せなかった。


(4)弦巻地区(駒沢給水塔+蛇崩川緑道等) 評価4.29(AAAAAAAAAAABBBBBB)
●まっすぐな道路の秘密が水道道路であったこと、そして坂の頂点にあるレトロな給水塔は感動でした。
●給水塔は、景観のアイスポットとして残ってほしい。
●給水塔は、非常に魅力的な建築物だった。
●シンボリックなデザインの給水塔はこの地域のランドマーク。ぜひ保存・活用してほしい。
●給水塔は個性的な建物で、周辺の人々の原風景となっていると思うので、残って欲しいと思います。
●給水塔は是非保存してほしい。
●緑道は気持ち良かった。給水塔は迫力があった。
●旧河川の緑道を歩き続けるのが楽しい。ややクラシックで華麗な表現主義デザインの駒沢給水塔は、何とか残したいもの。
●こんな名前の川があるなんて初めて知りました。給水塔は映画のロケにも使えそうな建築で保存運動が起きているのも頷けます。
●世田谷は「沢」の付く地名が多く、ここでもその名の通り、地形の変化を見ることができました。
●「蛇崩川」は、氾濫の多さを連想させる異様な名前だが、それを踏まえて現在がある事を忘れさせない。緑道のこういったネーミングは大事。
●沿って歩み進めるにつれ、蛇崩川緑道の様々な表情をのぞけた気がする。
●緑道は、とても気持ちよく歩いた。木々がうっそうと生い茂る部分があったり、沿いに建つ家々の気配が僅かに感じられる、ああいった散歩道が近所に欲しい。給水塔は、ぜひとも昼間に行って中も見学してみ たかった。
●この辺りは緑道が多く、また使っている人も多いのが印象的。でも夜は危なそう。
●23区内の住宅地としては道幅も広く、閑静な住宅地。

(5)向井潤吉アトリエ館           評価4.75(AAAAAAAAAAAAAABB)
●かつての世田谷を想起させる静かな丘の上にあり、画伯の作品と建物が落ち着いた風格を添えて、小さいながら心地よいスペース。画家のアトリエを現地で美術館にする試みを評価したい。
●建築当時の面影を残してうまく再生して、ミニ美術館としており、建築、展示内容のどちらもいい。
●アトリエ保存で作家の息吹を感じるだけではなく、なくなりつつある「昭和初期の家」の保存自体にも意味があると感じます。
●展示物ももちろん、内部の大胆な空間構成と気持ちの行き届いた細部の取り合わせがすばらしい。
●民家を展示場に利用しているところはよくあるが、建物(照明や壁など)の詳しい説明があり、興味を惹かれた。絵も見ごたえがあった。
●守安さんの解説付き、ということで鑑賞に深みを持たせる事ができた。向井の家に遊びに来ている、といった感覚を味わった。それがすなわち「アトリエ館」として残す・動態保存する、ということ。向井が絵 の題材とするところも、この集まりの主旨に重なる部分がなきにしもあらずで、思う事が多かった。
●守安さんの解説が解りやすかった。
●かつてのこのあたりの面影が残っている。
●建物の規模、庭の様子などが、とても気持ちのよい空間を作っている。こんなところに住みたいものだ。
●住宅地にひっそり建つ展示施設は、周囲にも溶け込んで穏やかな空気が漂っていました。冬の季節もちょうどよく似合っていました。
●10年ぶりくらいに足を踏み入れましたが、ほっとする空間です。アクセスが不便なのがちょっと。
●建物内部もいいが、庭も凝っているわけではないが落ち着く。
●画家のこだわりが心地よい美術館でした。私の大学の近所の絵があり、驚きました。
●画家のかつての住居を美術館とするのは好ましいが、展示点数がやや少ないように思った。


(6)上町地区(旧大山街道+代官屋敷・郷土資料館)     評価2.71(ABBBBBBBBBBCCC)
●旧道らしく鈎の手に曲がるにぎやかな商店街。まちづくりNPOのショップで売る地図がいい。
●中は見なかったのでわからず。歩いている時もあまり意識していなかったので、風景じゅくは意外に若い 人が熱心に宣伝していたのが想定外。
●ひどく混んでいたので、ほとんど見ていません。いずれ、すいている時に訪ねてみたい。
●暗くなってしまってよく見えなかったので、昼間に再度行ってみたいです。
●ポロ市が開催されており、また暗くなっていたためよく分からなかったが、代官屋敷は明るいときに行っ てみたいと思う。
●ボロ市と代官屋敷がなければ、普通のごく商店街のように見える。
●郷土資料館は展示がいまいち。
●あまりの混雑ではぐれないようにすることだけが精一杯で・・・

(7)世田谷ボロ市              評価3.38(AAAAABBBBBBBBBCC)
●ごった返す人ごみをかき分けて上町駅まで歩きました。ゆっくり買い物をしたかった。江戸時代からよく続いてきたものです。売り手・買い手のエネルギーに脱帽。
●地域のコミュニケーション、活性化には最高の催し物です。混んでいてまったく見れませんでしたが。
●老若男女が集まり、賑わいがあり、ぶらぶらと歩いているだけでも楽しい。
●雑多に並んだ店の雰囲気に庶民の変わらぬ熱気に心躍らされます。
●縁日のようだが、古着屋や様々な道具を売る店があり、まだまだ「市」の雰囲気があると思う。
●圧倒されました。この市は、ぜひ朝一番で来てみたい。
●長年続いていることが素晴らしい。
●楽しく賑わっているところがすごい。
●大変なにぎわいでしたが、あんまり欲しいと思うものはなかったです。でも面白いイベントです。
●言葉の響きで骨董品が多いのかと思ったが、期待していたような出店は無かった。
●混雑しすぎて店が見られない。
●人ごみにやられました。
●迷子にならないようにひたすら前を見ていたのでよくわからず。何が何だかわからない混み具合が子供の頃の暮れかお正月の雰囲気を思い出させてくれた。
●毎年賑わいが増しているようだが、骨董品の市というよりも、単なる縁日になりつつある。コンセプトの再構築が必要ではないか。


(8)今回歩いた世田谷地区全体          評価3.82(AAAAAAABBBBBBBBBB)
●交通至便で、庶民的な商店街や飲み屋街、落ち着いた住宅地や美術館、緑道などが混ざり合った、飾り気がない「等身大の街」である。
●華やかな三軒茶屋のすぐそばに、ゴチャゴチャした飲み屋があったり緑道があったり歴史を感じさせるものがあったり、バラエティに富んでいる。
●開発されている部分とそのままに佇む部分との差異が刺激的であり、「残す」という文化もあることが頼もしくも感じました。
●猥雑な商店街もあれば立派な家もある。ちょっと歩くだけでいろいろな風景が見られ、散歩が面白そう。
●世田谷のこの辺は平坦な印象があったが、蛇崩川による地形や、街道に影響されて様々なタイプの市街地がある、多彩な街でした。
●世田谷区全体として住宅地というイメージでしたが、三軒茶屋を中心とした商業地もあることを学びました。下町っぽさも新発見。
●世田谷の下町、三軒茶屋はやはり面白かった。商店が多いので、古い建物が残っているのでしょう。
●三軒茶屋周辺などをじっくり歩くのは初めてでした。あそこまで「気さく」な街だとは、予想外でした。ぐっと親近感が湧いたし、良い飲み屋が多そうで、とても気になる街となりました。
●商店が充実し、緑も多く、良好な住宅地という感想をもちました。
●「世田谷」という地域が、あんなにミステリアスだとは思わなかった。触れば触るほど発見がある!
●どこまでも歩き続きたくなるような町が好きなので、こういう町は好きです。
●殆どの地域が初めて行ったところが多かった。
●居住するには人気の街だと思うが、今ひとつ生活感が感じられなかった。
●ところどころに、歴史的な要素や地域の個性も見受けられるが、全体としては平均的な東京の住宅地。

2.今回歩いた世田谷地区について
(1)住むとしたら、どの地区にどのような住まい方をしたいですか?

●三軒茶屋駅から徒歩圏ぐらいのところに、あまり広大な屋敷でなく、こじんまりと住みたいですね。買い物や「軽く一杯」にも便利そうだし。都心に行くにも乗り換えはいらないし。
●三軒茶屋周辺。安くおいしく楽しく住みたい。賑やかな商店街で掘り出し物を見つけ、また休日には人気のないひっそりとした寺社建物の探訪や見仏し、ひとりでにやけたい。
●三軒茶屋の庶民的な賑わいの中で住みたいですね。
●三軒茶屋地区でなるべく生活上の用事は周辺地域で済ますような、コンパクトな生活。
●三軒茶屋ならば、駅周辺に気軽に立ち寄れる小さな呑み屋が沢山あるのはとても嬉しい。勤めを終えて地元に帰宅し、ウチにまっすぐ帰る前に一杯外で呑みながら読書するなりをして、ウチに帰ってすぐ就寝、 というのが理想的な生活なので。仕事後に疲れを癒す場所が近所に沢山あるところで暮らしたいです。
●三軒茶屋地区:大通りはうるさいが、街区内に入れば閑静。戸建てか集住でも低層テラスならよい。
●三軒茶屋あたりの小粋な民家を改造し、小さな庭で花を育ててご隠居気分で住む(買物も便利)。
●世田谷ティーズヒルの公団(UR)賃貸住宅:配置計画と団地内の環境が気に入った。防災面も安心できる。
●駒沢給水塔のあたり…緑道に面した小さな一軒家。緑豊富で気持ちよさそうだった。
●弦巻地区で住居兼工房を建てて。
●駅から遠いことが難点だが、弦巻地区の低層マンション。
●旧市内にあり、縁側でのんびりひなたぼっこしたい。
●谷貝邸の周辺の歴史のありそうなアパートなどで近所づきあいを楽しんでみたいです。
●東急世田谷線の沿線。住まい方:通りから繋がっているような一軒家も良いし、マンションの最上階も。(どちらも耐震構造さえしっかりしていれば)

(2)どこに刻まれた時を感じましたか?
●「旧・大山街道」→「大山街道」→「246号線」という、幹線道路の軸の移り変わりに伴う商業地の変遷と、それを受け入れている住宅地の変化。
●三軒茶屋のエコー仲見世から映画館のあたりに昭和の歴史を感じる。
●どうやって出来たのかわからない怪しげな飲み屋街と、追い剥ぎに遭いそうなくらい田舎だったという向井潤吉アトリエ館。
●駅前の飲み屋街・商店街・上馬あたりのアパート・民家など。
●中里地区にあった氷屋…いつまで続けられるのか?谷貝さん宅の浴室壁の富士山のタイル絵…個人宅で始めて見た。とても素敵だと思った。
●新・谷貝邸:築70年の住宅をリフォームしてうまく現代的に住みこなしている。2階の貸間は高度成長期の遺構ともいえ、「庭先・お神楽」の実例として興味深い。
●上馬のライオンと、金物屋さん。そこでしか刻めない時を感じた。
●駒沢給水塔:暮れなずむ夕日と2つの塔はきれいだった。
●給水塔が印象深かった。「水を神としてあがめ、それを送り出す給水塔もまた意匠に凝ったものが多い」と いう話をもっといろいろと聞いてみたかった。給水塔ばかりを被写体とする写真家・ベッヒャー夫妻は、 全くの無機的なもの、としてそれを選び撮影しているように私は感じるが、そこからも分かるように各国 における給水塔観?の違いはあるようで、その比較も面白いかしら、と思ったりした。
●やはりボロ市。
●お屋敷町の成長した木。商店の古い表示など。意外に残っているものですね。

(3)今後のどのようなまちづくりをしていったら良いと思いますか?
●街を大きく変える必要はないと思う。今ある良いものを地域の人たちが育ててゆくことで、地域力を高めてゆくような街づくりが良いのではないか。
●基本的には今までどおり、住宅地の中に商業・飲食などの商店街・店舗がにじみ出していく、という形で、両者が共存できる街であってほしいと思います。
●便利で生活しやすい(お金がなくても暮らしやすい)庶民派の街であり続けてほしい。大規模開発は控え、古い建物や路地裏も大事にして、世田谷ティーズヒルのような整備で地道に防災性を向上させていくべき。 そのためには、居住者や専門家、活動団体などをネットワークするNPOが育ち、住民主導のまちづくり を進めることが基本。
●ティーズヒルのように地元の意見を汲み上げて公共の力で取り組んだら良いのではないか?(武蔵野は学校の跡地に民間マンションが建つとのことで反対運動が起きているそうです)
●木造の密集した飲屋街などアジア的で魅力的なので、あの風情を残して欲しいが、やはり再開発の波に飲まれてしまうのだろうか。コミュニティを大事にし、地域住民の防災意識を高め、現在の猥雑さを残しな がら少しずつ改善出来たらいいと思う。
●密集市街地では、防災(特に延焼対策)が大事だが、今の雰囲気を壊さないように、地元の協力による初期消火体制とか、ソフトも取り込んだまちづくりをしてほしい。
●三軒茶屋界隈はNPOもいくつか関わっているはず。地域通貨やらもあったはずだが、そういうものを総合的にもっと宣伝できればよさそうな気がする。
●ボロ市近くでNPOがあったが、今後、まちづくりの拠点として、さらに発展して行ったらいいと思った。
●街自体は人気があると思うので道路の拡幅や歩道を整備し人の移動が安全に出来るようにすれば良い。
●自分の家の前だけじゃなく、雪かきをみんなでやれるまち。
●それぞれの町の特色を失わないこと。弦巻地区には昨今マンションが増えているが、大規模開発であっても(中)低層でといった周辺環境との調和が大切。
●閉じすぎない、隠しすぎない、街。古いから、といって無差別に壊し立て直すのでなく、古さの良さ、を認識した上でリノベーションをしていく街づくり。
●ショッピングやファッションビルにならずに、何とか商店街を残してほしい。
●「昭和」の息吹が残るようなまちづくり???
●もう超高層はたくさん。

(4)今回の企画についてのご意見ご感想等
●午前中オプション企画(築70年の谷貝邸内覧)に始まり、世田谷中里・上町地区の素顔と多彩な醍醐味を楽しめました。猥雑な街の面白さと自分の仕事(都市防災)との狭間で悩みつつ、ボロ市の雑踏で終わ りました。夕方オプション(新井作品が展示されたボックスギャラリー世田谷233訪問)もとても魅力
的で、弓削(新井)夫妻に感謝します。向井潤吉アトリエ館の歩く学芸員・守安さんにも感謝です。夜の三 軒茶屋の路地裏・飲み屋ツアーも盛り上がり、いつの間にか日付が変わっていました(!)今回はこの teku-teku時間割2月号も、新・谷貝邸での発送作業となります。(大竹)
●三軒茶屋から上町まで、再開発地区や密集市街地を見て、向井潤吉アトリエ館、駒沢給水塔、ボロ市、さらには、本企画終了後の世田谷233まで、とても充実した企画だったと思います。(栗原)
●広い世田谷の中からその一郭を切り取ってみせてもらい、世田谷に対する先入観(=ほとんどが住宅地?)を改めました。密集商店・飲食街がいいですね。(村松)
●自分にとって、知られざる「せたがや」のまち散策となりました。一人で資料持ちながら探索もいいが、こうして様々なお立場の方々と話しながらめぐることは、一つの共同体のようになって、それら一歩一歩 にまた時が刻まれ、歴史が築きあげられるそんなツアーでした。(守安)
●三軒茶屋付近の怪しげな感じと、弦巻などのちょっと上品な感じが隣り合わせで、散歩をするといろいろな風景が堪能できて面白かった。楽しい企画をありがとうございました。(山中)
●普段暮らしていて耳に入ってこない三軒茶屋をかいま見たような気がしました。個人的には目抜き通りを少し見てみたかった。(斉藤)
●三軒茶屋というところは、時折行くわりに知らないことが多かったと、よくわかりました。まだまだありそうなまちの魅力を教えてもらいに、すっかり地元通になった谷貝夫妻をまた訪ねてみたいと思います。 (溝辺)
●三茶は随分行くのですが、ちょっと外れた御近所はなかなか歩かないので楽しかった。懇親会の店も三茶らしくてよかったです。&233を急遽加えていただきありがとうございました。(新井)
●三軒茶屋や大山街道のあたりに、古い民家が点在していることが興味深かったです。オプション企画の谷貝家も古い民家ならではの懐の広さやゆとりがあってよかったです。(原)
●谷貝さん宅がアパート付住宅だったことが、なによりびっくりしました。始めて見ました。お昼のお店は安くておいしくて…三軒茶屋が質の高い地域であるということを象徴しているようなお店でした。(水谷)
●午前中、谷貝邸にお邪魔させて頂き、どうもありがとうございました。生家を思い出す土壁、長い廊下にしっかりとした造り。想定外だったのは下宿部屋があったこと!是非有効活用をご検討ください!(脇野)
●時間の都合で谷貝宅の見学が出来なかったのが残念でした。(千川)
●細かく周って頂き、盛りだくさん企画をありがとうございました。色々な側面を感じることができました。(上山)
●甘いものを摂取できる場所などにも立ち寄りたかったですが…(小田)
●皆さんの幅広い深い知識と観察力、気づきの早さには心から敬意を表します。今回は途中でアトリエ見学があったのが良かったですね。(山口)


3.コーディネーターより
(1)三軒茶屋に住んで

三軒茶屋に住んで丁度一年になりました。三軒茶屋はアクセスも良く、コストパフォーマンスの良い買物と日常生活を楽しめるのが魅力です。近隣住民は野良猫の糞尿害に憤慨し、ノイローゼ気味!! 火災延焼とか地震にはビクビクです。若い人も年寄も多い!狭い道の暴走自転車、駐輪マナ−、ずさんなゴミ集積場など、住人に対する配慮意識がUPしてほしいですね。ちなみに古い木造住宅は寒いですよ(苦笑)。(谷貝葉月)
(2)今回の企画と評価結果について
今の住まいは祖父母が住んでいた住宅で、子供の頃渋谷から「玉電」で中里電停まで乗ってきました。昭和44年に花電車を見送り、その後はバスに、そして今は高速道路が道路上空を塞ぎ地下鉄が通りました。このような交通機関の整備に伴って街並みは大きく変わりましたが、祖母に連れられ三軒茶屋まで買物に行った今回通った裏路地はまだ一部残っていました。
縁あって世田谷に住むことになり、こうした昔の記憶と現在を重ね合わせると、街は大きく変わりながらも、昔のものがあちこちに残されていることがわかってきました。例えば、「玉電」の中里電停は、246の中央ではなく北側に寄っていました。これは、今回歩いた三軒茶屋から蛇崩川に向かって左に迂回していく中里商店街が大山街道の本道で、「玉電」は、三軒茶屋から上馬まで真直ぐの専用軌道を通したことによります。246はその後、「玉電」の軌道を拡幅して直線でつなげて中里商店街は脇道になりました。駒沢給水塔についても、キャロットタワーから見える真直ぐな道路が気になっていましたが、その先に今は使われていない給水塔が残っていることで謎が解決しました。
今回は、この1年間で開拓した穴場を、冬晴れの下、自宅やボロ市と共にご案内できて良かったと思います。三軒茶屋は、絶えず変わりつつあります。古くからある個人商店が系列店に変わり、少し離れた中里商店街のような場所に新たなお店が出店してきています。向井潤吉アトリエ館は、一度行ってすっかりファンになりました。あの落ち着ついた佇まいに世田谷の良き時代を感じます。自宅公開が予想以上に好評を頂いたことには正直驚いています。皆さんからの評価にあったようにこれからは住民の協働による街づくりが重要かと思います。これからも世田谷に刻まれた時を探しつつ、世田谷での住まい方を探求したいと思います。
三軒茶屋から上町辺りまでがこの1年間の開拓範囲です。三軒茶屋にはレンタサイクルもあり、今後は行動範囲を広げていきたいと考えています。(谷貝等)

キャロットタワー展望台からの眺め
(左の一直線の道路が駒沢給水塔からの水道道路)
地域のランドマークとなるキャロットタワー
(水道道路からはキャロットタワーが正面に見える)
キャロットタワー1Fの世田谷線三軒茶屋駅 駅前空間は広場として活用
エコー仲見世商店街  路地の奥に今も残る映画館
迷路のような路地の上で建物がつながる 一軒家を改造した居酒屋(懇親会会場)
密集市街地の道路の拡幅事業(都市機構事業) 世田谷ティーズヒル(明治薬科大学跡地)
中里商店街(旧大山街道)に残る氷屋 中里商店街(旧大山街道)の出桁造の金物屋
蛇崩川緑道を歩く  向井潤吉アトリエ館で守安学芸員の説明を聞く
水道道路終点の駒沢給水塔 多くの人で賑わう上町の世田谷ボロ市

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